ペット保険の最大手であるアニコムでは、毎年、保険契約しているペットの統計情報をまとめた白書を発刊しています。
昨年末にも2016年版がリリースされていました。
《アニコム》 家庭どうぶつ白書2016
この白書は、このブログでもよく引用させて頂いているものです。(アニコム様、いつもありがとうございます!)
統計データなので、ちょっと読み解くのが難しいのですが、この白書を見ていると、犬、猫の品種ごとの病気の傾向、年齢ごとに罹りやすい病気などもわかり、とても参考になるものです。
今回の白書もざっと読んでみて、分かったことがあります。
それは、「人気の犬種は、医療費が安く、長生きする犬種である」という点です。
犬種ごとのランキングデータからわかること
今回、2016年の白書を見ていると色々なことがわかるのですが、その中でも今回の白書では、犬種ごとの色々な統計データが載っていました。
そのいくつかをピックアップしてみます。
年間の治療費が安い犬種
順位 | 犬種 | 平均治療費(円) |
1 | 混血犬(体重10kg未満) | 56,312 |
2 | カニーンヘン・ダックスフンド | 61,448 |
3 | トイ・プードル | 61,476 |
4 | チワワ | 65,290 |
5 | ジャック・ラッセル・テリア | 75,417 |
6 | 柴 | 76,193 |
やはり、混血犬が丈夫だというは本当ですね。ダントツで1位です。
そして、大人気のトイ・プードルが3位、我らが「柴」もなんとか6位にランクインしています。
平均寿命が長い犬種
順位 | 犬種 | 平均寿命(歳) |
1 | トイ・プードル | 15.3 |
2 | ミニチュア・ダックスフンド | 14.6 |
3 | 混血犬(体重10kg未満) | 14.6 |
4 | 柴 | 14.5 |
5 | パピヨン | 14.5 |
6 | ビション・フリーゼ | 14.4 |
平均寿命が長いということは、それだけ丈夫だということです。さっきの年間治療費ともかなり相関性があるはずです。
意外なことに、ここでも「柴犬」が4位にランクインしています。
中型犬としては、唯一のランクインなのですが、それだけ柴犬が丈夫だという証拠なのでしょう。
犬の場合、一般的に小型の方が長生きすると言われていますが、このデータから、大きさだけでなく、犬種でも平均寿命が大きく違うことがよく分かります。
人気の犬種(全年齢)
順位 | 犬種 | 割合(%) |
1 | トイ・プードル | 19.7 |
2 | チワワ | 15.9 |
3 | ミニチュア・ダックスフンド | 13.7 |
4 | 混血犬(体重10kg未満) | 6.1 |
5 | 柴 | 5.7 |
6 | ポメラニアン | 3.3 |
それにしても日本でのトイ・プードルの人気はものすごいですね。10年連続1位です。
《アニコム》 人気犬種ランキング2019発表!
《参考記事》 人気犬の種類とその特徴をランキング形式でまとめてみました
そして、我らが「柴犬」も堂々の5位にランクインしています。
日本犬ファンとしては、もっと頑張ってほしいところですが、これでも大健闘だと思います。
この3つのデータからわかること
この3つのデータを見比べると、よくわかると思いますが、どのランキングにも以下の3つがランクインしています。
- トイ・プードル
- 混血犬(体重10kg未満)
- 柴犬
このことから分かる事として、人気の犬種は、
- 年間の治療費が安く
- 長生きする犬種
であると言えます。
初めて犬を飼うときのことを思えば、当然といえば、当然のことです。
長く家族の一員となるワンちゃんが、病気ガチだと大変です。私も「もなか」を飼い始めるとき、柴犬が比較的丈夫だということは知っていました。
わざわざ、ブルドックのような遺伝的に欠陥がある犬種は進んで飼わないものです。
ただ、こうしてデータではっきり示すと、スッキリと納得できます。
家庭どうぶつ白書のデータはちょっと偏っている?
ただ、この白書は、基本的にアニコムのペット保険を契約している方々の統計情報です。
なので、データの対象となっている飼い主たち、ペットたちは、一般的なサンプルとは少し違います。どちらかというと、ペットの健康への関心がとても強く、すこしリッチな方々が多いのではないでしょうか。
それを反映してか、以前にペットの年間費用を比べたとき、他の統計データに比べて、アニコムの平均費用は飛びぬけて高かったです。
《参考記事》 犬の長寿化で生涯飼育費用が高騰、「もなか」で試算してみました
これだけ、金銭感覚が違うと、統計データにもかなり影響がありそうです。
そもそも、日本でペット保険を契約している人は、飼い犬全体の5,6%程度しかいません。その人たちのデータなので、飼い犬全体での統計データとは少し違うはずです。
《参考記事》 ペット保険の加入率がなぜ低いのか、考えてみました
まとめ
今回、アニコムさんの統計データから、以下の結論を導きました。
「人気の犬種は、年間の治療費が安く、長生きする犬種である。」
と、大げさに書いていますが、結構普通のことです。
それにしても、アニコムさんは、なぜこんな貴重なデータを無料で公開するのでしょうか?
アニコム契約の統計なので、少しバイアスがかかった情報なのですが、こんなにも大規模な統計情報は他にはなく、とても貴重な資料です。
特に、私の様な弱小ブロガーにも無料で公開してくれている点で、アニコムさんを高く評価しています。(ペット保険業界トップのアニコム様を評価するとは、何様だという感じですが。。。)
まあ、アニコムからすれば、無料でこのような貴重な資料を公開することで、社会的な影響度がマシます。さらに、様々なウェブページからのリンクも得られます。
中には、SEO(グーグル様の検索順位の最適化)的にもかなり有効な被リンクもあり、そのメリットはかなり大きいのだと思います。
アニコムでは、白書以外にもペットの先進医療研究など、様々事業に取り組んでおり、まさにペット保険のリーディングカンパニーとしての存在感はかなり大きいです。
こんな地道な努力が、ペット保険契約の獲得には欠かせないのかもしれません。