子犬「もなか」の場合、家の中ではめったに吠えないのですが、その代わりに色んなしぐさで感情を表現します。

分かりやすい例では、うれしいときにシッポをちぎれんばかりに振って、耳をペタンコにし、めいいっぱいの感情表現をします。また、何か不満があるときには、人間と同じように「ふんっ」とため息をついたりもします。

そんな犬のしぐさの一つに「アイコンタクト」があります。

人間同士であれば、お互いの目を見て話をするのは会話の基本であり、話す相手の目を見ることでその人の心理状況を判断したりします。

昔から「目は口ほどに物を言う」というように、喜怒哀楽の感情は目に一番表れ、何もしゃべらなくともその人の目の動きから相手の感情が分かったりします。

人と動物でのコミュニケーションでも同様で、犬の場合でもアイコンタクトによって、色んな感情を表現しています。

犬のしつけ教室などでも「散歩中にはアイコンタクトをしましょう」、などとよく言われますが、アイコンタクトは愛犬とのコミュニケーション手段として、とても重要なものです。

犬がアイコンタクトする意味

犬がアイコンタクトする場合、大きく「愛情表現」、「お願い」、「敵意」の3つの意味があります。

飼い主に対する愛情表現

犬は群れ社会で暮らす習性をもっているため、群れのリーダーである飼い主の動向をよく観察しています。

また、信頼関係が出来上がっている場合には、愛情を込めて飼い主のことをじっと見ていることがよくあります。

つい最近ですが、愛犬と見つめ合うことで飼い主が幸せな気持ちになる、という研究論文が、米科学誌である「Science」に掲載されて話題になりました。

愛犬とその飼い主がじっと見つめ合うことで、幸せホルモンと言われている「オキシトシン」という物質がお互いに分泌されるらしいのです。

オキシトシンというホルモン物質は、愛情感情や信頼感情に影響を与えることがわかっており、「幸せホルモン」、「愛情ホルモン」とも呼ばれています。

愛撫や抱擁などのスキンシップを行うことで分泌され、授乳期の女性では、母乳の分泌を促す作用があります。母親とその赤ちゃんがお互いに見つめ合うことで、オキシトシンが分泌されることは前からわかっていたのですが、人間と犬の間でも同じような効果があることが確認されたのは初めてのことらしいです。

犬と人間の場合でも、オキシトシンの効果によって、お互いにより強い愛情感情が芽生え、信頼関係が構築されるそうです。

《参考記事》 ヒトとイヌの生物学的絆を実証

犬を使ったアニマルセラピーなどでは、患者さんが犬と触れ合うことでストレス軽減や幸せな気持ちになることはよく知られているのですが、見つめ合うだけで幸せになるというは、興味深い研究結果です。

飼い主に対するお願いごとがある

犬の愛情表現の延長線上なのですが、愛犬が穏やかな表情で飼い主をじっと見つめているとき、それは何かを要求していることが多いです。

「もなか」の場合、人がご飯やおやつを食べていると、必ず寄ってきて、お行儀よくオスワリをし、じっと見つめてきます。このとき、なぜか目を細めることが多いです。

こちらが気付かないふりをしていると、最後には前足で腕をカリカリとして「頂戴よ」と言ってきます。

また、台所でご飯の準備をしていると、「ごはんまだ?」とじっとこちらを見つめたりもします。

おやつをねだっているときの愛犬の表情はとてもかわいくて、ついつい、あげてしまう人も多いのではないでしょうか。

長く犬と一緒に暮らしていると、アイコンタクトだけで何が言いたいのか、わかるようになってきますが、愛犬がこんな風に何かを要求しているときには、無視はせずに「もう少し待って」などと声をかけて、相手をしてあげるとワンちゃんも安心します。

敵意の表れ

一般的に野生動物では、相対した相手の目を見ることは、敵意を示していることになります。

犬の場合、相手に対して敵意がないことを示すために、わざと目をそらします。

リーダーである飼い主にじっと見つめられたとき、ワンちゃんが目をそらすのは、上下関係を理解して敵意がないことを示しているのです。

逆に、飼い始めたばかりとき、愛犬があなたから目を離さない場合、その犬は非常に緊張しており、興奮している場合が多いです。大方の犬であれば、そんな状況では、うなっていたり、歯をむき出しにして威嚇するので、すぐに敵意があることがわかります。

ただ、たまにじっと動かずに、こちらを見つめているだけに見える子もいます。大人しそうだからといって近づくと、ガブっと噛みつかれることもあるので、要注意です。

そんなときは目を合わさず、そっと近づき、まずは手の甲などを臭わせてあげ、安心させてあげましょう。

また、あなたが愛犬と散歩中に近所のワンちゃんと出会った場合、犬同士が正面から見つめ合うような行動は避けるべきです。特に小さい時に社会化を十分にできていない子の場合には、ちょっとしたことに不安を覚え、けんかになることが多いです。

特に正面から犬が来た場合には、お互いに睨み合わないように目線を隠してあげるようにしましょう。

まとめ

愛犬にじっと見つめられると、なんだか幸せな気持ちになるというのは、わかるような気がします。

見つめ合うことで、信頼関係がより強くなっていくというのは、とてもおもしろい研究結果です。

確かに、犬の目を見ていると、犬にも人間と同じように色々な感情があることがよくわかります。特にあのかわいい瞳で愛犬がおねだりしてくると、ついつい食べ物を与えてしまうことも多いです。

ただ、いつも犬の言うことを聞いていると、要求すれば、なんでももらえると勘違いしてしまうこともあります。ダメなものは「ダメ」とはっきり言い、必要以上に甘やかさないようにすることも大切です。

 

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