犬と猫ではどちらの方が強いのか、その戦闘力を比較してみました

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犬と猫では、その種類の多さに圧倒的な違いがあるのをご存じでしょうか。

犬の品種はとても多くて、公認されているものだけでも344犬種(国際畜犬連盟 2017年7月現在)もあり、そのうち、ジャパンケネルクラブでは約200犬種が登録されています。

《引用元》 ジャパンケネルクラブ 世界の犬

一方、猫の品種では登録されているもので60種程度と、犬に比べると5分の1以下しかありません。

 

なぜ、こんなにも品種の数が違うかというと、一般的には、犬の方が色々な使役に使う目的で品種改良が盛んに行われたのに対して、猫の場合にはそれほどでもなかったと言われています。

これは、犬の方が人間に従順であり、パートナーとしていろんな仕事に適するよう品種改良されたことが大きいです。

 

このあたりのことをネットで調べていると、猫について面白い主張がありました。

出元はかなり古く、2chでの投稿らしいです。要約すると、

「猫が大型化したら怖いでしょ。今の家猫の大きさが人間が安心して飼える限界」

だそうです。

水先案名無い人:2007/04/06(金) 18:36:30 ID:u5ZTJLof0101 名前: 名無しさん@七周年 投稿日: 2007/04/06(金) 18:25:41 ID:naMvSZ3O0
アップルパイ さんの質問:
犬には超大型犬から極小犬までいますが、猫はそんなに大きさに差がないのはなぜですか?小原(新潟大農学部助教授) さんの回答:
ネコでも作ろうと思えば野生の近縁種や大型種を掛け合わせて
もっと大きい猫種を作れると思いますし、
可能なら手っ取り早く、トラやライオンを数世代にわたって
大人しい性格の個体を選別して繁殖させ家畜化することもできるでしょう。
でも、道を歩いていて体高1mの野良ネコがいたら、あなたは恐くないですか?
100kg近くにもなる犬種を特別な許可無しに飼えるのに、
イエネコ以外のネコ科の動物を飼うのに保健所と警察の許可がいるのは何故でしょうか。
なぜなら、イヌとネコでは戦闘力が違い過ぎるからです。
セントバーナードやマスチフと同大のネコはピューマやヒョウですが
ピューマは体重350kgもあるグリズリー(アメリカクロクマ)より強い猛獣です。
30kgほどのオオヤマネコでも、シカやイノシシを殺します。
今のネコの大きさ(3~12kg)が普通に人が危険無く飼える限界なのです。

《引用元》 【全板集合】2chにある無駄な知識を集めるスレ34

 

ちなみに、新潟大農学部の助教授に小原さんという人はいないそうで、これを誰が言ったものか、不明らしいです。

ともあれ、この主張からすると、同じ大きさなら猫の方が犬より、圧倒的に戦闘力が高いみたいです。

これは本当のことなのでしょうか?

犬好きとしては、犬より猫の方が強いというのは、ちょっと癪に障ります。犬と猫、本当に強いのはどちらなのか、調べてみることにしました。

ネコ科とイヌ科でその強さを比べてみる

確かに、ネコ科の大型獣であるトラやライオンはかなり強いです。トラなど300kgにもなる超大型の猛獣です。とても人間が素手で勝てる相手ではありません。

一方、イヌ科の猛獣と言えば、オオカミ、ジャッカルなど、どちらと言えば、一頭一頭の強さより、集団で狩りをするイメージが強いです。

動物界でネコ科とイヌ科のどちらが単独で強いかと言われれば、確かにネコの方が圧倒的に強そうです。ネコ科の動物は個々の戦闘能力が高く、イヌ科の動物は集団で狩りをする社会性に優れていると言えます。

 

そのため、同じネコ科である家猫も、もう少し大きくなれば、戦闘力が格段にアップするはずです。

もし、猫が品種改良されて、大型犬と同じぐらいの体重(40,50Kg)になれば、実際、かなり怖いはずです。

体重200Kgのライオンとまではいかなくても、大型猫というのは、十分に強そうです。

 

犬の場合にも、闘犬やドーベルマンのように、個体としてかなり戦闘力が高い犬種もいます。大の大人でも素手では、とてもこれら犬たちと戦うことはできないです。

実際、犬の噛む力は尋常ではないです。柴犬の「もなか」でさえ、本気で噛みつかれると、骨まで砕かれそうです。まさに凶器です。

これが中型犬ともなると、警察官が怖がってピストルを発砲するぐらいです。(これは警官がバカだと思いますが。。。)

《参考記事》 「警官が犬に13発も発砲して射殺」のニュースを見て

ただし、闘犬やドーベルマンの強さは、犬種としての強さというより、闘うために訓練された強さでもあります。特に闘犬など、闘うために品種改良された犬であり、毎日の訓練によってより強靭な強さを獲得します。

