最近ですが、昼間は「もなか」ひとりでお留守番をするようになりました。
平日のお昼、家には家族が誰もいなくなるためですが、結構長い時間、「もなか」一匹となります。
「もなか」の場合、出かけるときに「お留守番しててね」というと、言葉が分かるのか、おとなしくお見送りしてくれています。 その代わり、家族が帰ってきたときの喜び様は、いつも興奮マックス状態になります。
分離不安というほどのことはないのですが、長い時間ひとりでお留守番させると、やはりさびしいのだと思います。
今回は、犬の分離不安症とは何のか、少し調べてみて思ったことを書いてみたいと思います。
犬の分離不安とはどういう症状なのか
犬の問題行動のひとつとして、分離不安症というものがあります。元々、群れで生活する犬にとって、単独行動することは得意ではなく、ひとりぼっちにされると不安が強くなるという傾向があります。
分離不安とは、犬が一匹になることで強い不安を感じ、それが原因で様々な問題行動を起こすことを言います。特に犬を一匹だけでお留守番させるようなときに、起こることが多い症状です。
犬の分離不安の問題行動として、以下のようなものがあります。
- 普段はトレイをキチンとできているのに、お留守番中に限ってトイレを失敗する。
- いつもは賢く大人しいのに、お留守番中に限ってイタズラをしたり、よく吠えたりする。
- 家族が出かけようとすると、ソワソワと落ち着きがなくなり、吠えたり、落ち込んだりする。
- お留守番のとき、手足を舐めすぎたり、噛んだりする。
- 家族が家にいると、ストーカーのように付きまとう。
このような問題行動をとるのは、強い不安が原因であり、お留守番中に愛犬が色々とイタズラをするのは、それだけ飼い主と離れていることが不安だという表れです。
分離不安は、人の場合でも幼い赤ちゃんのときにみられる症状です。生後8カ月頃から始まり、1歳から1歳半頃にもっとも強くなります。親がそばを離れるだけで不安になり泣き出したりします。通常であれば、赤ちゃんが成長するに伴って、親はいなくなっても、必ず帰ってくるということを覚え、2歳くらいまでには自然となくなります。
分離不安とは、成長の過程で必ず起こるものであり、きちんと成長することで自然と無くなるものです。これは犬の場合でも同じだと思います。
分離不安症はどんな犬に起こりやすいのか
犬の場合、分離不安症になり易い要因は、飼い主の過剰な愛情が原因であると言われることがあります。飼い主と犬が一対一でずっと生活をしていると、依存性が強くなり、少し離れただけで不安になるのだそうです。
逆に複数の家族がいる家庭で飼われている犬の方が、分離不安症にはなり難いのだそうです。確かに昔の日本では大家族がほとんどで、家にはいつも誰かがいるのが普通でした。そのような環境では、犬もそれほど不安を感じることがなく、分離不安になることも少なかったのだと思います。
また、子犬のときに社会化が十分にできていない犬や、幼い時からペットショップに長く居た犬は、ストレスも多く受けており、かなり強い不安を常に持っています。そんなワンちゃんが新しい飼い主のもとで飼い主と一対一の生活になると、分離不安症になる確率が高いそうです。
分離不安症対策に対する疑問
分離不安の原因はストレスから来る過度の不安です。
特に子犬のときに、極度のストレスを与えらえると、それがトラウマとなって分離不安症などの問題行動を起こしやすくなると言われています。
分離不安にさせないための方法として、ネットでは以下の内容をよく見かけます。
- 出かける前、帰宅時には、犬を無視して挨拶をしない。
- 散歩や食事の時間を決めず、バラバラにすることでハプニングに動じない子にする。
- 犬とは一緒の部屋で寝ない
この内容を見てかなり疑問に思いました。これで本当に犬のストレスが減って分離不安症にならなくなるのでしょうか。とてもそうは思えません。
まず、「出かける前に何も言わずこっそり出かける」なんてことをすると、犬は飼い主がいついなくなるのかと、いつも不安になるのではないでしょうか。犬の社会でも、人間の社会でも、あいさつは社会化のための基本的な行動のはずです。出かけるとき、帰ってきたときには、きちんと愛犬にあいさつした方が犬も安心するはずです。
