先日、「もなか」が久しぶりにおなかを壊してしまい、ひどい下痢になってしまいました。子犬のとき、よくおなかを壊しては、病院に行っていましたが、成犬になってからは本当に久しぶりです。
ここ数日は下痢もひどく、緩い便が続いていました。便に少し鮮血が混ざっているときもあり、少し心配です。
下痢になった初期の頃に一度吐いたのですが、その後は特に変わった様子もありません。特に病院に行くことも無く、いつもやっている下痢対策をすることで、便の状態も徐々にマシになってきているので、しばらく様子見をしている最中です。
最近、おやつやご飯をちょっと与え過ぎていたので、単純に食べすぎが原因だとは思うのですが、何かの感染症にかかったのかもしれず、よくわかりません。
単なる下痢と言ってもその原因は色々とあり、特定することが難しいことも多いです。
犬は普段から下痢をすることも多く、それほど心配する病気でもないです。軽い場合には、病院に行かなくても勝手に治ることがほとんどですが、急性の下痢の場合には脱水症状になるなど、危険な場合もあるので要注意です。
特に子犬や老犬では、下痢といっても甘く見てはいけません。
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ということで、今回は「もなか」が下痢になったとき、いつもやっている下痢の対処方法について、まとめてみました。
どんな下痢なのか、症状を見極めることが大切
単に下痢といっても、子犬や老犬の場合には体力がないため、気を付けていないと急に症状が悪化して、危険な場合もあります。
以下の点に注意して、愛犬の様子を観察してみて下さい。
- 元気、食欲はあるのか
- 下痢になったのはいつから
- 嘔吐はしていないか
- 便の回数はいつもより多いのか
- 便に出血やゼリー状の粘膜が付いているのか
- 下痢になってから体重は減っているのか
もし、愛犬がぐったりとして、元気がない状態であれば早めに病院にいくようにしましょう。
犬の下痢には大きく、「小腸性」と「大腸性」の2つがあります。
獣医さんにかかる場合、症状によって薬も違うことがあるので、獣医さんにワンちゃんの症状を説明できるよう、しっかりと状態を見極めることも大切です。
小腸性の下痢の場合の症状
1回の便の量は多くなりますが、回数はそれほど増えないことが多いです。小腸に出血がある場合には便の色は黒くなります。
小腸性の場合、腸からの栄養の吸収が落ちるため、体重が減る場合が多いです。また、口臭があったり、お腹が張っているような場合には小腸性の可能性が高いです。
大腸性の下痢の場合の症状
1回の便の量はやや少ないですが、回数が増えることが多いです。便にゼリー状の粘膜や鮮血が見られることもあります。
また、便を我慢することができず、散歩に行った途端に便を出してしまうような場合は大腸性の可能性が高いです。大腸性の場合、体重の減少はあまり見られません。
下痢になった場合、嘔吐の症状をともなうことがありますが、どちらかと言うと、小腸性の方が嘔吐することが多いです。
便が黒かったり、ピンク色になっている場合、腸内での出血を伴っているため、特に注意が必要です。
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愛犬が下痢になった原因を探る
犬が下痢になる原因は、主に次の5つがあります。
愛犬がよく下痢になる場合には、必ず何か原因があるはずです。単に食べ過ぎた、などの一時的なものであれば、それほど心配する必要はありませんが、慢性的な下痢の場合には、胃腸の病気の可能性もあるので、早めに獣医さんに診てもらう必要があります。
まずは、愛犬の下痢の原因が何なのか、把握することが下痢対策の第一歩です。
食事によるもの
犬の下痢で一番多いのが、食べ物による下痢です。愛犬がおねだりするからと言って、ついついご飯やおやつを与え過ぎたりしませんでしたか?
