むちゃくちゃ暑かった今年の夏も終盤になり、食欲の秋がやってきました。
秋の味覚といえば、おいしいものが色々とたくさんありますが、旬を迎えた果物もたくさん出回ってきます。
おやつとして、楽しみにしている方も多いかと思いますが、犬にも果物を食べさせてもいいの?、と思っている方も多いかもしれません。
基本的に、ワンちゃんは甘い果物が大好きです。果物にはたっぷりの水分に加え、食物繊維やビタミン、ファイトケミカルが豊富で、犬の健康にとってとてもよい食べ物です。
犬に果物を与える場合、与え過ぎるようなことをしなければ、たいていの果物は大丈夫なのですが、一部、気をつけないといけないものもあります。 この秋、犬におすすめの果物についてまとめてみました。
犬におすすめの秋の果物
りんご-栄養豊富で健康食
イギリスのウェールズ地方に古くから伝わることわざ、「1日1個のリンゴで医者いらず」とあるように古くからリンゴは健康によいとされてきました。
りんごにはカリウム、クエン酸、リンゴ酸、カテキン、食物繊維、ペクチン、ポリフェノール、アントシアニン、ケルセチンなど、たくさんの体によい成分が含まれています。
クエン酸、リンゴ酸には、疲労物質である乳酸を減らす効果があり、疲れが溜まるのを防いでくれます。 食物繊維には、腸内の乳酸菌を増やして、腸内環境を整える働きがあります。
カリウムには、体の中の余分なナトリウム(塩分)を排出する機能があり、体のむくみを取ってくれます。体内の塩分を排出する働きがあり、高血圧に効果があります。
ペクチンは、リンゴの皮に多く含まれる水溶性食物繊維です。整腸作用、便秘の改善、免疫力の強化、コレストロールを排出する作用で生活習慣病の予防に効果があります。
ポリフェノールは、リンゴの皮に豊富に含まれています。ポリフェノールは強い抗酸化作用があり、コレステロールを取り除いたり、活性酸素を抑えることでがん予防にも効果があると言われています。
りんごの効果
整腸作用、便秘解消、大腸がん予防、成人病予防などに効果があります。
ただし、ワンちゃんに大きなリンゴを与えて、喉に詰まらせる事故が多いようです。りんごを食べさせるときには、喉に詰まらない大きさに切るか、すりおろしてから与えるとよいです。すりおろしたリンゴをドッグフードにトッピングすることで、ワンちゃんの食いつきが変わってきます。
梨-水分がたっぷりでカリウムが豊富
梨は水分がとても多く、その90%は水で出来ています。そのため、水分不足になりがちなワンちゃんには最適な果物です。
梨はもともと、中国が原産と言われており、昔から漢方薬としても使われてきた果物です。日本では、梨といえば、おやつとしてそのまま食べるのが一般的なのですが、欧米ではサラダの材料として使われます。
ワンちゃんに与える場合には、そのままおやつとして与えてもよいですが、小さく切って、ドッグフードに混ぜるのもおすすめです。
梨には、ビタミン類はあまり多くないですが、その代わりカリウムがたくさん含まれています。一般的にカリウムは熱に弱いのですが、梨の場合、加熱せずに食べれるので、カリウムを補給するには最適な果物です。
梨の効果
疲労回復、利尿作用、呼吸器系の炎症(せきやのどの痛み)を軽減、高血圧予防、整腸作用などに効果があります。
栗-ミネラルが豊富で滋養に良い
ただ、栗はナッツ類に分類されるため、犬に与える場合、やや注意が必要です。
ナッツ類はあまり犬に与えてはいけないと言われていますが、栗の場合、特に中毒症を起こすようなことはなく、少量であれば特に問題はありません。「もなか」も喜んで食べます。
栗はナッツ系の特徴であるミネラルが豊富です。また、他のナッツ類に比べると、脂質が少ないため、その分ヘルシーな食べ物です。
ただし、でんぷん質が多く、カロリーは若干高めなので、食べ過ぎには注意です。 栗には、たんぱく質、ビタミンB、カリウム、食物繊維が豊富です。
