犬の皮膚病は病気ランキングでトップ-その種類と対処方法について

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柴犬アイペット損保がペット保険の契約者からの保険金請求(2015年8月1日~2016年3月31日までの期間)に関して、「ペットの傷病ランキング」をまとめた結果を発表しました。

《アイペット損保ニュース》 ペットのかかりやすい傷病は犬・猫ともに「皮膚炎」が第1位

犬の傷病でトップは皮膚炎で、猫は下痢だったのですが、犬種別ランキングで柴犬の項目を見ると、1位が皮膚炎、4位にアレルギー性皮膚炎、5位にアトピー性皮膚炎となぜか、皮膚病のオンパレードでした。1位の皮膚炎は、アレルギー性、アトピー性以外の皮膚炎ということだと思うのですが、分ける理由があるのか不明です。

柴犬の場合、すべての皮膚炎を合わせると、ダントツ1位で「皮膚炎」ということになりそうです。

柴犬はどんだけ皮膚が弱いのか。。。。

黒柴である「もなか」も子犬のとき、見事にアトピー性皮膚炎になり、病院のお世話によくなっていました。それにしても、同じ皮膚炎でもアレルギー性とアトピー性とに細かく分類していることにもびっくりです。

ということで、今回は犬の「皮膚病」について、どんな種類のものがあるのか、皮膚病になったときの対処法などを調査してみました。

脂漏症(しろうしょう)

パグ「マラセチア皮膚炎」とも呼ばれます。

マラセチアとは、犬の皮膚などに付いている常在菌であり、通常であれば、特に問題を起こす菌ではありません。

ただし、犬の免疫力が低下していたり、皮膚の脂質の分泌過剰などによって、この常在菌が活発化し、皮膚炎が発症すると言われています。

脂漏症には、脂っぽくなるタイプと乾燥タイプの2種類があります。

脂タイプでは、皮膚がたるんで皺になった部分に脂性のフケが出て、その箇所に痒みが出てきます。そのうち、臭いもきつくなり、ベタベタがひどくなってくると、皮膚炎が全身に広がっていきます。

乾燥タイプでは、乾燥したフケが多く出てきます。

治療方法としては、シャンプーを症状に合わせたものに切り替えたり、食事の脂肪分が原因と考えられる場合には、ドッグフードを切り替えたりします。

膿皮症(のうひしょう)

ブルドック元々、犬の皮膚に常在している菌である、ぶどう球菌が異常繁殖して引き起こす皮膚炎です。

初期症状として、皮膚が小さく腫れたり、膿を持った発疹があらわれます。放っておくと、次第に深く、広く、広がっていき、感染した皮膚には無数の穴が開いてしまいます。また、膿が分泌されることで悪臭を放ち出します。

原因としては、アトピーや脂漏症などによる皮膚の免疫力、バリア機能の低下や、ダニが皮膚へ寄生することでも発症することも多くあります。

治療方法としては、抗生物質を飲ませることで膿皮症の進行を止めます。また、殺菌性のシャンプーで皮膚をきれいに保つとともに、保湿によって皮膚のバリア機能を高めます。

皮膚糸状菌症(ひふしじょうきんしょう)

かゆみの少ない円形の脱毛ができ、徐々に広がっていきます。フケやカサブタが多く見られることもあります。

原因は、かびの一種である皮膚糸状菌が皮膚に侵入して、繁殖することで発症します。短毛種や硬い毛質の犬種にはあまり感染しません。

他の犬や猫との接触によって感染するのですが、稀に土壌からも感染します。

皮膚糸状菌は犬・猫だけでなく、人間にも感染する人畜共通感染症(ズーノーシス)であり、ペットから人へ感染することもあります。

犬の皮膚病の場合、同じような症状のものも多く、病院で原因を特定してもらう必要があります。抗真菌薬による治療や、シャンプーによって皮膚を清潔に保ちます。また、ワンちゃんが発症した場合、家族に感染しないようにクッションやカーペットなどを小まめに掃除機で掃除する必要もあります。

アレルギー性皮膚炎

赤柴

アレルゲンと呼ばれる、食物やノミ、ダニなどのアレルギーを引き起こす原因物質に触れたり、食べたりすることで、体の免疫機能が異常に反応してしまうことで、下痢や皮膚炎が起こります。(ノミの場合にはノミの唾液成分にアレルギー反応を起こして、噛まれた箇所に強い痒みが生じます。)

食物アレルギーの場合、最初に症状が出やすいのが顔です。アレルゲンとなる物質を食べたとき、まず口の周りが痒くなり、それをこすることで顔全体に痒みが広がります。

アレルゲンとなる原因物質は、主にタンパク質(牛肉、鶏肉、豚肉、魚、卵、大豆など)と炭水化物(小麦、とうもろこしなど)に多いのですが、ドッグフードによく入っている着色料や防腐剤などの添加物によっても発症する場合もあります。

