犬の肥満は「太り気味」でもダメ!寿命にも影響って?

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太り過ぎ一般的に犬でも人間でも肥満になると、健康に悪いことは誰でもご存じかと思いますが、実は「太り気味」でもダメなのです。

「標準体重」の犬と「太り気味」の犬で比較すると、15%も寿命が縮むというデータもあります。15%というと、平均寿命で14、15年生きるはずの犬が、2年以上も早く死んでしまうことになります。(あくまでも統計データです)

愛犬が長生きするためには、体重管理がとても大切だということです。

人間と違って、飼い犬はお腹が空いたからといって、勝手にご飯を食べることはできません。もし、あなたの愛犬が太っているなら、それは飼い主である、あなたの責任なのです。 犬の肥満について、まとめてみました。

犬の肥満が原因で病気になるリスク

人間でも同じなのですが、犬の場合でも太ってことで、様々な病気やケガになるリスクが数倍高くなると言われています。

また、体重が増えることで関節や心臓への負担も確実に増えます。 肥満が原因で、かかりやすくなる病気には以下のようなものがあります。

病気の種別内容
関節などへの影響体重が重くなると、関節、靭帯、椎間板(背骨のクッション)を痛めやすくなり、椎間板ヘルニアを併発しやくなります。特に胴長なダックスフントやコーギーでは要注意です。たとえ、1kgの体重オーバーであっても、体重が5kgしかない犬にとって20%も増えていることになります。
糖尿病、高脂血症犬でも肥満によって、糖尿病や高脂血症がかなり増えています。糖尿病になると、人間と同じようにインスリンや経口血糖降下薬の飲む必要が出てきます。
心肺機能への影響体重が増えるということは、普段から重たい脂肪を担いで生活することになります。その分だけ、心臓への負担が増えるため、高血圧や筋肉の低酸素症になるケースが多いです。また、首回りに脂肪が付くことで、気管が圧迫されるため、呼吸の効率が悪くなり、熱中症にもなり易くなります。
泌尿器疾患肥満によって、尿の成分が偏るため、シュウ酸カルシウム結石症など、泌尿器疾患を併発しやすくなります。
麻酔への影響手術で麻酔が必要な場合、過剰な体重による麻酔が効きにくくなります。

「太り気味」かどうかは肋骨を触って確かめる

犬種ごとに理想体重は一応あります。ただ、個体によって理想的な体重はかなり違うため、ほとんど当てにできません。

犬が肥満かどうかの判定には、一般的にBCS(Body Condition Score)という指標があります。

BCS(Body Condition Score)

  • BCS 1(痩せ過ぎ)
    肋骨が浮き出ており、皮下脂肪がない。ほとんど骨と皮の状態である。真上から見ると腹部のくびれが極端に細い。
  • BCS 2(痩せ気味)
    わずかに脂肪が付いているが、肋骨や腰の骨を容易に触ることができる。横から見て、お腹が巻き上がって見える。
  • BCS 3(標準)
    適度な脂肪に覆われているが、肋骨や骨格の骨に触れることができる。腰にも適度なくびれがある。
  • BCS 4(太り気味)
    皮下脂肪が多過ぎ、肋骨に容易に触ることができない。わずかに腰のくびれがあるが、お腹もしまりがなく垂れ下がっている。
  • BCS 5(肥満)
    厚い皮下脂肪に覆われ、肋骨に触ることができない。首回りにも贅肉が付いている。腰のくびれがなくなり、樽のような体型である。

愛犬がどのレベルなのか、見分ける一番簡単な方法は、愛犬の肋骨を触ってみることです。

もし、肋骨のゴツゴツ感がまったく分からない場合には、完全に「肥満」です。少し指に力を入れて押し込むと、肋骨が感じられる場合には、「太り気味」です。逆に、肋骨を触ってみて皮下脂肪がほとんど感じられない場合には、「痩せ気味」です。

ただし、犬は、冬になると寒さに対応するために皮下脂肪を増やそうとします。このため、冬には若干皮下脂肪が厚くなる傾向があります。 BCSでレベル4である「太り気味」であれば、要注意!愛犬のダイエットが必要です。

