犬には野菜、果物は必要ない、とよく言われるが本当?

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普段、愛犬にドライタイプのドッグフードを与えている人は、犬は野菜なんて食べるの?、と思っている方もいるのではないでしょうか。

野菜

実は、犬にとっても野菜や果物はとても大切な栄養源なのです。

「もなか」の場合、普段食べている「おじや」にその時々で色々な野菜を入れています。キュウリ、ダイコンなどは生のスティックを食べるのが大好きで、いい音をさせて食べてます。

《参考記事》 犬が食べてはいけないもの、タバコ、野菜、卵

野菜の食物繊維、ファイトケミカルはガンなどの病気予防に有効

昔は、野菜に多く含まれる食物繊維は、人間や犬には消化して吸収できないため、栄養学的な価値はまったく無いと言われていました。ただ、最近では色々と研究が進み、これらの成分が健康に大きな影響があることがわかってきました。

食物繊維は「第六の栄養素」

昔から食物繊維は便秘予防に有効であると言われていましたが、その他にも血糖値の急な上昇を抑えたり、体の様々な有害物質を取り除いたり、腸内細菌のエサとなるなど、健康を維持するために色々と重要な機能があることがわかってきました。

そのため、最近では、食物繊維のことを「第六の栄養素」と言うこともあります。

実際に、食物繊維を多く取っている犬の方が、長生きする傾向があるそうです。

ファイトケミカルは「第七の栄養素」

さらに野菜には、カテキン、リコピン、イソフラボンやポリフェノールなどの体によい成分がたくさん含まれています。これらの植物由来の栄養成分を一括りにして「ファイトケミカル」と言います。

「ファイトケミカル」とは、植物が紫外線や虫などから自分自身を守るために作り出した物質です。植物の色、香り、アクなどの成分で、たくさんの種類があります。ファイトケミカルの働きの中で注目なのは、活性酵素から体を守ってくれる効果です。

活性酸素とは、細胞が活性化する中で生成される物質で普段は免疫機能を強化する役割があるのですが、過剰になってくると、体にとって有害な物質となり、がんなど様々な病気を引き起こすと言われています。

ファイトケミカルには、その余分な活性酸素を中和してくれる効果があり、「第七の栄養素」と言われています。

生きていくためには、必要ではない栄養素

野菜や果物に含まれる、食物繊維やファイトケミカルは、生きていく上で必ずしも必須である成分ではありません。

これらを摂取しなかったからと言って、すぐに栄養不足で死んでしまうということがないため、安いドッグフードには含まれていないことも多いです。

ただ、今まで必要がないと言われていた、これらの成分が老化、ガンなどの病気予防にとても効果があることがわかってきています。愛犬が健康で長生きするためには、どちらかと言うと積極的に食べさせてあげたいものです。

今まで愛犬に野菜をあげたことがない、という方にオススメなのはサツマイモです。サツマイモは甘くて大好きなワンちゃんも多いので、試しにおやつとしてあげて見てはどうでしょうか。

野菜や果物にはビタミン類、ミネラル、食物繊維が豊富

ご存じのように、野菜や果物にはビタミン類、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。

それらの栄養素は、犬の体にとって必要なものであり、ワンちゃんが生きていくためには摂取しないといけないものです。元々、肉食である犬はそれら必要な栄養素を、捕食した動物の生肉(腸や心臓、血など)から摂取していました。

犬は元々肉食だが、現在では雑食性

お肉

犬は元々、オオカミと同じ祖先を持つ、肉食の動物だったのですが、数千年もの昔から人間に家畜として飼われるようになって、動物の肉を主食としながらも、小麦やお米などの穀物類や野菜も食べるようになりました。

現在では、その雑食性が強くなり、野菜などもある程度消化できるようになっています。ただ、犬の場合、穀物や野菜は敢えて必要ではなく、生肉だけを食べても生きていけると言われています。そういう意味で、完全には雑食ではなく、肉食の傾向が強い雑食というところでしょうか。

