犬にキャベツは有害って本当?実はがん予防に最適な野菜

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先日、ネットで検索していると「キャベツは犬に与えてはいけません」と、ありました。ちょっとびっくりしたのですが、キャベツといえば、デザイナーフーズのひとつであり、がん予防にもその効果が認められている食材です。

<参考記事> 愛犬の食材に迷ったら、がん予防に最適なデザイナーフーズはいかが

そのため、「もなか」にもキャベツは毎日与えているぐらいです。さすがに生で与えることはないのですが、細かくしたものを「おじや」の具としてよく使っています。

「犬、キャベツ」で検索すると、概ね肯定派の記事がほとんどなのですが、その中でいくつか反対意見もありました。

反対派の記事:
《参考記事》 手作り食に”キャベツ”はダメ!トッピングもダメ!!

この記事によると、キャベツには「シュウ酸」が多く含まれるので、シュウ酸カルシウム結石の危険性があり、敢えてキャベツを与えなくてもよいのでは、との意見です。

しかも、近年、犬の結石症が増えている原因が、キャベツに関連があるかもしれないというのです。

ちょっと、極端な見解で、そこまで愛犬にキャベツを与えている人は少ないと思うので、犬の結石症の原因がキャベツだというのは言い過ぎですね。根拠が薄いです。

近年、犬に尿路結石が多くなっている原因の一つは、ドライタイプのドッグフードの普及にあると思います。ドライタイプではそれ自体が水分を多く吸収することから、どうしても水分不足になりがちです。

 

ということで、今回はキャベツについて調査してみました。

キャベツの良い成分

ビタミンC

キャベツには、意外とビタミンCがたくさん含まれています。

ビタミンCには、強力な抗酸化作用があることから免疫力の強化、老化の原因となる活性酸素にも有効です。また、動脈硬化の予防、がん予防にも効果があります。

冬から春にかけて旬になるキャベツは、冬の時期、免疫力を上げる効果があるビタミンCの含有量がトップクラスです。特に芽キャベツには普通のキャベツの4倍ものビタミンCを含んでいます。

ビタミンU

ビタミンUという名前はあまり聞かないので、キャベジンといった方が分かりやすいですね。胃腸薬として有名な成分です。

胃や十二指腸の粘膜の修復を促進することから、潰瘍などに効果があります。また、肝機能アップや活性酸素に対しても有効です。

食物繊維

キャベツはもちろん、食物繊維が豊富です。

食物繊維は便秘を改善するだけでなく、腸内細菌のエサとなることから腸内を良好に保ち、様々な病気の予防となります。

《参考記事》 腸内フローラのバランスをとってアトピー、アレルギーを改善する

その他

その他にも、キャベツには、ビタミンK、βカロチン、カルシウムなど豊富な栄養が含まれています

キャベツに含まれるカルシウムは、他の野菜よりも吸収率がよいことで知られています。

キャベツの内葉には比較的ビタミンCが多く含まれており、外側の緑色が強い部分にカロテンが多く含まれています。βカロチンは体内で必要な量だけ、ビタミンAに変化したり、抗酸化物質としても働きます。ビタミンAには、皮膚や粘膜を丈夫にし、活性酸素の害から身体を守る働きがあります。

グルコシノレート・イソチオシアネート

アメリカの研究機関の発表で、がん予防に有効な成分を含む食品として、キャベツやブロッコリーなどのアブラナ科の野菜が多く含まれていたことをきっかけに、注目されるようになった成分です。

イソチオシアネートとは、わさびやダイコンなどの辛味成分の元になる成分です。キャベツなどの野菜では、グルコシノレートという成分の形で含まれているのですが、動物の体内で消化する過程で、イソチオシアネートに変わります。

このイソチオシアネートという成分は、もともと植物が虫に食べられないようにするためのものなのですが、動物の体の中では、発ガン性物質が活性化するのを防止します。このため、がん予防として注目されています。

キャベツの悪い成分

シュウ酸

野菜の中では、ほうれん草に次いでシュウ酸の含有量が多いため、食べ過ぎると尿路結石症の原因となります。シュウ酸は水に溶けやすいため、茹でてからその茹で汁を捨てれば、シュウ酸の含有量は大きく減らすことができます。気になるようであれば、さっと茹でると良いでしょう。

キャベツのシュウ酸は内葉(未熟葉)よりも、外葉(成熟葉)に多く含まれるため、ワンちゃんにはできるだけ内葉をあげると良いです。

あと、シュウ酸対策としては、十分な水分を取る、カルシウム(煮干しなど)と一緒に食べる、などの対策が有効です。

ゴイトリン

キャベツには、ゴイトリンという成分が多く含まれているのですが、このゴイトリンは甲状腺がヨードを取り込むのを邪魔します。

このため、甲状腺ホルモンを合成するための原料となるヨードが不足することで、甲状腺ホルモン不足が起こります。不足したホルモンを増やすために、甲状腺を刺激するホルモンを分泌するのですが、このホルモンの分泌が増えることで、甲状腺が腫れると言われています。

ただし、これはキャベツを食べきれないほど大量に食べないと起きない現象であり、通常ではありえないようです。ゴイトリンについては、特に心配するほどのことではありません。

まとめ

最近では、犬の高齢化も進んでおり、ガンによる死亡が目立つようになってきました。愛犬が健康で長生きするために、食べ物によるがん予防はとても重要なことです。

キャベツには実に豊富な栄養が含まれており、米国の国立ガン研究所が発表した、がん予防のためのデザイナーフーズとし、重要な野菜として選ばれているほど優秀な野菜です。

ビタミンCもキャベジンは特にキャベツの芯の部分に多く含まれているので、フードプロセッサーなどで細かくして上げると消化にもよく、ワンちゃんが食べやすいです。

このような優秀な野菜をワンちゃんに食べさせないのは、もったいないです。

確かに、シュウ酸による尿路結石症には、気を付けるべきですが、結石症の予防としては十分な水分を取ることで十分対応できると思います。

ただし、キャベツを生で与えるのは、ワンちゃんにとって消化に悪いため、軽く茹でてあげるようにして下さい。

 

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