犬が脱水症状のとき、人用の経口補水液(OS-1)を与えても大丈夫?

この記事は約6分で読めます。

OS-1最近、所ジョージさんのコマーシャルでも人気な経口補水液(OS-1)ですが、割とあちこちで見かけるようになりました。

今年の異常な猛暑のため、熱中症で倒れる人が続出しているので、売れているのだと思います。発展途上国では、自分で作って飲むのが当たり前の経口補水液で、材料は水と塩と砂糖だけで出来ています。

昔、OS-1が発売されたときには、正直、こんなものが売れるとは思ってもいませんでしたが、最近ではペットショップで犬、猫用のものも売っています。ただ、これが結構高いです。

経口補水液は自分でも簡単に作れるものなので、人と同じものをペットに与えてもよいかとちょっと調べてみました。


愛犬が脱水症状のとき、自作の経口補水液を与えてもよいのか

結論から先に言うと、自分で作った経口補水液をペットに与えても大丈夫です。ただし、ペットの場合、経口補水液を与える状況には気を付ける必要があります。

ペット場合、単に熱中症予防のために水分補給するだけなら、水だけで十分です。

それは、犬、猫の汗のかき方が人とは違うからです。犬、猫の場合、暑くても全身で汗をかくことはないため、人のように汗によって塩分を失うことがないからです。

そのため、ペットに経口補水液を与えるのは主に下痢や嘔吐が激しいときや、すでに脱水症状になっていてすぐに水分補給が必要なときに限定されます。

 

犬猫用に市販されている「ハイドロチャージ」という商品の成分と、OS-1の成分を比べてみました。結果、細かな違いはあるのですが主成分に違いはなく、ナトリウム、カリウムの濃度にそれほど違いがないので、人間用の経口補水液を犬に飲ませても問題はないです。

  • ハイドロチャージ:
    100mLあたり ナトリウム120mg(ナトリウムイオンとして5.2mEq)、カリウム85.9mg(カリウムイオンとして2.2mEq)、ブドウ糖0.12g
  • OS-1:
    100mLあたり タンパク質0g、脂質0g、炭水化物2.5g、ナトリウム115mg(5mEq)、ブドウ糖1.8g、カリウム78mg(2mEq)、塩素177mg(5mEq)、マグネシウム2.4mg、リン6.2mg

ただし、水分吸収率が高いので、与え過ぎには注意が必要です。

  • 経口補水液療法は軽度から中度までです。症状がひどい場合にはすぐに病院に行きましょう。
  • 経口補水液は少しずつ、時間をかけて与えることがコツになります。特に嘔吐がある場合には少しずつ与えます。脱水症状になったら、最初の1時間で100ml程度(体重10Kgで)を3~5分おきに少しずつ与えます。(人間の幼児と同じ基準にしてみました)
  • 基本は嘔吐や下痢で失った水分量を補給することです。出た水分量の分だけ、少しずつ経口補水液を与えます。

経口補水液のかんたんな作り方

以下のサイトで詳しく載っているのですが、作り方はいたって簡単です。

《参考記事》 DSカタログ~Last~ OS-1という選択

経口補水液の作り方
水: 1000ml
塩: 小さじ1/2 (3g)
砂糖: 大さじ4と1/2 (40g)

要は、1リットルのペットボトルに水を入れて、塩と砂糖を溶かすだけです。以下の点がポイントになりますが、そんなに厳密なものではありません。

  • 砂糖は、上白糖よりブドウ糖の方がよい。(糖分は分解してブドウ糖になるので、最初からブドウ糖の方が効率が良い)
  • 塩は、岩塩などナトリウム以外のミネラル分が多いものの方がよい。
  • 飲みやすいように、レモン汁、オレンジジュースなどをお好みで入れる。 (クエン酸をプラスすることでより水分吸収率がさらによくなる)=>ペットの場合は特に必要ない。


経口補水液というと、何かものすごいものが入っているのかと思っていたのですが、たったこれだけです。

自分で作れば、激安でできます。

ただし、保存料が入っていないので、あまり日持ちはしません。冷蔵庫で保存し、 1,2日で使い切りましょう。発展途上国では脱水症状になると、自分でこれを作って飲むのが一般的のようです。

なぜポカリスエットではダメなのか

脱水症状になった場合、一番大事なことは水分補給ですが、ポカリスエットより経口補水液の方が断然水分吸収率が高いのです。また、脱水の場合、塩分も失われていることが多く、塩分補給として経口補水液の方がよいのです。

経口補水液に比べると、ポカリなどのスポーツ飲料の塩分量は半分以下で、飲み物としては飲みやすくできています。

脱水症の予防には良いですが、脱水症状を起こしている人には経口補水液の方が最適です。

そもそも経口補水液とは何?

ユニセフ&WHOが推奨しているもので、下痢や嘔吐が激しいときの脱水症状に対して、水分、塩分を補給するためのものです。

下痢、嘔吐が続くと、水分と一緒に体の塩分も急速に失われ、危険な状態となることがあります。そのため、脱水症状には水分補給と同時に塩分を補給することが大切です。

特に子犬、老犬など体力があまりないワンちゃんの場合、ちょっとした下痢でも危険な状態になる場合もあります。

経口補水液の特徴

  • 経口補水液はコレラ患者など、脱水症状が激しい病気に対して効果的なことから、発展途上国ではかなり普及しています。
  • 普通の水に比べて、25倍も水分吸収率がよいです。このため、一度に大量には飲んではダメです。少しずつゆっくりと水分を補給します。
  • ポカリスエットなど市販のスポーツドリンクに比べても水分吸収率はよく、脱水症状に最適な飲み物です。 (スポーツドリンクは糖分が多く、塩分が低いため、脱水症状がひどいときには向きません。乳幼児などでは低ナトリウム症を起こすことが知られています。)
  • 経口補水液の欠点はおいしくないことです。レモン汁やオレンジジュースを混ぜることで飲みやすくはなります。(人間用)
  • 砂糖が多く入っているので、カロリーは高めです。1リットルの経口補水液で、150kcal程度あります。水替わりにガンガン飲むとカロリーオーバーになります。

まとめ

この夏はいつも以上に暑いです。

日中になると、クーラーをつけていないとガマンできないぐらいです。 「もなか」がぐったりとして、ハアハアし出すとスイッチONです。家族の中で一番の暑がりである「もなか」に合わせています。

 

それにしても、ここ最近の夏の暑さは異常ですね。こんな状態では、ちょっと油断すると人でもペットでもすぐに熱中症になってしまいそうです。特に、昼間、お家で一人でお留守番している「もなか」はちょっと心配です。

常々、「もなか」の熱中症には十分気を付けているつもりですが、万一の場合に備え、この経口補水液の作り方を覚えておくと便利です。

みなさんも、一度、作ってご自分で試してみてください。思っている以上に経口補水液はおいしくないです。。

 

カテゴリートップへ戻る