「散歩や食事の時間を決めない」というのもかなりの問題行動だと思います。人間でも毎日決まった時間で規則正しい生活をする人の方が、ストレスは少ないものです。しかも犬は自ら散歩や食事をすることはできません。お腹を空いてもいつまで経ってもご飯をくれないというのは、犬にとってみればかなりのストレスのはずです。
最後の、「犬と一緒の部屋で寝ない」ですが、これも犬にとってはストレスとなるものです。普通に考えればわかると思いますが、犬は元々群れで生活する動物です。寝る時も群れでお互いを意識しながら寝ることで、安心感を感じているのです。ひとりぼっちで寝ることがどれだけ犬にとってストレスになるか、わかるかと思います。
犬を分離不安症にさせないための対策とは
具体的には、以下のような生活を心がければ、自然と愛犬の不安もすくなくなり、問題行動もなくなるはずです。
- 普段から10時間以上というような長時間のお留守番はさせない。特に子犬のときには、ひとりになることで不安もかなり強くなります。できるだけ1歳ぐらいまでは、長時間のお留守番はさせないようにしましょう。
また、お留守番させるときには、犬の心の不安を和らげるサプリも売っていますので、試してみるのも良いかもしれません。
《参考記事》 犬用サプリ、症状別のお勧め - 健康で長生きするために- 食事の時間、散歩の時間をきちんと決め、毎日規則正しい生活をさせる。規則正しい生活は生活のリズムを作り出します。
- 散歩ではできるだけ時間をかけてあげ、ゆっくりとのんびりさせてあげる。家の中や、狭いケージの中に閉じ込められていると、犬にとってはそれだけでストレスになります。散歩のときぐらいはゆっくりとさせてあげましょう。
- 食事でビタミンCを多くとることで、ストレスを軽減させる。ビタミンCは、ストレスから体を守るためのホルモン物質を生成する材料となります。よく、犬の場合には、ビタミンCを自分の体の中で合成できるために摂取する必要がないと言われていますが、これは正しくないです。犬も自らビタミンCを合成できる量は限られており、ストレスが多い犬の場合にはビタミンC不足になっていることがほとんどです。
- 暴力をふるうことは絶対にNGです。
- 愛犬との信頼関係を築く。犬は頼れるリーダーがいることで安心して生活することができます。
- 長時間、狭いケージに閉じ込めることもストレスの原因となります。家族が家にいるときには、自由に行動できるスペースを広くしてあげましょう。
- 寝る時も一匹にせず、できるだけ同じ部屋で寝るようにしましょう。飼い主と同じ部屋で寝ることで犬も安心して寝ることができます。
まとめ
「もなか」というか、犬は昼間でも良く寝ていることがあります。いつも廊下や玄関のお気に入りの場所でお昼寝しています。これは犬の睡眠時間が人間よりかなり長く、一日に12時間以上も寝る必要があるからです。
《参考記事》 犬の睡眠時間はどのぐらいが普通なのか
お留守番のとき、静かな環境でお昼寝することができていれば、犬にとっても時間を有効利用できると思います。
「もなか」の場合、お留守番するときは、いつも寝る部屋のお布団の上でお昼寝していることが多いです。ひとりでお留守番はさびしいのだと思いますが、今のところはのんびりと出来ているのかなと思っています。
最近では、日本でも犬と一緒に入れるドッグカフェやお店も増えてきましたが、まだまだ一般的な場所ではペット禁止になっているところの方が圧倒的に多いです。そのため、ちょっとしたお出かけにもワンちゃんをお留守番させておくことが多いです。
その点、ペット先進国であるドイツなどは、レストラン、デパート、公共の乗り物など、至る所にワンちゃんがいるそうです。スーパーなどでは、お店の専用スペースでワンちゃんを繋いで待たせるそうです。
愛犬家にとっては理想的なのですが、逆にそこまでキチンと「しつけ」が出来ているということにも驚きです。「もなか」では、そんなに賢く待っているとはとても思えません。きっと、犬たちも精神的に安定している子が多いのでしょう。 日本でも見習うべき点が多いように思います。