最近、「もなか」と散歩していると、「毛づやが良いですね、何かしていますか」と聞かれることがあります。
黒柴なのでパッと見で、黒くてツヤツヤ感が強調されるのでしょう。体調が良い時は特に太陽の下で輝いて光ってこともあります。
「もなか」の毛づやについては、特に意識して何かをしているということもなく、ブラッシングでのお手入れも換毛期にしかできていません。特に冬の時期はサボり気味な状況です。
毛づやが良い理由としては、手作り食による良質な動物性タンパク質とえごま油でのα-リノレン酸の摂取で健康な皮膚が維持できているのではないかと考えています。
また、皮膚が乾燥しないためにも水分補給にはいつも気を付けています。
特に冬の寒い時期には運動量が落ちることから水分を補給しなくなるため、知らないうちに水分不足に陥っていることが多いようです。
水分が不足するとウンチが固くなるため、便秘になりやすくなることから腸内環境が悪化する原因となります。
《参考記事》 アトピーに効果的、ヨーグルト、納豆による腸内環境の改善
人間でもそうですが、腸の調子が悪いとお肌も荒れてきます。
犬の毛づやに影響がある栄養素
食べものには色々な栄養素が含まれておりますが、そのうち犬の毛づやに影響がありそうな栄養素をピックアップしてみました。
良質なタンパク質を摂る
タンパク質は動物の体を形成するために、もっとも基本的で重要な栄養素です。タンパク質は消化の過程でアミノ酸に分解されるのですが、動物が自ら合成できず、必ず食事から摂取する必要があるものを必須アミノ酸と言います。
必須アミノ酸が不足すると、毛色が悪くなったり、皮膚が乾燥しやくなり毛づやが悪くなります。
必須アミノ酸を取得するにはバランスよく色々な種類のタンパク質を取る必要がありますが、タンパク質には大きく動物性と植物性の2種類があります。このうち、動物性タンパク質には必須アミノ酸がバランスよく含まれているものが多いです。逆に植物性タンパク質は必須アミノ酸のバランスがよくありません。
また、犬は雑食動物と言われていますが、元々が肉食動物であるため、植物を消化するための仕組みが草食動物のようには発達しておらず、肉食の食事の方が適しています。
ワンちゃんの食事はドッグフードを使っている方が大半だと思いますので、ドッグフードにどんなタンパク質が含まれているのか、意識することで毛づやもよくなると思います。
必須脂肪酸は皮膚の形成にとても大切
リノール酸やα-リノレン酸など細胞膜やホルモンを形成するために必要な物質を必須脂肪酸と言います。必須脂肪酸は動物の体内では作り出すことができないため、こちらも食事から摂取する必要があります。
必須脂肪酸は植物性の食用油に多く含まれており、大きくオメガ-3系、オメガ-6系、オメガ-9系とに分類されます。このうち、オメガ-3系、オメガ-6系の2つを必須脂肪酸といい、どちらもバランスよく摂取することが重要となります。ただ、現代人(犬も)はオメガ-6系の脂肪酸を過剰に取り過ぎており、アトピーなど色々な病気の原因になっていると言われています。
必須脂肪酸が欠乏すると、フケが出たり、毛づやが悪くなります。必須脂肪酸を取る際に注意する点としては、オメガ-6系を減らすと共にオメガ-3系を増やすことが重要です。
具体的に言うと、肉食の食事にはそれだけでオメガ-6系の脂肪酸が多く含まれているため、オメガ-3系の脂肪酸を多く含む青魚を多めにとるか、オメガ-3系(しそ油、えごま油、亜麻仁油)の食用油を使うようにします。
ただ、オメガ-3系の食用油は加熱に弱いため、加熱料理には適していません。えごま油か亜麻仁油をごはん(ドッグフード)にスプーン一杯かけるのがお勧めです。
ミネラル、特に亜鉛は毛づやをよくする
ミネラル成分のうち、毛づやにとって重要なのは亜鉛と銅です。リノール酸と同時に取ることで相乗効果が期待できるとの報告もあります。
亜鉛、銅は牛肉、レバー、卵黄、納豆などに多く含まれています。普段、肉食の食事をしていれば特に意識して取得する必要はないですが、知らない内に亜鉛不足となっていることが多いようです。
ドッグフードの場合、成分表に亜鉛が含まれている場合でもワンちゃんにとって十分な量か分かり難いです。特に亜鉛はカルシウムや穀類と一緒に食べると、吸収が阻害されるため、亜鉛不足には注意が必要です。
たまにレバー肉をごはんに混ぜてあげるとよいでしょう。
ビタミン不足は皮膚の角質異常を招くこともある
ビタミン類は一般的に体内の様々な機能を調節する働きをもっており、色々な生命活動に必要不可欠な成分となります。
特にビタミンA、B群、Eが不足すると、皮膚の免疫力が落ちたり、皮膚の角質異常などから脱毛することもあります。
また、ビタミン類は欠乏しても過剰に摂取しても多くの不調を引き起こすことがあるため、バランスよく摂取することが重要です。ビタミン類は緑黄色野菜、果物、豚肉、大豆などに多く含まれます。
ドッグフードではどのようなビタミン類がどのぐらい入っているのか、分かり難いものもあります。足りないと感じているのであれば、ドッグフードに追加して、緑黄野菜や果物をワンちゃんにあげてみてはどうでしょうか。
どのような食事がよいのか
では、犬はどのような食事をすると毛づやがよくなるのかですが、上であげた栄養素を見てもらうと、毛づやをよくするには様々な栄養素が必要であることがお分かり頂けるかと思います。
要は人間の食事と同様に色々な種類の食材を万遍なく食べることが重要となります。ただ、犬の場合、人間と違うのは肉食メインの食事の方がよいという点です。
「もなか」の場合、もうかれこれ3年以上ずっと「おじや」を与えていますが、特に不調になることもなく元気いっぱいなので、体に必要な栄養素は足りているのだと思います。
《参考記事》 愛犬のための「鶏肉と野菜たっぷりおじや」-栄養たっぷりで簡単調理
もし、毛づやが悪いとお思いならドッグフードの種類を替えてみるか、不足していると思われる栄養素をドッグフードに追加してあげればよいかと思います。
ただ、ドッグフードの場合、具体的に何が入っているのかを見極めるが難しいです。
何か一つとどれがよいかと言われれば、えごま油がおすすめです。えごま油を摂ることでアレルギーの予防にもなります。
《参考記事》 えごま油はアトピーに効く、アレルギー抑制効果で花粉症も大丈夫
ただ、油は取り過ぎると太る原因となるため、与える量は少量で十分です。
まとめ
犬の毛づやには栄養バランスのよい食事が大切です。
総合栄養食と言われているドッグフードだけで犬に必要なすべての栄養素が摂取できれば、何も面倒なことはないのですが、実際にはドッグフードにも色々な種類のものがあり、中にはなかり粗悪なものが含まれています。
考えても見てください、こんなにたくさんの必須栄養素を含むドッグフードを自然な材料だけで作るとすれば、量販店で売っているような低価格なドッグフードが提供できるわけがありません。中には人工的に作った栄養素をふりかけのように添加しているだけのものも多いのです。
どうも毛づやが悪い、被毛の色が薄いと感じている方は、普段の食事にプラスアルファでえごま油をふりかけるなど、ひと手間かけてみてはどうでしょうか。