犬のアトピー性皮膚炎の新しい治療薬「アポキル錠」について

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ゾエティス一面広告先日、新聞を見ていると一面広告でペット製薬会社の広告が載っていました。

お笑いタレントの寛平さんを使って、かなりお金をかけているようです。「ゾエティス」という聞いたことがない会社でした。

ペット関連でこんな派手な広告は珍しいなと思い、調べてみると、「ゾエティス」というのは、アメリカ大手製薬会社のファイザーのアニマルヘルス事業部門を別会社として最近独立させたものらしいです。

どうりで金のかけ方が違います。

気になったのは、それだけでなく、以下のアトピー性皮膚炎治療の記事でした。

アトピー

広告では、「今、犬アトピー性皮膚炎には、ステロイド剤以外のさまざまな『犬用のお薬や治療法』が開発されてきています。」とありました。

このブログの主テーマでもある「アトピー」に関する記事だったので、これはチェックしなければと、久しぶりにアトピーについて調べてみることにしました。

そもそも、「もなか」がアトピーで闘病生活していたのは、かれこれ4年以上も前になります。

当時は、色々と新しい治療法についてネットで調べてみたりしたのですが、「もなか」がすっかり良くなってからは、あまりチェックしていませんでした。

調べてみると知らない内に、「オクラシチニブ」という新しい治療薬が発売されていたようです。

犬のアトピー性皮膚炎の最新治療について

ゾエティスのホームページから調べてみると、新しい治療薬について記載がありました。

《ゾエティスホームページ》 犬のかゆみ治療

「オクラシチニブ」という新しい治療薬がオススメのようです。あと、その他として、「シクロスポリン剤」、「犬インターフェロンγ」の2つについても記載がありました。

「シクロスポリン剤」、「犬インターフェロンγ」については以前から知っているので、今回は新しい治療薬である「オクラシチニブ」という薬について、重点チェックしていきます。

犬専用の「オクラシチニブ」とはどんな薬なのか

錠剤タイプで経口(口から与える)のお薬のようです。ホームページでは、メリット、デメリットが書いてありました。

メリット

ステロイドと同じぐらい即効性があるにも関わらず、安全性が高く、長期間投与することが可能。

デメリット

軽い嘔吐や下痢の副作用を起こすことがあるが、その多くは管理可能なものである。

このお薬は犬のために新しく開発されたお薬のようで、「ヤヌスキナーゼ阻害剤」というカテゴリーに属するとあります。

ヤヌスキナーゼというのは、免疫細胞の中で多くのシグナル伝達にかかわっている酵素なのですが、この酵素の働きをじゃますることで、免疫細胞が活性化しなくなるのです。

ご存じのように、アトピーは免疫細胞の異常が原因であり、普通であれば何でもないアレルゲンを異物と誤認識して、異常に活性化することで炎症を引き起こし、皮膚が痒くなる病気です。

免疫機能を抑制することで、皮膚の炎症や痒みを抑えて、アトピーの症状を和らげることができるお薬なのだそうです。

 

このお薬は、アトピー治療だけでなく、ノミ、ダニなどによるアレルギー性皮膚炎や食物アレルギー、疥癬などのアレルギー性皮膚炎に効くとありました。

免疫抑制剤のようなので、アレルギー全般に効果があるのでしょう。

このホームページでは、やたらと安全性が高く、長期間投与することが可能と強調されていました。本当なのでしょうか?

「オクラシチニブ」は安全なのか

もう少し調査するため、「オクラシチニブ」でネット検索すると、検索結果の一発目に「劇薬指定医薬品」という農林水産省のページがヒットしました。劇薬と聞くと、何やら危ないお薬なのかと思ってしまいます。

《農林水産省ホームページ》 劇薬 要指示医薬品 指定医薬品

内容はゾエティス社による「アポキル錠」というお薬の説明書でした。有効成分は「オクラシチニブ」です。

アポキル錠は、犬のアトピー性皮膚炎に伴う症状及びアレルギー性皮膚 炎の掻痒の緩和を目的とした、動物薬として認可された初めてのヤヌス キナーゼ(JAK)阻害剤である。有効成分オクラシチニブは掻痒誘発性 サイトカインであるIL-31等のJAKを介したシグナル伝達を阻害し、当 該疾患の改善を導く。

また、

オクラシチニブとして体重1kgあたり0.4mgを、1日2回、最長14日間経 口投与する。さらに継続する場合には1日1回投与する。ただし、投与期 間は1年を超えないこと。

ともありました。

長期に使用する場合は、1日1回で、1年以上の投与はダメみたいです。

また、12ヵ月齢未満の犬や体重3.0kg未満の犬には安全性が確保されていないので、使うなともあります。その他、副作用もそれなりにあるお薬みたいです。

 

ただ、他にも調べてみると、ヤヌスキナーゼ阻害剤といっても、かゆみを伝達する特定のシグナルのみを遮断するため、その安全性はとても高く、先行して発売されている海外では犬のアトピー治療薬として注目、推奨されているそうです。

このお薬の投与後、4時間以内に効き始め、14日以内で86%の症例でかゆみが半減するらしいです。

ただし、このお薬は犬専用みたいで、かゆみの伝達にかかわるサイトカインが異なる人や猫では、効果的ではないみたいです。

まとめ

ステロイドのような副作用もなく、アトピー特有のあの痒みを抑えられるというのは、とても画期的なことのようです。

特にワンちゃんの場合、アトピーになると自分では痒みを抑えきれず、どうしても掻き毟ってしまうため、どんどん症状が悪化してしまいます。

このようなお薬でかゆみを抑えれれば、症状の悪化をある程度防げるでしょう。

 

ただ、残念ならがら、この画期的な治療薬もこの病気の根治治療ではなく、対症療法にしかなっていないです。単に痒みをマシにするだけです。(これだけでも、ワンちゃんはかなり楽になるとは思います)

根本的な原因を取り除かない限り、いつまで経ってもお薬を飲み続けなくてはなりません。また、このお薬が長期使用できるといっても、1年以上は無理みたいです。

もし、1年以内に改善しなければ、その後はどうすればよいのでしょうか?

 

このブログでは、アトピー治療には体質改善が一番効果的であると何度も書いているのですが、このお薬で痒みを抑えつつ、その間に根本的な体質改善を進めることで、より効果的に体質改善できるのではないでしょうか。

もし、興味がある方は、下記ページからこの新しい治療薬を扱っている動物病院を探せるので、チェックしてみて下さい。(ただ、私が住んでいる県ではまだ2件しかありませんでした。)

《ゾエティスホームページ》 動物病院をさがす

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