ただし、元々、肉食であった犬は、穀物や野菜を人間のようにうまく消化することができません。このため、手作り食を犬に与える場合、炭水化物や野菜類は加熱して消化しやすくしてあげることも大切です。

ドッグフードを選ぶ場合でも、動物性タンパク質が多く使われているものを選んだ方がよい、と言われるのもこのためです。安いドッグフードでは、コスト面から小麦やトウモロコシが多く使われていますが、犬にとっては消化しづらい食材となります。

ドッグフードで必要な栄養素を補給している

現在のワンちゃんたちの多くは、必要な栄養素をすべてドッグフードに頼っています。

普段ドッグフードだけを愛犬に与えている人の中には、犬は肉食だから野菜は消化不良を起こすと、勘違いしている人も多いと思いますが、実はドッグフードにも穀類や野菜が入っています。

最近のプレミアムドッグフードと呼ばれている高級ドッグフードでは、お米やジャガイモ、サツマイモと言った炭水化物が入っているものも多いです。

最初にも言いましたが、野菜にはワンちゃんに必要な栄養素が豊富に含まれており、生きていくためには摂取する必要があります。ドッグフードであっても、手作り食であっても、これらの栄養素は犬にとって必要なのです。

ただし、肉食である犬の場合、人間と同じほどは必要ありません。元々、肉食である犬の食性を考えると、普段与える食事としては、動物性タンパク質をメインにした方が自然なのです。

ドッグフードはインスタント食品と同じ

インスタント食品
個人的には、完全栄養食と言われるドッグフードにはかなり疑問があり、ドッグフードは単なるインスタント食品じゃないかと考えています。

ドッグフードは確かに便利な食べ物です。ただ、そればかりを食べていて健康にはなれないと思います。人間の場合で言えば、インスタント食品ばかり食べている人は、健康的な食事をしていると言えないと思うのですが、なぜか、犬の場合では、手作り食を与える方が批難されることが多いです。

単に生きていくために必要なものと、健康で長生きするために必要なものは、明らかに違うはずです。確かにドッグフード(インスタント食品)には、毎日のエネルギーを補給するための栄養は十分に含んでいるとは思いますが、同じものばかり食べていると、栄養が偏ってしまう気がしてなりません。

ドッグフードで一番気になっている点は、世の中に粗悪なドッグフードが如何に多いかです。粗悪なドッグフードでは、犬にとって必要な肉類でさえ、まともな食材を使っておらず、その他の栄養素など添加物としてふりかけのように混ぜているだけのものが多いのです。
《参考記事》 安いドッグフードにはご用心-適正価格はいくら

2009年にペットフード安全法ができ、ドッグフードの中味についてもある程度表示されるようになりました。以前に比べるとドッグフードに何が入っているのか、分かりやすくなったと思います。愛犬が食べているドッグフードの成分表を見てもらうと、人工的な添加物が如何に多いのか、分かると思います。

まとめ

「もなか」の場合、ドッグフードから手作り食に切り替えたのは、アトピーが原因でした。

元々、アレルギー体質だったこともあると思いますが、質の悪いドッグフードが合わなかったようです。その証拠に手作り食に切り替えてから、見違えるほど健康的になりました。(今でも、たまに痒そうにしていることはありますが。。。)

最近の犬にガンやアトピーが異常に多いと言われていますが、粗悪なドッグフードも原因の一つではないかと思います。

ドッグフードの一番の欠点は、その一番の利点である「完全栄養食」であることだと思います。その言葉を信じて、ワンちゃんの栄養管理をドッグフードに頼っていると、大きな落とし穴に落ちるかもしれません。

ドッグフードには激安のものから、高級プレミアム的なものまで、実に様々なランクのものがあります。常識的に考えても、それらのすべてが同じように完璧な栄養素を含んでいる訳がありません。

必然的に足りない栄養素は、他で補充する必要があるのですが、ドッグフードの場合、何を足してあげればよいのか、よくわからないのです。

 

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