このブログでも何度か話題にしたことがあるのですが、今回は「ペット保険業界の闇」というか、ペット保険の問題点について、勝手にまとめてみたいと思います。

ペット保険業界は、年率で10%も伸びている成長分野です。

一時期のペットブームは終わった感があり、飼い犬の数はかなり減ってきているのですが、欧米に比べるとペット保険に加入している人もまだまだ少なく、全体の5,6%程度でしかありません。

この成長分野に異業種からの参入も相次ぎ、新しいペット保険会社がどんどん増えている状況です。

消費者からすると色々な選択肢が増えるのは、たいへん良いことなのですが、ネットでの口コミを見ていると、中にはあまり評判のよくない会社もあるようです。

《参考記事》 ペット保険市場で競争が激化-生き残る会社を見極めるには

ペット保険の問題点についてリストアップ

そもそも、ペット保険ではどんなことが問題となるのでしょうか?

色々なペット保険の評判を調べていると、もちろん、ペット保険に入っていてよかったと言う人も多いのですが、保険金の支払いで揉めた人、契約更新してもらえなかった人、高齢になってからの保険料の高さに不満を持っている人など、色々なケースがたくさんありました。

口コミで悪評として多い項目をまとめてみると、だいたいは以下の3つになります。

  • 保険金請求時のトラブル
  • 契約更新時の免責事項追加
  • 高齢になったときの保険料の高騰

一つずつ、詳しく見ていきましょう。

保険金請求時のトラブル

ペット保険のもめごとで一番多いのは、やはり保険金請求時のトラブルではないでしょうか。

保険金請求の面倒さ

そもそも保険請求手続きが面倒というものも含まれます。実際に保険金を請求してみるまで、その面倒さが分からなかったという人も多いようです。

ペット保険の保険金請求で圧倒的に楽なのは、なんといっても動物病院の窓口で精算できるアニコムアイペットのペット保険です。アニコムなど、この保険システムをいち早く構築したことで業界No.1まで登りつめたぐらいです。

また、後から保険金を請求するタイプのペット保険でも、請求書類の作成、獣医さんの診断書の必要性、保険金が振り込まれるまでの期間など、ペット保険会社によって請求手続きは様々です。

PS保険ペット&ファミリーなどは、保険金請求の簡単さを売りにもしているペット保険です。

ペット保険によっては、獣医さんの診断書が必要なところもあり、少額な治療費では請求が面倒なので止めたというケースも多いようです。

《参考記事》 ペット保険を選ぶときは保険金の請求方法も大切なポイント

保険金が支払われないケース(免責事項)

免責事項というのは、契約約款で決められているもので、保険会社が保険金を支払わなくてもよいケースのことです。

ペット保険では、健康診断、歯石取り、予防注射、避妊手術、出産など、病気やケガでない医療行為には保険金がでません。契約約款には、これらのことが免責事項として必ず記載されています。

これらはどのペット保険でも同じであり、トラブルになるケースは少ないのですが、保険会社ではこの他にも色々な免責事項を設定しています。

 

一般的に多いものは、フィラリアや犬ジステンバーなど予防薬やワクチン接種で防げる病気です。これら予防措置を取っていれば、ほとんど防げる病気は免責対象になっています。

また、よくトラブルとなるケースが、異物誤飲、歯科医療、膝蓋骨脱臼の3つです。この3つについては、ペット保険各社によって扱いが様々です。

《参考記事》 異物誤飲、歯科医療、膝蓋骨脱臼を補償してくれるペット保険はどれ?

自分が加入しているペット保険の免責事項をよく理解していないと、ペットが病院で治療を受けたときに保険金が支払われないケースがあり、これがトラブルの元となります。

 

この他にもPS保険などでは、かなり特殊な免責事項を設けており、完治しない病気については一生涯を通して合計20回までしか補償してくれません。

そのため、ペットが腎不全などの慢性的な病気になった場合には、自動的に補償対象外となってしまいますが、その分、保険料が安いというメリットもあります。

契約更新時の免責事項追加

ペット保険というと、ペットの病気やケガを補償するものなので、傷害疾病保険に分類されるかと思いますが、実は、損害保険に分類されています。

損害保険とは、火災保険や自動車保険など、物に対する損害を補償をする保険のことです。なぜかというと、ペットは法的には飼い主の所有物であり、物として扱われるからです。

ペット保険はすべて1年契約

ペット保険はすべて1年ごとの契約となっています。

ペット保険では、少額短期保険会社が多いのですが、損害保険の場合、最大2年までの契約は可能です。ただ、実際に2年契約というのは見たことがありません。

なぜ、すべての保険会社が揃いもそろって1年契約なのか?

