伸縮リード(フレキシブルリード)をおススメしない5つの理由

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道を歩いていると、たまに伸縮リードでワンちゃんを散歩させている人を見かけることがあります。それも中にはリードを長くしている人までいます。愛犬の「もなか」と散歩しているときにこんな人を見かけると、危ないので絶対に近寄らないようにしています。

この前、街中を歩いていた時、もっとひどい人を見かけました。なんとリードも付けずにチワワを散歩させていたのです。最近はノーリードで犬を散歩させている人を見かけたことがなかったので、少しびっくりです。犬が嫌いな人はかなり嫌な気持ちになると思います。

マナーが悪い人が多いのですが、もし、犬同士がけんかを始めたらどうするのでしょうか。よっぽどしつけに自信があるのか。。。。

そもそも、伸縮リードとは

紐の部分の長さが伸び縮みするリードのことで、犬大国ドイツ生まれの犬用グッズです。伸縮リードはドイツのフレキシ社が発明したもので、フレキシリードという名称で全世界で販売されており、世界シェアもフレキシ社がNo.1です。

長いものでは8メートルまでリードが伸びるものもあり、手元のスイッチを操作することでリードを伸ばしたり、縮めたりできます。広い場所で愛犬をノーリードにせず、かなり遠くまで自由に走らせることができるため、運動量がたくさん必要な犬に向いています。

ただ、大型犬の場合、リードを長くしている分、自由に走り回るとスピードが出るため犬に引っ張られた時の衝撃も強く、体重が軽い人は体ごと吹っ飛ばされてしまうかもしれません。また、伸縮リードは犬の体重に応じてタイプが色々とあり、リードの素材もワイヤー、ひも、ナイロンなど種類があります。ご自分の愛犬に適したタイプを選択する必要があります。

伸縮リードの問題点

“犬が自由に動けて楽しそう!”と、伸縮リードを普段の散歩に使う方もおられるのですが、この伸縮リード、扱いに慣れていないとかなり危険なものです。

特に小さなお子さんには決して持たせてはいけません。

確かに伸縮リードは元々、犬をもっと自由に散歩させたいとの発想で生まれたグッズなので、扱い方さえ間違わなければ、便利で楽しいグッズです。ただ、その反面、様々な事故を引き起こしていることも事実です。ネットで「伸縮リード 危険」と検索すると、たくさんの事故例と共にその危険性が指摘されています。

伸縮リードの欠点についてまとめてみました。

1.引っ張り癖のある犬での危険性

しっかりとしつけができていないワンちゃんの場合、散歩でのひっぱり癖が付いてしまっているワンちゃんが多いです。そんなワンちゃんの場合、たえずリードが引っ張れている状態のため、何かの拍子にリードを緩めてしまうと、思っている以上にリードが長くなってしまうことがあります。

国民生活センターの下記ページでも事故例が報告されています。
飼い犬用伸縮リードに欠陥があったとして製造物責任法3条の責任を認めた事例

大型犬をフレキシリードを使って散歩中、犬が突然走り出したため、止めようとブレーキを押したが機能しなかったそうです。そのため、無理やり止めたところ、愛犬が靱帯(じんたい)断裂の大けがを負ったとのことです。

この飼い主さんは、製品が欠陥品だとして、輸入代理店を製造物責任法(PL法)で訴えて勝訴しています。この製品はあのフレキシ社のフレキシリードであり、伸縮リードではもっとも信頼されているはずの製品でした。フレキシリードでこのような欠陥があるのであれば、他の類似品はもっと危ないかもしれません。

2.犬の行動を制御しにくい

リードの本来の目的は、他人に迷惑をかけないなど「犬の行動を制御する」ことです。

犬が逃げてしまわないことはもちろんなのですが、犬の気が散っているときにリードを少し引っ張って注意を引いたり、犬が他人に迷惑をかけてしまいそうなときにリードを引っ張って制御したりします。

伸縮リードの場合、リードを長く伸ばしていると、この基本的な動作がし辛いのです。例えば、リードが弛んだ状態から急に犬が飛び出したりすると、慌ててリードを引っ張っても、思っていたより遠くまで犬が行けてしまい、トラブルになることがよくあります。

特に周りに人がいるような状況では、伸縮リードは短くしておくのが基本です。

3.リードを長くすると、犬、人に絡まりやすく、事故につながる

リードを長くしていると犬が自由に走り回れるため、他の犬や人との接触でリードが絡まることがあります。

ワンちゃんが走り回っているような状況で、もし、リードが手や足に絡まってしまうととても危険です。特に大型犬の場合には力も強いため、大きな事故になりかねません。ワイヤータイプの場合などは特に危険です。

4.使用方法に慣れていないと危険

伸縮リードはリードが伸び縮みする際、リードが犬や人に触れてしまうことでケガをすることがあります。特に大型犬の場合は力も強いため、犬がダッシュしたりするとリードが勢いよく伸びるのと、急にブレーキをかけたときに大きな衝撃があります。

伸縮リードはロックする、緩める、ブレーキの3つの動作でリードを自在に操るのですが、この動作に慣れていないととっさの場合にスイッチを操作できず、思っているより長くリードを出してしまうことがあります。道路などで急に犬が走り出した場合など、特に危険であり、リードを長く出していたために交通事故にあうワンちゃんも多くいます。

また、普通のリードより犬が自由に動ける分、犬としては気が散りやすくなります。特に他の犬に出会った場合など、訓練できていないワンちゃんの場合には、周りの状況が見えなくなってしまい、突進してしまうことで事故が起こりやすくなります。

5.夜の散歩でリードが見えにくい

リードがワイヤータイプなどの細いものの場合、夜間にリードが見えず、一見すると犬をノーリードで散歩させているように見えることがあり、びっくりすることがあります。

また、リードを長くしていると、車やバイクからもリードが見えにくく、かなり危険です。

最近では、リードが夜間に発光するタイプも売られており、改善している製品もあります。

まとめ

伸縮リードはマナーと使い方さえ間違わなければ、とても優れたリードです。ただ、このリードは周りの人をとても不安にさせているということも覚えておいてください。

まず、伸縮リードを普段の散歩に使うのは止めた方がよいです。色々なトラブルの元となります。特に初心者の方がいきなりこのリードを使うのは無謀なことです。

もちろん、マナーを守って普段から短くして散歩をすれば何の問題もないと思いますが、それなら普通のリードで十分です。伸縮リードを使って、自由にワンちゃんを走り回らせてよいという場面は、あまりないと思います。そういう意味で、良識がある人はこのリードを勧めたりはしません。