特に犬は人間比べて消化器官がそれほど発達していないこともあり、消化の悪いものを与え過ぎると、下痢になることが多いです。特に胃腸が弱いワンちゃんの場合、ドッグフードを替えた、いつもと違うおやつを与えたなど、ちょっとしたことでも下痢になることがよくあります。
また、牛乳など犬が消化しにくいものを食べた場合や、食物アレルギーによっても下痢になります。当然、腐ったものを食べると下痢になりやすいので、お散歩での拾い食いには注意してあげてください。
普段から胃腸が弱いワンちゃんの場合、たいていは腸内細菌のバランスが悪化していることが多いです。
犬の場合、肉食中心の食事のため、どうしても腸内環境が悪化しやすいのです。このため、腸内環境を整えるために、普段から少しずつ発酵食品を取ると良いです。
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ストレスによるもの
食事の量が足りない、飼い主とのスキンシップが少ない、お留守番が多いなど、ちょっとしたことでもストレスを感じるものです。
引っ越しやペットホテルに預けるなど、普段と違う環境に置かれることでも強いストレスを感じ、下痢になるワンちゃんもいます。また、活発なワンちゃんの場合には運動不足でもストレスを感じることがあります。
無駄吠えをよくする、足を舐め続けている、自分のシッポを追っかける、などの異常行動が見られる場合には、ストレスが溜まっている兆候です。
また、ストレスが溜まってくると、そのストレスに対抗するために体内では抗ストレスホルモンと言われる各種ホルモンが合成されます。そのホルモンを合成のためにたくさんのビタミンCが消費されます。
そのため、ストレスが大きいワンちゃんの場合には、ビタミンC不足になることで体の免疫力が落ち、感染症にもかかりやすくなります。
愛犬がストレスをため込んでいないか、普段から愛犬の様子をよく観察することも大切です。もし、そのような兆候が見られたら、いつもより愛犬とのスキンシップを増やすなどして、愛犬の不安を取り除いてやることも重要です。
《参考記事》 犬マッサージは愛犬の体調管理と信頼関係構築に最適な方法
ウィルスや細菌による感染症
犬パルボウイルス感染症などの感染症にかかると、激しい下痢と嘔吐が見られます。
感染性の種類にもよるのですが、特に体力があまりない子犬や老犬の場合には、命の危険もある怖い病気です。ウイルス感染症はワクチン接種で防げるものもあるので、毎年の混合ワクチン接種もした方がよいです。
《参考記事》 混合ワクチンは本当に年1回接種する必要があるのか
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ただ、ワクチンを接種したからといって必ず抗体ができるわけではなく、また半年も持たないものもあります。特にレプトスピラ感染症などはその原因菌の数が多いのですが、ワクチンに入っているものは2,3種類だけです。
そのため、感染症の予防の一番の対策は、体の免疫力をアップさせることです。犬の場合でも、体が弱って、免疫力が低下していると、感染症にもかかりやすくなります。
犬も人間と同じように、規則正しい生活や適度の運動、抗酸化力が高いビタミン類を多く摂取することで、免疫力を高めることができます。
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胃腸の病気によるもの
胃腸の病気によっても慢性的な下痢の症状が見れらることがあります。
犬は比較的、我慢強い動物です。しかも、野生の習性も強く残っていることから、自分のちょっとした体調不良は周りに隠そうとします。
飼い主であっても、愛犬の行動をよく観察していないと、ちょっとした体調不良に気付かない場合も多いのです。
そのため、知らない内に愛犬の病気が重症化することもよくあります。
その点、下痢の症状はとても分かりやすい病気のサインになります。もし、下痢の症状がひどい、頻繁に下痢を繰り返す、なかなか下痢が治らない、など、原因が特定できない下痢の場合には、一度病院で診察してもらった方がよいです。
寄生虫が原因のもの
犬回虫などの寄生虫に感染することで、慢性的な下痢の症状になることがあります。
また、症状がひどくなると、寄生虫が腸に詰まってしまうことで腸閉塞になる場合もあります。寄生虫に関しては、病院で検査しないとわからないため、慢性的な下痢が続く場合には、一度病院で検査してもらいましょう。
下痢になったときは、特に水分補給をしっかりとする
下痢の症状がひどい場合、水分をどんどん失って、脱水症状になることがあります。
このため、下痢のときには水分補給に十分気を付ける必要があります。
下痢だから水分を取らない方がよいと、よく勘違いしがちですが、逆です。下痢で出してしまった水分を補給してあげないとダメです。
下痢でどんどん水分が出るようであれば、どんどん水分を取らせるようにしましょう。
首のうしろ部分の皮を引っ張ってみて、すぐに戻らないようであれば、脱水症状の兆候なので、気を付けてあげてください。 ただし、下痢で失った水分を補給する際、単に水を飲ませるだけでは電解質の補給ができません。
水分補給には経口補水液(食塩とブドウ糖を水に溶かしたもの)が最適です。
最近では、人間用の経口補水液であるOS-1がかなり有名になって、どこのドラッグストアでも販売されています。人間用ですが、犬に与えても問題はありません。(ただし、人間と犬では体重差がかなりあるので、与える量には注意してください。)
また、自分でも簡単に経口補水液を作ることができるので、やってみたい方は以下の記事を参考にしてください。
《参考記事》 犬が脱水のとき、人用の経口補水液(OS-1)を与えても大丈夫?
