犬種によっても「がん」の発生率が違う-そもそも腫瘍疾患とは何?

この記事は約5分で読めます。

もなか

最近の犬は長生きするようになったこともあり、昔に比べると「がん」になるワンちゃんの数が劇的に増えています。今では、犬の死亡原因も圧倒的に1位が「がん」で、そのあとに心臓病という順らしいです。

犬が「がん」になる原因は、長生きすることで老化すること以外にも、色々と理由がありますが、その一つとして遺伝的に「がん」になり易い犬種があるようです。

今回、腫瘍疾患になり易い犬種や、そもそも「がん」とは何なのかについて、調査してみました。

腫瘍疾患になり易い犬種ランキング

少し前、ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーが母よりガン遺伝子を受け継いだとして、事前に乳房切除や卵巣・卵管の切除手術をしたことが話題になっていました。

人の場合は、昔からガンになりやすい家系があると言われていましたが、最近の研究によって、遺伝子の配列によってガンになる確率が高くなることが分かってきております。

犬の場合でも同じように、遺伝子配列が似ているはずである「犬種」ごとに、腫瘍の発症率に差があると言われています。

少し古い記事なのですが、アニコムの記事で犬種別の腫瘍疾患の発生率が載っていました。

《アニコムの記事》 ガンになりやすい犬種がある?

この記事によると、0歳から8歳の犬の腫瘍疾患の平均発生率が4.9%なのに対して、ゴールデン・レトリーバーでは9.6%とほぼ倍の発生率となっていました。

  1. ゴールデン・レトリーバー:9.6%
  2. フレンチ・ブルドッグ:7.8%
  3. ラブラドール・レトリーバー:7.5%
  4. ミニチュア・シュナウザー:6.5%
  5. シー・ズー:6.4%
  6. パグ:6.3%
  7. ウェルシュ・コーギー・ペンブローク:5.1%
  8. トイ・プードル:4.6%
  9. ミニチュア・ダックスフンド:4.1%
  10. マルチーズ:3.9%
  11. ヨークシャー・テリア:3.6%
  12. キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル:3.3%
  13. MIX(混血犬):3.2%
  14. 柴:2.1%
  15. チワワ:2.0%
  16. パピヨン:1.5%
  17. ポメラニアン:1.3%

一般的に、柴などの日本犬の方が洋犬に比べて、腫瘍疾患になる確率は低いと言われています。

なぜ、このように犬種について「がん」になる確率が違うのか、よくわかっていません。

また、年齢的には、4歳ぐらいから腫瘍疾患が増え始め、7,8歳では10頭に1頭(10%)、10歳では6頭に1頭(17%)と年を取るごとにその確率はどんどん上がっていきます。

そもそも腫瘍疾患とはどんな病気なのか

腫瘍疾患とは、一般的に言う「できもの」と同じものです。

細胞の遺伝子情報が傷つくことで、細胞が異常増殖し出すことが特徴なのですが、その種類には大きく、「良性腫瘍」と「悪性腫瘍」の2つがあります。

細胞の増え方に違いがあり、「良性」の場合には、細胞が膨らむように大きくなりますが、「悪性」の場合は、周りの細胞にまで深く入り込んでいくのが特徴です。

また、「良性」と「悪性」の違いは、異常増殖した細胞が一定の大きさになって成長が止まるか、止まらないかです。成長がとまるものを「良性腫瘍」、止まらないものが「悪性腫瘍」といいます。

悪性腫瘍(がん)は早期発見がとても大切

「良性」では増殖スピードが比較的緩やかであり、他の臓器へ転移することもほとんどないため、命の危険性はほとんどありません。一方、「悪性」の場合には、その増殖スピードが異常に早く、他の臓器へ転移もするためとても危険な病気です。

「良性腫瘍」の場合、切除してしまえば完治するものが多いのですが、「悪性腫瘍」の場合には、切除しても他の臓器への転移していたり、少しでも細胞が残っていると、再発したりもします。

上皮細胞などに発生する「悪性腫瘍」を一般的に癌といい、それ以外の細胞に発生するものを肉腫といいます。

特に若い場合には進行も早く、痛みなどの症状が出たときには手遅れということも多くあります。このため、悪性腫瘍はできるだけ早期に発見し、他の臓器へ転移する前に対処することがとても大切になります。

「良性」か、「悪性」かは患部を切り取って、詳しく病理検査することで判別できます。

まとめ

今回、調査した中では柴犬は比較的「がん」にはなり難い犬種のようでした。ただ、年を取ると誰でも「がん」になる確率がどんどん上がってくるのは、確かです。

一般的に「がん」になる理由としては、老化などで体の免疫力が低下していることが大きな原因です。

私たちでも同じなのですが、犬でも紫外線、発ガン性物質の影響などから、体の中では細胞の「がん」化が絶えず起こっています。通常であればその「がん」化した細胞は、体の免疫機能によって素早く処理されます。

ただ、何らかの原因で体の免疫機能が弱ってくると、この「がん」化した細胞を見逃してしまうことがあるのです。

このため、「がん」にならないためには、そもそも「がん」化する細胞を減らすこと、普段から体の免疫力を高めること、がとても大切です。

「がん」になる原因には、様々なものがあると言われていますが、以下にその一例をあげてみます。

  • 普段の食事に含まれる発ガン性物質
  • 老化や食事での栄養不足による免疫力の低下
  • ストレスからくる免疫力の低下
  • 太り過ぎ、痩せ過ぎ
  • 腸内環境の悪化による悪性物質の増加
  • 遺伝子的に「がん」になりやすい体質

この中で、私が一番の原因だと思っているのは、犬の食事です。

ドッグフードや犬のおやつとして売られているものには、添加物がテンコ盛りのものや、酸化した油を使っているものが、とてもたくさんあります。いつも、「もなか」のおやつを探すのにひと苦労するぐらいです。

《参考記事》 犬のおやつ、ドッグフードには添加物がいっぱい、買うときには要注意

大切な愛犬が「がん」にならないため、まずは愛犬の普段の食事に気を付けることから始めてみてはどうでしょうか。

 

「犬の病気について」に戻る