人間でも、何もしていない中年サラリーマンと筋肉隆々の格闘家では、同じ人属でもその戦闘力は格段に違うものです。

猫では、とてもこんな風に訓練することはできないので、この犬の人に対する従順さというのは、一種の強さになるのかもしれません。

犬と猫の戦闘力を比較してみる

ネットで調べていると、単純に動物界最強はというと、その巨大さでゾウが圧勝するようです。

その下にサイ、カバ、キリン、クマ、スイギュウときて、やっとトラ、ライオンと続きます。

たとえ、百獣の王と言われるライオンやトラであっても、体の大きさで負けるものには、一蹴されるそうです。

 

そのため、動物の異種間の戦闘力を比較する場合には、体重差を無くした前提で話をします。

これを、「パウンド・フォー・パウンド」というらしいです。

この言葉、まったく知らなかったのですが、ボクシングや異種格闘技で良く使われる言葉で、もしも体重差がなく、体格が同じと仮定したとき、誰が本当に強いかを示す、造語らしいです。

 

この「パウンド・フォー・パウンド」で犬と猫の戦闘力を比べる場合、運動能力や持っている武器に着目する必要があります。

運動能力

まずは、その身体能力です。

犬は主に嗅覚、聴覚、持久力に優れていますが、瞬発力では猫の方が勝っています。また、猫は高い塀へも飛び上れるほどの跳躍力も備えており、機敏性においては犬を圧倒します。

また、この猫の跳躍力は街中ではかなり有利な条件です。万が一、戦いに敗れた場合、いつでも、逃げることができます。

ちなみに聴覚においても、犬より猫の方が鋭いです。

これらの身体能力のうち、戦闘に有利になるのは、やはり瞬発力でしょう。

この猫の機敏性は戦闘においても、かなり有利に働きます。そのため、犬が猫に勝とうと思えば、得意な持久戦に持ち込む必要がありますが、動物界の1対1の戦いにおいて、これはかなり難しいと思います。

噛む力

次に、犬の唯一の武器である牙や噛む力です。確かに犬の噛む力は相当なものがあり、自然界でも頼れる武器となります。

ただ、猫にも、もちろん牙もあれば、噛む力もかなりあります。

猫は体が小さい分、それほど噛む力が無いように思われていますが、同じ体重であれば、犬と猫の噛む力は、ほぼ互角だそうです。

鋭い爪

最後に、猫の最大、最強の武器、鋭い爪です。

これは猫しか持っていません。もし、ライオンの前足で引っかかれようものなら、それだけで人などひとたまりもありません。

「猫かぶり」という言葉があるように、普段、家猫たちは自分の最強の武器である爪を隠しています。ただ、いざ本気になると、その鋭い爪でズタズタにされることもよくあります。

また、鋭い爪を立てることで、攻撃として使えるのはもちろん、防御にも使えます。

もし、猫がもう少し大きければ、人に対しても、あの鋭い爪の一撃でかなりの重症を負わせることができます。

 

こうして見ると、同じ体重の犬と猫がいた場合、戦闘能力において犬は猫に勝っている点はほとんどなく、圧倒的に猫の方が優勢となりそうです。

特に鋭い爪は武器として絶大な力を発揮します。

犬がいくら頑張って噛みつこうとしても、その前に無敵の爪の前にズタズタにされてしまうでしょう。

まとめ

結論を言ってしまえば、犬と猫が仮に同じ体格であった場合、単独での戦闘力では、圧倒的に猫が有利です。

犬好きとしては、とても残念な結果です。

このように、猫はそのすぐれた戦闘力が危険なこともあり、あまりにも危険な大型猫という品種は、ほとんど作られてこなかったのでしょう。

実際、犬のように従順でもない猫の場合、暴れ出すと手が付けられなくなります。中型犬クラスの猫など、おそろしくてとても飼えたものではありません。

家猫といえども、小さいからといって侮っていると、痛い目に会いそうです。

 

今回は、個体としてイヌとネコの強さに着目してみましたが、自然界での実際の強さとなるとまた別です。

イヌ科の場合、主に群れを作って集団による狩りを行います。それはリーダーを中心とする社会を築き、連携し合う強さです。人の場合も同じですが、個々の戦闘力ではとても敵わない的に対し、集団で戦いを挑むのです。

この集団による強さは、また違った意味で最強の強さともなります。

 

イヌとネコの比較では、以下のような記事も書いてますので、興味があればまた読んで下さい。

<参考記事> 犬と猫ではどちらが賢いのか、色々な点を検証してみました

頭の良さという点でも、イヌとネコでは違った形として現れてきます。