葛もち万葉の昔から、日本では体調が悪いときや、胃腸の調子を整えるために、葛湯(くず湯)を飲むという民間療法があります。葛湯にはとろみがあり、体を温めたり、消化によいことから、病人食や赤ちゃんの離乳食に使われているものです。

犬の場合でも、人と同じように葛湯には胃腸を整える働きがあり、下痢のときの食べ物としてもおすすめです。

「もなか」もちょっと食べ過ぎると、よくお腹を壊すことがあり、プチ断食で胃腸の調子を整えることがあります。ただ、食欲はいつも通りであることが多く、ご飯を頂戴、頂戴とよくねだられることがあります。

そんなときは胃腸にもやさしい葛湯を与えることでちょっとした満足感を与えて、ごまかすことがあります。

葛(くず)とは何なのでしょうか

葛とは、マメ科のつる状の植物のことであり、その大きく膨らんだ根っこからとれるデンプンがくず粉として売られています。

昔々はそこら辺で自生していたらしく、葛は万葉の昔から秋の七草の1つとして数えられているぐらい、日本では身近な植物です。古くから風邪の予防やお腹を壊したときのお薬、療養中の食事として、利用されてきた食材です。

その根っこを乾燥させたものを「葛根(かっこん)」といい、生薬として発汗・鎮痛・解熱作用があります。漢方薬のかぜ薬として有名な「葛根湯」の主成分ともなっています。

葛湯は今でも、赤ちゃんの離乳食や便秘・下痢のときの対処法としても利用されることがありますが、犬の場合でも、胃腸が弱っているときに与えることで、とても効果があります。

葛粉はでん粉の一種であり、消化吸収がとてもよく、胃腸への負担も少ないことから、体調が悪いときのエネルギー摂取にも役立つ食材です。

葛湯を作るのに100%葛粉でなければいけないのか

葛粉

実は、その辺のスーパーで売られている葛粉には、100%葛粉だけで出来ている製品はあまりないそうです。

さつま芋やじゃが芋のでん粉を混ぜたものが多く、混ぜ物がない葛粉になると少し高価になります。といっても少し値段が高くなる程度ですが、中には吉野葛みたいにブランド化しているものは、100gで2000円以上するものもあったりします。

ネットで調べていると、「健康のために葛粉を食べるなら100%葛にこだわりましょう」などいう情報がたくさんあったので、さっき、家にあった葛粉を見てみると、原材料名のところに、「葛粉、甘藷でん粉」と書いてありました。たぶん、近所のスーパーで買ったものです。

「甘藷でん粉」とはさつま芋から取れるでん粉のことで、まさに混ぜ物が混じっていました。

ただ、100%葛のものがあればその方が良いかと思いますが、胃腸の調子を整える程度に葛粉を使うなら、それほどこだわって高価なものを買う必要もないかと思います。

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なぜなら、元々、葛粉はその製造の過程で食べやすくするために、さらしたり、アクを取り除いたり、と色々と行程があります。その行程の中で生薬としての成分(おもに苦み)もかなり少なくなるらしいです。

もし、健康食品としての葛粉を重視するのであれば、製造時のさらしやアク抜き行程を少なくしたものや、エキスを抽出したタイプのものも売っているので、そちらの方が生薬としての効能はかなり高くなります。

元々、食物繊維を多く含む、さつま芋やじゃが芋などはそれだけでも下痢症状の暖和に効果があるものです。そのでん粉が混ざっているからといって、それほど効能に違いがあるとは思えません。

ただし、葛と同じようなデンプン質のものに、片栗粉やわらび粉などもあります。これらもデンプンの一種で、同じようにとろみをつけることができますが、その成分はかなり違います。

ちなみに、片栗粉は、元々はユリ科の植物である「カタクリ」の茎から抽出したでん粉のことなのですが、今では原材料としてじゃが芋が使われています。わらび粉は「わらび」の根っこから抽出したでん粉です。どちらも成分が違うため、葛粉の代用にはなりません。

かんたんな葛湯・葛練りの作り方

葛練り葛湯で検索すれば、その作り方はいっぱい載っていますが、簡単なものをご紹介しておきます。

  1. お鍋に葛粉大さじ1杯を入れ、少量の水(お湯)でとかす。
  2. 水を100ccとダシの素を少々入れて、とろみが出て半透明になるまで混ぜる。
    ※ダシの素の代りに、りんごジュースなどワンちゃんの好きな味付けにしてもOKです。

たった、これだけです。

ワンちゃんが食べやすいように、ダシの素の代りにお肉や野菜の煮汁を使ってもよいです。りんごを磨り潰したものや、生姜を少量混ぜると、お腹の調子を整える効果も倍増します。

《参考記事》 生姜はネギ類と同じで犬に与えてはダメ!と言われるが、本当?

また、水の量を半分にしてお鍋で固まるで煮詰めると、ブルンブルンの葛もち状(葛練り)になるので、おやつとしても最適です。カロリーも低めです。

今回、「もなか」も下痢をしているわけではないので、おやつ代わりに少し固めに作ってみました。冷蔵庫にいれて冷やしてあげると、葛もちみたいでおいしそうです。

さすがにそのままでは、ちょっと食べ難いので、適当な大きさにハサミで切って「もなか」にあげました。最初、食感が不思議なのか、警戒気味でしたが、「もなか」も気に入ったようであっという間に完食しました。

まとめ

愛犬が下痢などで、お腹の調子が悪い時には、基本的に1日程度絶食させて胃腸を休めるのが一番よいです。

《参考記事》 犬が下痢になったときの対処法を徹底解説-ご飯の与え方は?

ただ、愛犬が元気な場合には、絶食中にご飯を欲しがることも多いです。そんなときは、胃腸にやさしい葛湯を与えてみては如何でしょうか。

葛湯は胃腸の粘膜を保護する役割の他、胃腸に負担をかけずにカロリー補給と水分補給もできるので、一石三鳥の優れものです。

昔の人の知恵はとても偉大です。ちょっとした胃腸の乱れぐらいだと、お薬を飲ませるより、まずは葛湯を飲ませて様子を見るものよいかと思います。

 

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