犬の下痢はお薬で止めた方がよいのか
最近ではネットでもペット用の下痢止めのお薬もたくさん売られています。
ただ、ひと口に下痢止めといっても、お薬のタイプには色々とあり、以下のような種類があります。
- 腸内を殺菌するもの(正露丸など)
- 腸内のぜん動運動を抑制するもの
- 腸内の壁に付着して炎症を抑えるもの
- 整腸剤として善玉菌を増やすことで腸内環境を改善するもの(ビオフェルミンなど)
どんな種類のお薬を与えたらよいのでしょうか。
そもそも、下痢というのは、体の生理反応として、体に入った病原菌を排出しようとする場合にもなります。そんなとき、お薬で下痢を止めてしまってもよいのでしょうか。
ネットで売られているペット用の下痢のお薬について、ちょっと調べてみました。
ペット用の下痢止め剤はほとんどがタンニン酸ベルベリン
ざっと調べただけなのですが、整腸剤系以外で、ペット用の下痢止めととして売られているものは、ほとんどが「タンニン酸ベルベリン」という成分を主成分としたものでした。
人間用で言えば、「ビオフェルミン止瀉薬」「ストッパ下痢止めEX」などになります。
「タンニン酸ベルベリン」という成分は、腸内で「タンニン酸」と「ベルベリン」に分かれ、それぞれ違う働きをします。
- 「タンニン酸」の働き
腸の粘膜に付着して、炎症を抑えるとともに、腸のぜん動運動を緩やかにします。また、分泌液が腸内へ浸透することを妨げるため、腸内の水分を減らします。 - 「ベルベリン」の働き
殺菌作用があり、腸内での細菌増殖を抑える働きがあります。
この種類のお薬の副作用として、特に重大なものは報告されていませんが、便秘気味になることがあるそうです。
病原性の腸炎に下痢止めは逆効果
ただし、このような下痢止め剤は、病原性の腸炎の場合には、ほとんど効果がありません。
それどころか、逆に腸の運動を抑制することから、腸内の病原菌を排出できずに症状が悪化することもあります。
そのため、下痢の原因が分からない状況で安易にお薬に頼らない方が良いです。もし、お薬を使うならビオフェルミンなどの整腸剤程度にしておいた方が無難かと思います。
犬が下痢のときの食事はどうしたらよいのか
ワンちゃんが下痢をする原因は色々とあるのですが、ほとんどは、食べ過ぎ、ストレスから来る胃腸の疲れ、感染症による一時的な下痢の場合がほとんどです。
そんなとき、ワンちゃんが元気であれば、半日から1日程度絶食して、胃腸を休めることが下痢対策として一番効果的です。
普段から愛犬の様子や便の状態をよく観察することで、症状が軽いうちに対策すると治りもかなり早いです。
1.まず、半日から1日程度ご飯を抜いて、胃腸を休める
下痢の症状があるということは、胃腸が弱っている証拠です。そんな状態で食事をさせても、胃腸を刺激するだけで、余計に症状がひどくなるだけです。下痢になったら、食事を抜いて胃腸を休ませることが基本です。
特に、食べ過ぎや感性症胃腸炎には絶食が効果的です。
ただし、水分補給にだけは気を付けてあげてください。
2.整腸剤で胃腸を整える
胃腸が疲れている場合には、人間用の整腸剤であるビオフェルミンをワンちゃんに与えて、腸内環境を整えることも効果があります。
ビオフェルミンは人間用ですが、ワンちゃんに与えても問題はないです。(ただし、ワンちゃんの体重に合った量に調整してください。)
心配な人は、犬用の整腸剤も売っています。良く下痢をするワンちゃんの場合には、これを常備して置くのもよいです。「もなか」の場合も、昔は下記のドッグB&Sをよく飲ませていました。