また、同じ種類の肉ばかりを食べ続けていると、今まで問題が無かった肉類でもアレルギーを発症するケースが多く、ドッグフードの場合には違う種類のものをローテーションすることがよいとされています。

アレルギー性皮膚炎が慢性化してくると、アトピー性皮膚炎と診断されることになります。

治療方法としては、アレルゲンとなっている物質を特定し、それを除去することで改善します。ただし、アレルギー体質のワンちゃんの場合、複数のアレルゲンに反応していることが多く、除去食をしているだけでは、根本的な解決にならず、最後には食べるものが無くなるということにもなりかねません。

そのため、根本的な治療を行う場合には、下記のアトピー性皮膚炎と同じ対応が必要になります。

アトピー性皮膚炎

アトピー物凄くかゆみを伴う湿疹を、繰り返す病気です。

アレルギー性皮膚炎とアトピー性皮膚炎はどちらも、体の免疫システムの異常が原因となります。

この2つの分類は獣医さんによっても、かなり曖昧なようです。「もなか」の場合など、初見でいきなりアトピー性皮膚炎と診断されてしまいました。。。

一応、一過性のものがアレルギー性で、慢性的、かつ患部に特徴があるのがアトピー性、みたいな感じのようです。

元々の体質として皮膚が弱い犬が皮膚炎になると、皮膚のバリア機能が低下してしまい、細菌による感染症を引き起こしやすくなります。このため、皮膚炎の症状が重症化、長期化してしまうのです。

人間の場合ですが、アトピーと診断される基準は、乳児で2ヶ月、その他では6ヶ月以上、皮膚炎が慢性的に続き、かつ、特徴的な患部の分布があれば、アトピー性皮膚炎と診断されます。(犬の場合、どのような基準でアトピーとなるのか、良く知らないのですが、たぶん、人と同じではないでしょうか。)

一般的に3歳以下の若い犬に発症しやすい皮膚炎であり、柴犬やシーズー、レトリーバーなどが遺伝的にかかりやすいと言われていますが、未だにその原因は不明です。

アトピーの場合、顔や目、耳の周り、脇の下、お腹、足の付け根、手足などの特定の箇所が皮膚炎になることが特徴的で、慢性的に皮膚炎となることから、被毛が抜けてしまったり、皮膚が黒っぽくなったり、硬く分厚くなったりもします。

一旦アトピーになると、完治が難しい病気と言われておりますが、決して改善しない病気ではありません。放置していると、益々ひどくなるだけです。

「もなか」も1歳過ぎまでアトピーでしたが、色々と対策を行った結果、今ではほとんど問題はありません。(ただ、今でも、花粉症になったり、たまに手足を痒がっていたりと、アレルギー体質なのは変わっていません。)

「もなか」が色々とやった対策については、下記の記事でもまとめているので、よかったら参考にしてください。

《参考記事》 犬のアトピーについて

愛犬が皮膚炎になったときには食べ物から見直す

犬の皮膚は普段、被毛に覆われていることもあり、実は人間に比べて薄く、とても敏感肌なのです。また、被毛に覆われているため、湿気がこもり易く、梅雨の時期など細菌も繁殖しやすくなります。

そのため、犬はちょっとしたことが原因で皮膚病を発生しがちです。

また、軽い皮膚病の場合には、シャンプーで皮膚を清潔に保ったり、病院からもらったお薬だけですぐに改善することもありますが、なかなか治らない皮膚病も多いものです。

特にアトピー性の場合には、完治しないものと決めつけている獣医さんも多いです。

 

そんなとき、脂肪分を抑えたり、足りない栄養分を補給、腸内環境を整えるなど、普段のご飯を少し変えることで、皮膚病が改善することもよくあります。

実際、「もなか」の場合、食べ物を変えることでアトピー性皮膚炎を克服しました。

普段の食事を見直す

そもそも、犬の皮膚や被毛を作る元となる栄養素は、主にタンパク質と脂質であるため、良質なタンパク質とバランスの良い脂質を摂ることが基本中の基本です。これは別に皮膚病に限ったことではなく、ワンちゃんの健康な体を作るためには、食事で摂取する栄養分について見直すことが大切です。

このブログでもよく書いているのですが、犬は完全食であるドッグフードだけを食べていればよい、という意見を良く聞きます。特に手作り食にすると、犬が必要とする栄養分が不足することもあり、おすすめしないと。

ただ、本当にドッグフードだけ食べていて健康になれるか、一度真剣に考えてみて下さい。所詮、ドッグフードはインスタント食品にすぎません。自分の子供にインスタント食品ばかり与えている親を見て、あなたはどう思いますか?