おそらく、複数年契約というリスクを負いたくないからだと思います。

ペット保険会社としては、翌年も同じ契約内容でその契約を更新する義務はない、1年契約の方が有利だと判断しているのでしょう。

ペット保険会社は契約更新時、免責事項を追加し放題

契約更新時の免責事項追加については、どのペット保険の契約約款にも書かれています。

基本的に保険会社側の判断で、翌年の契約更新をしない、もしくは前年に大量の保険金請求した病気について免責事項を追加できる契約になっています。

みなさん、この重大な項目について契約時にはあまり意識していないようです。

本来、保険募集人の責務として、契約更新時、状況によっては契約を引き受けない場合があることを説明する義務があるのですが、十分に行われているはいないようです。

それでもめたケースが以下です。

《参考記事》 ペット保険の闇というブログ記事に、そんなのは当たり前!

 

考えてみればわかると思いますが、このような契約形態ではいくら終身補償を謳っていても、終身であるはずがありません。ペット保険会社としてリスク(保険金支払い)が高いと判断すれば、契約更新をしないことを選択できるのです。

また、治療費がかさむような慢性的な病気の場合には、その病気を免責事項にすることを条件に契約更新できるのです。

こんなにペット保険会社に有利な契約内容になっていることを、知らない人が多すぎるように思います。

高齢になったときに保険料が高騰

人間もペットも同じで、高齢になればなるほど病気になるリスクはどんどん高くなります。

保険制度には、そのリスクに応じて保険料を支払うという、「公平の原則」というものがあります。これは、病気になり難い若いペットはより少ない保険料で、病気になり易い高齢のペットは高い保険料となるという考え方です。

この「公平の原則」に従えば、ペットが年を取れば取るほど、保険料が高くなっていくのは当然のことなのです。

ただし、この保険料の値上がり方にも、ペット保険会社の戦略の違いが見てとれます。それは、ペット保険会社によって、この高齢時の保険料の値上がり方がかなり違うのです。

《参考記事》 ペット保険は生涯で支払うトータル保険料で比較すべき

上記の記事にもあるのですが、ペット保険各社の保険料を比べてみるとよく分かると思います。

ペットが若い時には保険料が安くて良い保険に見えるものでも、ペットが高齢になったときの保険料がかなり高くなるケースもあります。

そのため、ペット保険を比べるときは、生涯で支払うトータルの保険料で比べるべきです。

トラブルは認識不足であることが多い

よくある揉め事のほとんどは、契約内容の認識不足であることが多いです。

基本的には、ペット保険会社が用意している重要事項説明書をよく読めば、書いてあることがほとんどです。

それは当然で、保険会社には契約する際に契約者に対して重要事項を説明して、確認したという署名をもらう義務があるからです。

ただ、対面ではない、ネット契約や郵送での申込みの場合、この重要な説明書をよく読まない人が多いのです。

これは、一概に保険会社だけが悪いとも言えないと思います。アメリカのように契約社会ではない日本においては、まだまだ、契約書をキチンと読まずにサインする人が圧倒的に多いのです。

免責事項を曖昧にしているケースもいっぱいある

このブログでペット保険について色々と書くにあたって、各社の約款や重要事項説明書は一通り確認しました。

その中には、免責事項の詳細についてほとんど書いていないものや、内容が曖昧でかなり広く取れるものなど、各社、色々とありました。

そのため、ペット保険を契約する場合には最低でも重要事項説明書を読んで、保険金が支払われないケースだけでも理解しておく必要があります。

その上で、気になる点については、事前に確認することをお勧めします。それでも、どんなケースが免責対象になるのか、すべてについて確認することなど、まず不可能です。

そんなとき、頼りになるのは、やはり口コミです。

ネットでは色んな人がおり、様々なことが書かれているので、その真偽を見極めるのが非常に難しいのですが、それでも参考にはなると思っています。

各社の口コミについては、ペット保険会社ごとに調べた結果を記載しているので、よかったら参考にしてください。

《参考記事》 ペット保険各社の項目別ランキングとおすすめのペット保険

ペット保険会社が儲かる仕組みから考えてみる

保険会社も慈善事業をやっているわけではなく、会社として利益を確保する必要があります。その肝となるのが、保険料収入と支出のバランスです。

保険制度の大前提なのですが、保険は相互扶助といって保険を契約しているみんなでお互いを支えあうというものです。

そのため、個々の契約をみると損をしている人、得をしている人、様々な人がいるのですが、トータルでは支払った保険料ともらった保険金のバランスが取れている必要があります。これを「収支相等の原則」と言います。

