アトピーの治療として、お薬を使ってアレルギー反応を抑制して症状を抑える治療法です。
ネットで色々と検索されている、あなたならよくご存じかと思いますが、もっとも賛否両論ある治療法です。
”ステロイドは怖い薬なので絶対使ってはいけない!!”
”怖がって少量しか塗らないのは薬の使い方を間違っている”
など、色々なご意見があり、何が正しいのか判断が難しいです。
- 賛成派
お医者さんに多く、病院に行くと必ずといってよいほど最初にステロイド軟膏を処方されます。ネットで検索していても病院関連のページでは賛成派ばかりです。 - 反対派
長年、お薬を使って治癒しなかった人たちが、アンチステロイド派になります。また一時期マスコミがステロイドの怖さを騒いでいた時期があったので、ステロイド=怖い薬 の図式が出来上がっています。
反対派の皆さんは個々の実体験上、反対している人が多いのも確かですが、なぜ、反対派の人がこれほど多いのでしょうか。
答えは簡単です。
アトピーはお薬だけで治療しても完治しない病気だからです。
なぜなら、ステロイドを含めアレルギー治療に使われるお薬は、体のアレルギー反応を抑える薬であって、アレルギー反応を起こしている原因を治療するお薬ではないからです。
- ステロイドで治療する
- 塗ると劇的に改善します。最初、塗ったときなどはこんなに効くのか、と驚くほどです。
- 改善したので使うのを止める、あるいは少し塗る量を少なくする
- たちまち悪化する。
- 同じようにステロイドを塗る
- 何度もお薬を使っているとあまり効かなくなるので、塗る量が増える、あるいは強いお薬になる。
- 改善したので、また少し塗る量を少なくする
- 悪化する。
統計的なデータはないのですが、アトピーは完治しない病気であると言っているお医者さんも多いことからも、かなりの人がこの悪循環に陥っており、ずっとステロイドを常用していないと、症状が悪化するようになります。
お医者さんもステロイドの怖さはご存じなので、使い方には十分気を付けて下さいとよく言われ、塗り方、塗る量、お薬の強さなど細かく注意されます。
ただ、この指示はお薬を使って症状をコントロールするためのもので、アトピーを完治させることが目的ではないのです。
もちろん、アレルギー反応をお薬で抑えている間に体の免疫機能が何らかの理由で改善され、お薬を止めても再発しない人もいます。
このようにステロイドで症状を抑え込んでいる間に体質改善することができれば、一番理想的な治療法だと思うのですが、これがなかなか難しいです。
また、アトピーの一番の問題はその”痒さ”です。
ものすごく痒くなるので、当然掻きたくなるのですが、掻くと傷ができ、そこから細菌が入るなどしてさらに炎症すると、いうように負のスパイラルに陥っていきます。
ワンちゃんや小さなお子さんなどは掻くことを自分で抑えることができません。大人でも寝ているときなど無意識に掻き毟るぐらいの痒さです。我が家の子供にも使っていましたので、痒がっているとステロイドを塗ってやりたくなる気持ちはよくわかりますが、私はお勧めはしません。
個人的には短期間のお薬常用は悪いことだとは思わないのですが、アトピーというものはその子の体質を改善しないと治らない病気です。体質というのはそんなに短期間で改善できるようなものではないため、短期間でお薬を止めるということはほとんど不可能なのです。
もし、どうしてもお薬を使わないといけない場合には、お薬を止めたとき、薬で抑え込んでいたアレルギー反応が過剰に反応するため、症状が一気に悪化することを覚えておいてください。