ワンちゃんが欲しがるからといって家族が食べているものをついついあげてしまっていることはないでしょうか。
手作り食を作っているという方ならある程度認識していると思いますが、人間には何の問題ない食材でも、犬にとっては毒となりうるものがいくつかあります。
最悪、大切なワンちゃんが死亡することもある危険なものもあるので、今一度、犬に与えてもよいものについて見直してみましょう。 勝手なランキングですが、私が考えている犬にとって危険な食べ物ランクは以下のような感じです。
危険度大>キシリトール>ネギ類>チョコレート>ぶどう>香辛料>塩分>危険度小
キシリトールは犬に与えてはダメ
犬がキシリトールを食べるとインスリンの過剰分泌を引き起こし、低血糖発作を引き起こすと言われています。 報告によれば、キシリトール入りのタブレットを数粒食べただけで、低血糖症になる場合もあり大変危険とのことです。
症状としては摂取後、30分程度で嘔吐し、低血糖症になった場合には運動障害や痙攣が起こり、重症化すると死亡することもあります。 他の食材と違って少量で致死量になりうるため、キシリトールの場合は特に注意が必要です。
キシリトール製品が増えた関係から近年では犬のキシリトール中毒が増加傾向にあります。ワンちゃんが簡単に取れる場所にガムやキャンディーを置かないようにしましょう。
また、キシリトールと言えば、イチゴやカリフラワー、ホウレンソウにも含まれている天然の甘味料なのですが、これらの食材には中毒を起こすほどの量が含まれていないため、犬に与えても特に問題とはならないようです。
ネギ類は中毒をおこす
ネギ類に含まれている硫化アリルやアリルプロピルジスルフィドという成分が原因で、玉ねぎの匂いや辛味の元となる刺激成分です。また、玉ねぎを切ったときに涙が出るのもこの成分が原因です。
玉ねぎやニンニクは一般的に疲労回復、精力減退、食欲不振に効果があると言われていますが、人の場合でも生の玉ねぎやニンニクを食べ過ぎるとお腹をこわしたり、元々生理的に受け付けない人もいます。どんなものでもそうですが、摂取量によっては薬にも、毒にもなるということだと思います。
では、犬の場合、玉ねぎ中毒症状を起こす量としては犬の体重1Kgあたりで玉ねぎ5~10g、貧血をおこす量としては体重1Kgあたりで玉ねぎ15~20gです。
体重10kgの犬の場合だと、中玉の玉ねぎの半分くらい(100g)を食べると問題となるようです。
少しぐらい食べたからといって、すぐに体調が悪くなるようなものではないようですが、個体差もかなりあるようで、玉ねぎが入った味噌汁を少し飲んだだけで貧血を起こすワンちゃんもいるとのことなので注意は必要です。
チョコレートは犬にとって危険、誤飲の件数もかなり多い
「テオブロミン」はカフェインの親戚なようのもので大脳興奮や呼吸興奮、心悸亢進作用があります。人間の場合でも眠気覚ましにカフェインを取ることがありますが、これと同じ作用があります。
ただ、犬の場合、人間よりテオブロミンの代謝速度(分解作用)が遅いため、興奮作用が長期間継続することになり、中毒となる場合があります。
小型犬で50g程度、中型犬で400g程度のチョコレートを摂取すると、チョコレート中毒を起こすと言われています。板チョコが1枚100g程度なので、小型犬の場合では板チョコを半分食べると危険なようです。
中毒が酷くなるとてんかんの発作を起こし、最悪死に至ることもあるようです。 バレンタインの時期には、家にチョコレートがたくさん溢れます。
この時期、犬の誤飲でチョコレートがかなり多くなるので、ワンちゃんが勝手にチョコレートを食べないようにきちんと管理しましょう。
《参考記事》 バレンタインには犬のチョコレート誤飲にご用心-ビターは特に危険
ぶどうで腎不全になることも、ただし、原因は不明?
日本ではあまり発症したケースは報告されていませんが、検索したところ、下記の症例が載っていました。
ただ、腎不全になる原因が全く解明されていない不思議な疾患です。
また、犬のぶどう中毒はレアな疾患なようで、よほど大量に摂取しない限りは発症しなかったり、個体差もかなりあったりと、少しぐらいぶどうを食べたとしても中毒症状になることはほとんどないようです。
ぶどうといえば、その歴史はかなり古く、紀元前3000年ごろから栽培されている果物であり、当時から人間に飼われていた犬は当然ぶどうを食べていたと思うのですが、なぜ近年になって急に危険な食材として注目されるようになったかかなり不思議です。
もしかしたら、ぶどうそのものではなく、ぶどうに付着している農薬などが影響しているのかと少し疑ってしまいます。
《参考記事》 犬とぶどうの不思議-ぶどうを食べると本当に急性腎不全になるのか?
香辛料はワンちゃんは苦手
塩分は犬にとっても大切、ただし取り過ぎにはご注意
確かに塩分の取り過ぎは人間同様に体に悪いのですが、犬の場合も生命活動のために塩分をある程度摂取する必要があります。当然ドッグフードにも塩分が含まれています。
ただ、体中から汗をかくことができる人間と違って犬の場合は足裏でしか汗をかかないため、汗による塩分の流出が少ないです。
このため、通常の人間と同じ濃度の塩分を取得すると塩分の取り過ぎとなりますが、高血圧治療などでの「塩分控え目の食事」ぐらいがちょうど良いようです。
また、少しぐらいの塩分の取り過ぎは十分な水分を取っていればオシッコで排出されるため、問題とはならないです。
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他にも気になる食べ物について記事を書いていますので、よろしければ、以下も参考にしてください。
<犬が食べてはいけないもの、ほうれん草、ミネラルウォーターetc>