実際には、保険会社の運用経費も掛かってくるので、以下のような公式になります。

トータル保険料 = トータル保険金 + 会社の経費 + 会社の利益

 

この式はかなり単純なのですが、実際には理解できていない人が多いようです。これを見れば明らかなのですが、保険料が安いのに、保険金がいっぱい出るようなペット保険は存在しないのです。

保険料が安ければ、それを分配する保険金も当然安くなるのです。

仮に、他のペット保険よりも大幅に保険料が安いケースを考えてみて下さい。

保険料が安いということは、当然、入ってくるお金が少ないわけです。その場合、契約者に支払う保険金か、会社経費を抑えないと、会社としての利益が確保できません。

ただ、会社経費を抑えると言っても、業務の効率化にも限度があります。経費を落とせば落とすほど、サービスが低下するのです。

実際、ペット保険会社が公表している決算発表を見てみると、支出に占める会社経費の割合よりも「保険金の支払いに充当される部分(純保険料)」の方が当然大きいのです。

ペット保険会社からすると、利益を上げるためには、保険料を多くとるか、もしくは保険金支払いを抑える必要があるのです。

では、どうやって保険金の支払いを抑えるのか?

極端な話、保険金請求が多い病気を片っ端から免責事項としてしまえば、それだけ保険金支払いを抑えることができるのです。

ただ、ペット保険会社もかなり増え、競争も激しいため、あまりにも極端な免責事項を設けてしまうと、そもそも保険契約してもらえなくなります。

そのため、免責事項というのは、ペット保険会社ごとに色々と趣向を凝らしてあり、契約者にはできるだけ不利に見えないように、でも実際には保険金を抑えることができるように、工夫しているのです。

例えば、ペッツベストでは、一定の金額までは保険金が降りない自己負担金額が設定されています。これによって、少額な治療費は対象外とすることで、保険金支払い額を抑えているのです。

また、同じような免責事項であっても、保険会社によっては保険金が降りる基準が微妙に異なっています。そのため、まったく同じ病気で動物病院にかかったとしても、契約しているペット保険によっては、保険金が降りたり、降りなかったりするのです。

 

この点、アニコムやアイペットなどの大手ペット保険会社では、保険金が降りる基準が緩い傾向があります。前にアニコムと契約していたときにはもらえていた保険金が、新規に契約したペット保険ではもらえなくなったというのは、よくある話です。

そもそも、この2つの大手では、動物病院で精算できる保険金請求システムを導入しています。

このため、動物病院側でも保険金が適用できるかどうか、把握できており、保険が効かないケースについて事前に飼い主と話することで、トラブルになるケースも少ないのです。

考えてみて下さい。

愛犬が膝蓋骨脱臼で手術が必要だと言われたとします。ペット保険に加入しているのだから、当然保険が適応されると思って治療しますよね。

そこで、実際に保険金を請求すると、その治療は免責事項で補償対象外だと言われるケースがあるのです。

その金額が大きくなれば、トラブルになるのも分かります。

特に安いペット保険の場合、実際、ペット保険では保険金を請求してみないと、支払ってもらえるのか、もらえないのか、分からないグレーゾーンも多いように感じます。

もし、そのような面倒が嫌だと言う方は、素直にアニコム様と契約することオススメします。アニコムの信頼感は他と比べても群を抜いています。その分、保険料が高いのですが。。。

まとめ

ペット保険会社も営利企業であるからには、利益を重視するのは当たり前です。ただ、それが過ぎるとユーザーとの信頼関係も崩れ、結局は信頼を失ってしまいます。

特に安いペット保険や外資の場合には、この傾向が強いように感じています。

ペッツベストのような免責金額設定(一定額以上でないと保険金が降りない)や、PS保険のような一つの病気に対する回数制限など、保険料が安くなる明らかな理由がある場合はまだ良いのですが、そうでない場合には、十分に注意してください。

今は、ネットやSNSがかなり浸透しているので、あまりにあくどい事をすると、あっという間に悪評が広まってしまいます。

この点、企業も気を付けているとは思うのですが、保険金をたくさん請求すると、翌年に契約更新してくれないケースがあるのも事実です。

特に高齢になってから契約更新を拒否されると、次に加入するペット保険では免責事項が増えたりして不利になることが多いものです。

 

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