別にすべてのドッグフードを批判しているわけではありませんが、安いドッグフードの中には品質がひどいものも多くあります。まずは、普段から愛犬に与えているドッグフードの品質が大丈夫か、チェックすることです。

ここで問題なのが、一般的なドッグフードの場合、原材料として何を使っているのかチェックすることがとても難しいことです。

一応、日本の法律でも、ドッグフードの内容成分を表示する義務が明記されており、ある程度は規制されてはいるのですが、とても怪しいのです。特に原材料に含まれている添加物などは、表示する義務さえありません。

《参考記事》 気になるドッグフードの安全性、ペットフード安全法はザル法?

評判のよい高級なプレミアムドッグフードに切り替えることもおすすめなのですが、一番コストが安く、簡単な方法は手作り食に切り替えることです。自分で材料から選択することで、どんなものをワンちゃんに与えるべきか、すべてコントロールすることができます。

手作り食というと、面倒だと思われるかもしれませんが、そんなに手間をかけなくてもおいしくて、栄養満点なご飯を作ることもできます。

《参考記事》 評判のカナガンドッグフード購入-無添加でアレルギー対策としてもおすすめ

《参考記事》 犬の手作り食で健康管理

ドッグフードだけでは足りていない栄養成分を補給する

特にアレルギー性の皮膚炎を発症しているようなワンちゃんの場合には、オメガ3系の脂肪酸が不足していることが多いです。そんなときは、普段のご飯にえごま油を少しふりかけるだけで、かなり効果があります。

《参考記事》 えごま油はアトピーに効く、アレルギー抑制効果で花粉症も大丈夫

 

その他にも、亜鉛などのミネラル類が不足することで、皮膚が荒れ、皮膚炎を発症することもよくあります。犬と言えば、みなさんカルシウムの摂取は気にされるのですが、亜鉛については意外と気にしていない人が多くいます。

もし、愛犬の肉球がガサガサしていたり、被毛がパサパサしているようであれば、亜鉛不足になっている可能性も高いです。

《参考記事》 換毛期の犬のおやつには亜鉛たっぷりな、かぼちゃの種がおすすめ

「もなか」も昔は肉球がよくガサガサになっていたのですが、かぼちゃの種をおやつに与えるようになってから、ぷにゅぷにゅの肉球に戻りました。

腸内環境を整えて免疫力を強化する

犬の皮膚病の原因としては、アレルギー、栄養不足、体質、ストレスなど色々とあるのですが、大抵の場合、皮膚の免疫力の低下や免疫細胞の異常が原因となっていることが多いのです。

免疫機能が正常に働かなくなると、普段は何でもない常在菌やその他のアレルゲンが引き金となり、皮膚に発疹ができたり、腫れたりします。ワンちゃんにとってはそれがとても痒く、ガマンできずに掻いてしまうので、症状はさらにひどくなっていきます。

そのため、皮膚病を治すためには、おかしくなっている免疫機能を正常に戻すことが一番だと考えています。

それには、腸内環境を整えることが重要になってきます。なぜなら、腸内は体の免疫細胞が一番集まっている場所でもあり、腸内環境が悪化することで、体に様々な異常が起こるためです。

《参考記事》 腸内フローラのバランスをとってアトピー、アレルギーを改善する

特に、アトピー性皮膚炎の場合には腸内環境を整えることが、病気を改善するためには効果的なのですが、その他の皮膚炎でもそれは同じではないかと考えています。

 

では、愛犬の腸内環境を整えるためには何をしたらよいかというと、それは、普段のご飯を見直すことが一番重要です。個人的には、手作り食に切り替えてあげることをお勧めしますが、ヨーグルトや納豆などの発酵食品を与えたり、腸内の善玉菌のエサとなる食物繊維を多く摂ることでも効果はあります。

《参考記事》 アトピーに効果的、ヨーグルト、納豆による腸内環境の改善

 

その他、手っ取り早く腸内環境を改善するためには、サプリメントを摂ることもとても効果があります。ただ、最近では犬用のサプリメントも色々なものが売られており、どれが良いのか迷ってしまうぐらいです。どれがよいかのか迷ったときには、以下のプロキュアがおすすめします。

なぜなら、他のサプリと比べて、500円という格安でお試しが出来る点がとても良心的で、愛犬に効果があるのか、確かめてから本格的に購入できる点がとてもよいです。

《参考記事》 腸内環境を健康に保つペット用サプリ、プロキュアを500円で試してみました

まとめ

犬の病気の中でも皮膚病は一番よくかかる病気ですが、初期には症状がそれほどひどくなかったり、飼い主が軽く考えていたり、しばらく放置してしまいがちです。

ただ、最初は軽い皮膚病であったも、そのまま放置していると、気づかない内に重症化してしまうこともよくあります。早期発見、早期治療することで、その後の治りもかなり違ってきます。

愛犬の状態を普段から良く観察し、いつもに比べてよく体を掻いている、体を何かにこすり付けているなどの症状が見られたら、愛犬が痒がっている部分を良く見てあげるようにしてください。

発疹などができていたら要注意です。

 

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