愛犬の熱中症にご注意!-統計データから分かる予防対策

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夏バテ最近は気候もよくなり、ワンちゃんの散歩も気持ちよくできる季節になりました。

ただ、日中は晴れていると既に25°Cを超える日もあり、散歩していると暑いと感じる日も増えてきています。

「もなか」もできるだけ朝の早い時間か、夕方に散歩するようにしていますが、時間がなく日中に散歩するときはバテバテになることも多くなってきました。

犬は元々寒さに強く、暑さには弱いと言われており、人間以上に熱中症には気を付ける必要があります。

《アニコムの記事》 ゴールデンウィークからペットの熱中症が急増、暑さ対策に注意を!

でも熱中症についてはゴールデンウィーク頃から注意が必要とのことです。

ということで、今回は、犬の熱中症について、統計データから気を付ける点やなってしまった場合の応急処置について調べてみました。

統計データから見る犬が熱中症になり易い条件とは

いつもの如く、アニコム社がまとめている統計資料(家庭どうぶつ白書2013)を確認してみると、犬の熱中症に関するデータが掲載されていました。

犬の熱中症が発生しやすい時期

3月頃~9月頃まで熱中症による保険金の請求があります。

毎年、5月頃から次第に多くなり、ピークは7月となっております。その後、8月もかなり多く、9月になってやっと落ち着いてくるという感じです。

人間に比べると少し早めに発生しだす傾向があるようです。

また、暑さがピークとなる8月、9月に比較的少なくなるのは、この頃になるとペットも暑さに慣れてくるのと、飼い主も愛犬の熱中症に気を使うようになるかららしいです。

統計データからすると、愛犬の熱中症対策は5月、6月からキチンと行う必要があるようです。

犬の熱中症が発生する気候

熱中症が発生する条件として、気温が高い日はもちろん発生件数が多いのですが、もうひとつ注意しないといけないのが湿度です。

統計データによると、湿度が高い日は気温がそれほど高くなくても熱中症が発生しやすくなります。

一般的に犬の熱中症は気温22°C、湿度60%以上になると発症する危険性が高くなると言われています。

熱中症になりやすいのはどんな犬?

熱中症が発生しやすい犬種としては、パピヨン、ゴールデン・レトリーバー、フレンチ・ブルドッグ、ラブラドール・レトリーバー、ヨークシャー・テリアが上位にランクインしています。

この他にも、被毛が長い(厚い)犬種、マズルが短い犬種、小型犬、メタボ犬、高齢犬は特に要注意です。

被毛が長い、厚い犬種

被毛が長い犬種は北方系の犬種に多く、寒さには強いのですが、暑さには弱いという弱点があります。被毛が長いと体に熱がこもりやすくなるためです。

マズルが短い犬種

犬は人間のように体中から汗をかかないため、汗の蒸発による気化熱を利用して体温を下げることが出来ません。犬の場合は主に呼吸を使って体温調整をします。

犬が暑い時に舌を出してハア、ハアとしているのは、空気を体に入れては出すことで体にこもった熱を外に排熱しているのです。これは「バンディング」と言われ、舌を出すことで唾液を蒸発させ、その気化熱を利用して体温を下げています。

ただ、マズルが短い犬種では鼻呼吸によって空気を取り込む効率がとても悪いのです。また喉の長さも短いため、呼吸を使って体の熱を外に出すことが苦手です。

小型犬の場合

犬は人間と違って四つ足で行動するため、心臓の位置が地面の近くにあります。このため、アスファルトからの照り返しや輻射熱の影響を心臓で受けやすく、体に熱がこもりやすいのです。

特に小型犬やダックスフントのように足が短い犬種の場合、より地面に近いため熱中症になりやすいのです。

また、真夏のアスファルトは50°Cにもなりますが、地面に近いほど気温が高くなり、小型犬の場合にはその影響をもろに受けやすくなります。

メタボ犬

メタボ犬の場合、体脂肪が通常より多いため、その皮下脂肪が断熱材の役目をしてうまく熱を放出できない傾向があります。また、首回りに脂肪が付いていると喉の軌道が狭くなり、呼吸機能が低下して体温調整がうまくできないのです。

人間の場合でも太った人が汗かきなのと同じ理由です。

皮下脂肪が多いために体内に熱がこもりやすくなっているのです。

高齢犬

アニコムの統計では、10歳を超えたあたりから急激に熱中症のり患率が上がっています。さらに14歳の犬では10歳のときの2倍以上にもなっています。

これは高齢犬では体の機能が衰えているため、うまく体温調整ができないことが原因です。

犬の熱中症のときの症状とは

1517131_1420048731630629_1973958413_n犬が熱中症になった場合、以下のような症状がでます。

  • 呼吸が荒くなり、苦しそうになる
  • ふらふらする、その場で歩けなくなる
  • 舌の色が赤黒く見える
  • 目が充血する
  • よだれを垂らす
  • 嘔吐、下痢をする

