人間と同じように犬もストレスを抱え込んでいると体調が悪くなったり、病気になりやすいものです。特に最近は家で飼っているワンちゃんが多いため、運動不足から日常的にストレスが多くなりがちです。
人間のアトピー療法としてアロマセラピーが効果があると言われていますが、ワンちゃんの場合も同じように一定の効果があるとされています。ただ、人間の場合と違い、元々肉食系のワンちゃんの場合には、アロマオイルに対する耐性が低いため、濃度を高くすると逆に体調不良になったりもします。
ワンちゃんにアロマセラピーをする場合には、以下の点に注意が必要です。
- 人の場合より、かなり濃度を薄めてあげること。
- アロマの種類によってはワンちゃんに有害なものもある。
「もなか」のアトピー治療として、アロマセラピーはそれほどやっておらず、普段、気づいたときに軽くアロマを焚くぐらいでした。
それは、私自身アロマセラピーに対する知識がそれほどなかったこともあります。それでも、アロマオイルを焚いてあげていると、「もなか」もリラックスできているような気がしたので、ストレス解消にはある程度効果がありそうです。
ただ、アロマセラピーは対症療法であり、根本的なアトピーの原因を解決してくれるわけではないので、これだけでアトピーが完治するとは思えません。他の療法の補助的な役割になります。
アロマセラピーとは
アロマテラピーとも言い、アロマオイル(精油)という植物由来のオイルの芳香や成分を利用して心をリラックスさせたり、血行促進、美肌効果など色々な効能があります。
現代社会では、人間関係が複雑化する中、様々なストレスが原因で病気になる人も多くいます。アロマテラピーを行うことで、そのようなストレスから体を守ったり、アロマオイルの成分が直接的に体に作用して、健康的な体を作るための療法になります。
花、果皮、樹皮などの植物から抽出されたアロマオイルは様々な芳香成分を含んでいます。アロマオイルは脳の視床下部を刺激する効果があり、体の身体能力を高めたり、調整する効果があります。鎮静、興奮、リフレッシュ、リラックスなど色々な効果が期待できるとされています。
アロマオイルの成分は植物由来のものですが、複雑な化学物質を色々と含んでおり、その種類によって効能に大きな違いがあります。
古くは古代エジプト時代にまで遡り、ヨーロッパではハーブティーやハーブオイルなどを用いて、古くから行われてきた民間療法の一種です。
日本では、1990年代から若い女性を中心にかなり浸透しており、今では文化として根付いた感があります。
現代医学では病気の治療として外科的な手術や薬を使った西洋医学が一般的ですが、日本の針治療などと一緒で西洋医学の補助的な役割を担うものとして広く認知されています。
通常、アロマセラピーというとアロマオイルを使ったものを指しますが、日本ではお香などもアロマテラピーの一種と捉えらえています。
アロマセラピーの方法
アロマオイルが合わないワンちゃんもいるので、最初は量を少な目にして様子を見ながら徐々に量を調節してあげましょう。
また、人間の場合でもそうですが、ワンちゃんの場合には皮膚が特に敏感なため、必ず100%天然ものアロマオイルを使用しましょう。
- アロマオイルを使った芳香浴
アロマオイルを気化させ、その成分を匂うことで脳の視床下部を刺激します。人間の場合は半身浴、全身浴などのお風呂で芳香浴することで一層リラックスすることができます。ワンちゃんの場合は、アロマオイルを舐めたり、食べたりしないように気を付けてあげましょう。 - オイルマッサージ
アロマオイルをキャリアオイルで薄め、直接皮膚に刷り込んでマッサージを行うことで鼻からだけでなく皮膚から直接、体にアロマオイルが吸収されます。また、マッサージによる血流促進効果もあり、心身リラックス効果が倍増されます。ワンちゃんの場合、直接皮膚にアロマオイルを塗らない方がよいでしょう。また、ワンちゃんをマッサージしてリラックスさせてあげることでスキンシップを通したワンちゃんとのコミュニケーションで信頼関係を築くことも大きいです。 - アロマオイルの内服
内服した場合にはアロマオイルの成分が体内に吸収される割合が非常に多いので、肝臓や腎臓に負担がかかります。専門家の指導がなければ、やってはいけないものです。
アロマオイルの効果
アロマオイルには色々な種類があり、それぞれに効能が違います。
- 鎮静、鎮痛作用
- ホルモン調整作用
- 消化・食欲増進作用
- 免疫賦活作用
- 刺激作用
カモミール、ラベンダー、ローズ、マリーゴールド、ティートリーなどがアトピーなどの痒みや湿疹に効果があります。
アニマル・アロマセラピーの際に気を付けること
最近では、海外でペットの病気治療にアロマオイルを使用することが流行っていますが、それに伴いペットの中毒事故が多発しているようです。
元々、肉食動物である犬や猫は草食動物に比べて化学物質を分解する能力が低いこと、特に体の小さいワンちゃんなどでは許容量がかなり少ないため、人間の処方を安易にそのまま適用すると中毒になる可能性が高いです。
必ず人間の場合の数分の一に薄めてアロマオイルを使うようにしましょう。また、特に猫の場合には誤った療法を行うと特に中毒症になりやすく危険です。
アロマオイルの偽装問題
最近では天然のアロマオイルの生産量を遥かに上回る量が市場に流通しており、安価なオイルや合成物質を加える不正が広く行われています。
このような品質が悪いアロマオイルを使うと、治療どころか逆にその化学物質のために病気になったり、アトピーが悪化するという事態になります。
天然アロマオイルかどうかは成分を調べればすぐにわかるのですが、その装置が高価であるためごく一部の専門機関か大学の研究室にしかありません。
消費者としては、生産者や販売会社が嘘をついていないか自分で見極めることは難しいため、必ず信頼できるお店から購入するようにしましょう。