チアシードは以前にも日本で流行ったらしいのですが、ハリウッド女優も愛用していることで、去年あたりに爆発的に話題になった食品です。
チアシードは水に浸すことで、水分を吸収して10倍以上に膨張します。胃の中でも膨らむことで満腹感を得られるため、ダイエットによく利用されています。
美容やダイエット食としてとても人気なのですが、チアシードにはオメガ3系の脂肪酸であるαリノレン酸がとても豊富に含まれているので、「もなか」のアレルギー予防として活用できないかと、少し調べてみました。
チアシードとは
チアシードは、その名前のとおり、シソ科の植物であるチア(サルビア・ヒスパニカ)の種子です。原産地は南米です。
チアシードには、オメガ3系の脂肪酸であるαリノレン酸をはじめ、食物繊維、ミネラルが豊富に含まれています。
また、特徴的なのが、水にしばらく浸すとかなり膨らみ、食感がゼリー状になります。
チアシードに含まれる栄養素
チアシードで特徴的な栄養素は、αリノレン酸、ミネラル、食物繊維です。
オメガ3系脂肪酸であるαリノレン酸が豊富
1g中に0.178gとαリノレン酸をとても多く含んでいます。
ご存じの方も多いかと思いますが、αリノレン酸には、炎症を抑える作用があるため、アレルギー体質の改善にとてもよい食材です。
《参考記事》 亜麻仁油とえごま油、どちらがアレルギーに効果があるのか?
その他にも、αリノレン酸には、コレストロール値を抑えたり、脳を活性化させ、ボケ防止にも効果があるなど、よい効能がいっぱいあります。
「もなか」には毎日、えごま油を与えていますが、その代わりとしてチアシードでも十分に代用できそうです。
食物繊維がとても豊富
1g中に0.34gと食物繊維がとても豊富に含まれています。
水溶性の食物繊維であるグルコマンナン(こんにゃくの成分)を多く含んでいるため、水に浸すことで水分を吸収して10倍以上に膨れます。
食物繊維は、便秘解消や腸内で善玉菌のエサとなるため、腸内環境の改善にも最適な食べ物です。
また、水で膨らむため腹持ちがよく、太り気味なワンちゃんにとっては、最適なダイエット食となります。
ミネラル成分が豊富
被毛や肉球のケアに欠かせない亜鉛の他、マグネシウム、鉄分、カルシウムがとても多く含まれています。
チアシードには毒性があるのか
ネットで調べていると、チアシードには発芽毒という毒性があるので、「そのまま食べてはいけない」と同じような記事がたくさん見つかります。
チアシードの話というより、種子にはアブシジン酸という物質が含まれており、動物が食べると毒になるらしいのです。
アブシジン酸とは、種の発芽を抑えるための成分であり、植物にとってはとても有用な働きをする物質です。
チアシードは植物の種である => アブシジン酸が含まれているはず => 生で食べると毒となる
という理屈でした。
そして、その毒性を無毒化するために、12時間以上水に浸して発芽準備をさせる必要がある、とあります。
本当なのでしょうか???
書かれている内容を見ていると、たいていはその根拠が書いて無く、どうも誰かが書いた記事が拡散していったような印象です。
そこで、アブシジン酸の毒性について、調べてみました。
チアシードには毒が含まれているという根拠
ネットで見つかったいくつかの記事がふれていた根拠は、アメリカの研究機関が発表した論文だそうです。それによると、アブシジン酸によって、ヒト顆粒球(白血球の一種)が活発化し、その影響で活性酸素や一酸化窒素が多量に産生され、細胞を傷つけるとのことです。
その根拠が下記の論文です。
アブシジン酸には毒性がないという根拠
その一方で、「食品安全委員会遺伝子組換え食品等専門調査会」という内閣府の委員会の会合議事録では、以下の様にアブシジン酸には、毒性はないと明記されていました。
アブシジン酸は急性毒性、遺伝毒性、亜急性毒性及び発達毒性の問題はないと結論が出て おり、食品中にも遍在しているが、健康障害は報告されていないということです。
結局、アブシジン酸には毒性があるのか
上記で紹介した両方の根拠については、国立国会図書館のデータベースサイトで「アブシジン酸」の毒性について調査されていました。
《レファレンス協同データベース》 玄米について以下のことが知りたい。
ただ、発芽したらアブシジン酸が無毒化されるという根拠もよくわかりませんでした。
そもそも、チアシードを12時間水に浸すだけで発芽するのかも怪しいです。水に浸すことで、結果的にどれだけのアブシジン酸が無毒化されているのか、よくわからないです。
また、少なくとも我が家では、かぼちゃの種を生でよく食べていますが、今のところ、誰も大きな病気になったことはありません。アブシジン酸の毒性は、間接的に発生する活性酸素らしいのですが、活性酸素など通常の生命活動だけでも発生するものです。
アブシジン酸によって、どれほど大量の活性酸素が発生するのかは不明なのですが、少なくとも食品安全委員会の言うように、急性の毒性がないことは確かなようです。
結構調べましたが、残念ながらどちらの根拠が有力なのか、わかりませんでした。
個人的な見解になりますが、アブシジン酸が原因で活性酸素を発生させることはあるが、大した害はないと考えています。そんなことを言い出すと、植物には元々色々なアルカノイドが含まれており、すべての植物は動物にとって毒になります。
どんなものでも、食べ過ぎると毒になるので、チアシードもそればかりを食べることが無ければ、特に問題ないと考えています。
犬へのチアシードの与え方
犬の場合、小型犬で一日に1、2g程度(小さじに軽く一杯)を目安にしてください。
種子のため、比較的カロリーが高く、与え過ぎると肥満の原因となります。
また、種子であるため、アレルギー体質のワンちゃんには合わないこともあります。最初は少しずつ与えるようにして、下痢や便秘にならないか、チェックしてあげて下さい。
おじや、ヨーグルトと一緒に与える
おじや、ヨーグルトの場合、水分を多く含んでいるので、チアシードをふりかけのように掛けて「もなか」に与えています。
チアシードは無味、無臭なので、「もなか」の場合、何も気にせず、ガツガツ食べています。
ドッグフードと一緒に与える
ドライタイプのドッグフードの場合、それ自体が水分を吸収してしまいます。そのため、水分も一緒に吸収できるように、チアシードを水に浸してから与えた方がよいです。
- コップに小さじ一杯分のチアシードを入れる。
- 種が十分に浸るぐらいに水を入れる。
- 5分から10分待って、水分を含ませる。
- ドッグフードにチアシードをかけて与える。
もし、チアシードの毒素が心配な方は、前の晩から水に浸しておくと、毒素が抜けるかもしれません。(根拠はないですが。。。)
まとめ
さっき、「もなか」の飲み水にチアシードを入れたところ、ガツガツ食べてました。その結果、口の周りにいっぱいチアシードが。。。。
これは、失敗ですね。
結論として、チアシードにはそれほど問題視するような毒性はないです。また、ワンちゃんに与えても特に問題はありません。(ただし、与え過ぎないようにした方がよいです。)
それどころか、小さな粒に栄養がたくさん詰まったチアシードは、ワンちゃんの栄養補助食品として最適です。
値段も200gで1,000円程度とそれほど高くはないので、一回買えば、かなり長く使えます。
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最近は、犬用のチアシードも販売されているようですが、人間用との違いは特にないはずなので、人間用で十分です。
水に浸すと面白い食感なので、一度お試しください。