さらに深刻な状況になると、気を失ったり、筋肉が痙攣したりします。

そのまま、放置すると酸素をうまく取り込めないことから舌が青紫色に変色したり(チアノーゼ)、吐血、下血などの出血、最悪の場合にはショック症状で死亡することもあります。

犬が熱中症にかかったときの応急処置

愛犬が熱中症になってしまったら、とにかく体を冷やしてやることが最優先です。

人間の場合と同じで、風通しのよい日陰に寝かせて、水を飲ませる、体に水をかけるなどして体を冷やします。

特に血流が集中する首、脇の下、股下から太ももを中心に冷やすと効果的です。

熱中症でも重症になれば命の危険性もあるため、とにかく早めの処置がとても大切です。

応急処置が済んだら、獣医さんのところに連れて行き、キチンとした治療をしてもらいましょう。

普段から熱中症を予防するために注意すること

人間にとって快適な環境であっても、犬にとっては不快な場合もあります。

犬と人間では、体温も違えば、快適に感じる温度も違います。また、犬の場合、いつも毛皮を着ていることを忘れてはいけません。真夏に毛皮のコートを着るとどんなに暑いか想像できるかと思います。

特に、以下の4点について気を付けましょう。

いつでも十分な水分補給はさせておく

熱中症は体温があがることでかかる病気です。

先ほども書きましたが、犬は舌からで唾液を蒸発させることで、その気化熱を利用して体温を下げています。このとき、体から水分が出ていくことになりますが、普段から水分不足になっているワンちゃんだと、余計に脱水症状になりやすくなります。

熱中症予防のためにも、普段から十分に水分を補給しておく必要があります。

ただ、ワンちゃんによっては、普段からあまり水を飲まない子もいますので、そのような場合には特に注意してあげてください。

ワンちゃんが水分不足になっているか、どうかは犬の背中の皮膚をつまんでみて、放したときに数秒で元に戻るかで、簡易的に確認できます。たまには、愛犬でチェックしてあげてください。

また、水分補給について以下でも記事にしてますので、よかったら読んでみてください。
ワンちゃんには十分な水分を与えてあげましょう

愛犬だけでお留守番のときの注意点

最近の住宅は気密性が高く、窓を閉め切っていると部屋の中がかなりの高温となります。

長時間お留守番させる場合には、かならずエアコンを付けてあげましょう。

また、愛犬をゲージに入れている場合には、ゲージを直射日光があたる窓の側に置くのは絶体にダメです。

「もなか」の場合、お留守番に関わらず、いつも家の中はある程度自由に移動できるようにしています。

そのため、夏になると、玄関のタイルの上でよくお昼寝しています。うちは北向きの玄関のため、その場所が一番涼しく、夏でもそれなりにひんやりしているからです。

今のところ、夏のよっぽど暑い時期にしかエアコンを付けることはないですが、それでもなんとかやっていけています。

家族と一緒にリビングにいるとき

私も意外だったのですが、犬の熱中症の発生場所として多いのが、家族と一緒にリビングにいるときらしいです。

これは人間が快適だと感じる温度と犬の適温が違うことが原因です。

犬にとっては常に人間より2、3度低いぐらいが適温となります。

また、特にご高齢の方の場合、ご自身が暑さを感じにくくなっていることもあり、愛犬にとってはかなり暑くなっていることもあるようです。

もし、リビングで愛犬が舌を出して、ハアハアし出したら危険な兆候です。エアコンを付けるなど、すぐに対策をしてあげましょう。

真夏のドッグラン、お散歩のとき

夏の暑い時期、炎天下でドッグランで走り回ったり、お散歩するのも当然NGです。

特に街中のアスファルトはものすごい温度になっているので、お昼に散歩などすると、犬の肉球でも火傷してしまいます。

かならず、朝夕の涼しい時間帯に散歩しましょう。

また、夕方になって少し涼しく感じても犬にとってはまだまだ暑い場合があります。

特に湿度が高い場合やアスファルトにまだ熱がこもっている場合、少しぐらい気温が下がっても愛犬が熱中症になりやすいため、気を付けましょう。

夏の暑い時期のお散歩では、途中、木陰で休憩する、水分補給するなど、ワンちゃんの体調に合わせて無理はしないようにしましょう。

まとめ

人間にとっては比較的涼しいと感じるときでも、犬にとっては暑いことがあります。

特に愛犬が暑さに弱い犬種の場合には、余計に気を付けてあげてください。

夏の時期、散歩に行くときには、ペットボトルに水を入れて持っていくのもよいかもしれません。