一度、愛犬で確認してみましょう。

愛犬の体重をうまくコントロールするには

愛犬の体重をコントロールすることは比較的簡単です。食べる量(摂取するカロリー)をコントロールすればいいだけです。

なぜなら、摂取したカロリーと消費したカロリーのバランスで体重が増えるか、減るかが決まるからです。

犬の場合、体重コントロールがなぜ簡単かというと、人間の場合なら、お腹がすいたら陰でこっそりと食べてしまうこともありますが、犬にはそんなことができません。

飼い主である、あなたが完全に食事を管理できるため、やる気にさえなれば、体重はすぐに落とせます。 一般的に運動で痩せましょうとよく言われますが、運動だけで体重をコントロールすることは、かなり難しいです。

それは、運動でカロリーを消費するには、思っている以上にたくさんの運動をする必要があるからです。 理想的には、摂取するカロリーを減らしつつ、適度な運動をさせることが大事です。

ただ、理屈では分かっていても、なかなかうまくできないものです。可愛い愛犬がおやつをおねだりしてきたら、ついつい与えてしまうこともあるでしょう。

ひとつ、簡単でオススメな方法があります。それは、ワンちゃんの体重を毎日、記録することです。これだけで、愛犬が太ってきたのか、痩せてきたのか、その状況を把握できます。

また、今日は体重が増えてきたから、ドッグフードの量を少し減らしてみよう、などと毎日記録することで、愛犬の体重について知らないうちに意識するようになります。この意識することがとても大事なのです。

ドッグフードに書いてある給与量は当てにしない

ドッグフードのパッケージには必ず給与量が記載されています。犬の体重1kgごとに1日に何グラム与えればよいかが書いてあります。

中には季節ごとに書いてあるものもあります。 ただ、この分量は最初に与えるときの目安を書いてあるだけです。 犬種による違いはもちろん、同じ犬種でも個体差はかなりあります。

中には筋肉質な犬もいれば、ポチャポチャな犬もいます。また、運動量が多い犬もいれば、運動嫌いな犬もいます。 ワンちゃんによって、何グラムが適量かは、その時々でかなり変わってきます。

きちんと、愛犬の体重管理を日々行い、増えているようであれば、少しずつ減らすなど微調整が必要です。

そんなに大げさに考えることはないのですが、「太り気味」だなと感じたら、いつものドッグフードの量を1、2割減らし、おやつを控え目にするだけですぐにワンちゃんの体重は落ちてきます。

このとき、愛犬のおねだりには絶対負けないように頑張る必要はあります。

犬に必要なカロリーからおやつを考えてみる

犬の1日の消費カロリーは、5Kgの犬で320kcal、10kgで550kcalぐらいだと言われています。

たとえば、おやつに6Pチーズを与えた場合、1個あたり69kcalあります。6Pチーズなんてワンちゃんに与えると、瞬間的に食べてしまう量です。

ただ、5kgのワンちゃんに1個まるまる与えると、それだけで一日に必要なカロリーの2割を消費することになります。基準通りのドッグフードを食べた後、この様なおやつを毎日食べていれば、太るのも当たり前です。

おやつを与えるとき、私たちは犬がどんなに小さい生き物かを忘れがちですが、人間と同じような量を与えてはダメです。

もし、愛犬のダイエットを真剣に考えているなら、摂取カロリーを制限することが一番のキーポイントになります。ダイエットについては、下記の記事も参考にしてみて下さい。

《参考記事》 犬はなぜ太りやすいのかー簡単ダイエット方法とは

まとめ

肥満は愛犬の寿命にとても影響があります。

少しぽっちゃりしているぐらいは大丈夫だろうと、思いがちですが、年を取ったときほど、その影響が出てくるものです。

まずは、愛犬が太っているのは、すべて飼い主の責任だということを理解することが大事です。

愛犬のためにと思ってあげているおやつが、愛犬の寿命を縮めているのです。

「もなか」も一時期、「太り気味」のときがありました。定期健診で獣医さんからぽっちゃりし過ぎてますよ、と注意され、急きょダイエットしました。今では、すっきりとスリムになったのですが、当時は、散歩のときもあまり走りたがらず、ノソノソと歩いているような状態でした。

今でも、おやつは大好きで、特に子供たちがチーズを食べていると、一目散に駆け寄ってきますが、与える分量とカロリーには気を付けています。ちょっと気を付ければ、煮干しなど低カロリーなおやつはいくらでもあります。

愛犬ができるだけ長く健康に生きられるよう、体重管理は継続的にやっていきたいものです。

 

もし、すでに糖尿病などを発症しているワンちゃんには、犬心(いぬこころ)というドッグフードがおすすめです。

《参考記事》 「犬心」はダイエットに最適なドッグフード(無料お試し有)

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