ワンちゃんによっては、アレルギーの原因となることもあるため、最初は少量をあげてみて様子をみた方がよいです。また、皮ごと与えるのは絶体にダメです。ワンちゃんが丸飲みにして、腸に詰まってしまう可能性があります。ワンちゃんに与える場合には、きちんと皮をむいて、細かくしてから与えましょう。
栗の効果
便秘の解消、老化防止、疲労回復などに効果があります。
みかん-ビタミンCが豊富でジューシー
犬の場合、自分の体内でビタミンCを合成できるので、ビタミンCは敢えて補給しなくてもよいと、勘違いされている方も多いです。
確かに犬はビタミンCを体内で作り出せるため、人間ほどにはビタミンCを摂取する必要はありません。 ただ、大型犬や、ストレスが多いワンちゃんの場合、ビタミンCの消費量が多く、食事からビタミンCを摂取しないと、不足がちになります。
ビタミンCには免疫力アップ、疲労回復、ストレス軽減にとても効果があり、ストレスの多い、現代のワンちゃんにもとても大切な栄養素なのです。
また、みかんは水分量がとても多く、普段水をあまり飲まない子には脱水症予防に最適です。温州みかんに多く含まれている、βクリプトキサンチンはガンの抑制力が強いとして、最近注目を集めています。
みかんの効果
免疫力アップ、疲労回復、便秘の解消に効果があります。 実は、みかんの袋やスジにも、コレステロール値を下げる働きがある、ペクチンが多く含まれているので、袋ごと食べた方がよいのです。ただ、ワンちゃんには食物繊維が消化し難いため、袋は剥いて中味だけをあげた方がよいです。
柿-栄養価が高く、甘くてワンちゃんも大好き
柿は果物の中でも特に甘く、「もなか」も大好きな果物の一つです。
柿は栄養価がとても高く、ビタミンC、βカロテンが豊富です。抗酸化作用が強く、健康食品として非常に優れています。
また、水溶性食物繊維であるペクチンが多く含まれており、コレステロールの吸収を妨げる働きがあるため、ダイエットにはおすすめの果物です。ただし、他の果物に比べてカロリーは高めのため、食べ過ぎには要注意です。
柿といえば、干し柿にして食べることも多いですが、干し柿の場合、かなり糖分が多くなるため、ワンちゃんにはあまり与えない方がよいです。あまり甘いものを与え過ぎると、普段のドッグフードを食べなくなることもあるようです。 ちなみに、柿も80%以上は水分であるため、水分補給にも適しています。
柿の効果
老化防止、がん防止、むくみの解消、便秘の解消、成人病予防に効果があります。
熟していない果物は与えない
果物には、ファイトケミカルやビタミン類が豊富に含まれており、体の中で抗酸化物質として働くため、ワンちゃんにとっても、とても良い食べ物です。
ただ、気を付けてほしいのは、熟していない果物や種にはワンちゃん(人間にも)に毒となる成分が含まれています。
果物を食べたときに感じるエグミの成分で、果物が外敵となる害虫から身を守るための蓄えているものです。果物によって色々な種類があり、その毒性も様々です。
また、柿には免疫力を高める成分が多く含まれるからといって、柿ばかりを食べさせることはよくありません。一つの果物ばかり食べると同じ種類のアルカロイドが蓄積して、体によくないそうです。ワンちゃんに果物を与える場合には、色々な種類の果物を適量(1口、2口程度)与えるようにしましょう。
まとめ
これから秋になり、旬の果物が色々と出回ってきます。
「もなか」も果物が大好きで、今回ご紹介した果物はすべて喜んで食べています。 犬の味覚は人間と比べると、あまり発達しておらず、味覚音痴と言われておりますが、唯一、甘味だけはよく感じ取ることができます。
そのため、甘い果物が大好きなワンちゃんが多いです。 果物には水分が豊富で、ビタミン、ファイトケミカルが豊富でワンちゃんの健康維持にはとてもよいおやつとなります。今年の暑かった夏に溜まった疲労を回復するには、果物は最適です。
ただ、どんなものでも、食べ過ぎるのはよくありません。人間が果物を食べるときに、少しだけワンちゃんにも分けてあげるとよいでしょう。