さらに、胃腸を強くするためには、下記のサプリメントが評判も良く、おすすめです。特にとても安い値段で、お試しが出来る点が気に入りました。お試し期間も他のサプリと比べてとても長いので、愛犬に効果があるのか、じっくり確かめることができます。
《参考記事》 腸内環境を健康に保つペット用サプリ、プロキュアを500円で試してみました
3.絶食後は、少しずつ食べ物を与える
できるだけ消化のよい食べ物を少しずつ、与えるようにしましょう。
《参考記事》 愛犬の胃腸が疲れたときは葛(くず)でケア-下痢のときの食べ物としてもOK
普段、手作り食を与えている場合には、脂肪分が少ない鶏のササミをメインに、消化によい野菜(キャベツ、大根、人参、イモ類など)を細かく刻んだものを煮込んだ、「おじや」がおすすめです。おじやを作ってからミキサーにかけて流動食にすると、さらに消化しやすくなります。
《参考記事》 愛犬のための「鶏肉と野菜たっぷりおじや」-栄養たっぷりで簡単調理
普段、ドッグフードを与えて利る場合には、ドッグフードをお湯に浸して少し柔らかくし、様子を見ながら少しずつ与えるようにします。
どちらの場合にも、大根、りんごなど整腸作用のあるものを摩り下ろしてかけてあげると、自然な下痢止めとして効果的です。
また、普段から適度な食物繊維を取ることは慢性的な下痢にとても効果があります。食物繊維は腸内で善玉菌のエサとなったり、水分を吸収して便を固める作用があるため、腸内環境を整えてくれます。
※最近、「もなか」が下痢になると、我が家では「さつま芋」を茹でてペースト状に潰したものに、「りんご」を摩り下ろして混ぜたものを与えています。(りんごが無い時は100%のりんごジュースでもOK)
どちらも食物繊維が豊富なので、腸内の余分な水分を吸収し、便を固めてくれる効果があります。「もなか」の場合、1,2回この食事に切り替えるだけで、軽い下痢は撃退できています。よかったらお試しください。
どのような症状の場合に、病院に行くべきか
「もなか」が子犬のとき、下痢になると、同時に血便になることが多かったです。
うんちに鮮血がついていると、当時はびっくりして、すぐに病院に連れて行ってました。ただ、いつも、下痢止めのお薬と療法食をもらってくるだけでした。いつも、お薬を飲んでしばらくすると、症状がすぐに改善し出します。
犬の場合、下痢で血便が出ることもよくあるようで、今ではそれほどびっくりすることもなくなりました。
「もなか」が成犬になってからは、下痢になることもあまりなくなったのですが、少しぐらいひどい下痢であっても、「もなか」がぐったりしていなければ、病院に行かなくなりました。
そんなときは、「もなか」の状態を注意深く観察し、元気があるなら、とりあえず1日の絶食と十分な水分を与えることで様子を見ることにしています。
一般的には、嘔吐や発熱がなく、ワンちゃんも元気な場合には、一過性の下痢であることが多いです。下痢の症状も2,3日で治まることが多いので、しばらく様子をみても問題ないです。
命の危険があるような怖い感染症の場合、下痢や嘔吐の症状がひどくなり、発熱を伴うことが多いです。また、ワンちゃんも元気がなくなり、ぐったりとなります。
特に抵抗力が弱い子犬や老犬の場合には、急に症状が悪化することもあるので、ワンちゃんの状態には注意が必要です。下痢の症状がひどく、元気がない場合には、すぐに病院に連れて行ってあげましょう。
また、胃腸の病気によって、慢性的に下痢を繰り返すこともあります。下痢の症状がひどくなくても、慢性的に下痢を繰り返すような場合には、一度病院で原因を特定してもらった方がよいです。
まとめ
犬を飼い始めた最初の頃は、愛犬がちょっと下痢をしただけでもすごく心配になるものです。
特に子犬のときには胃腸が弱い子も多く、何かと下痢をしやすいです。また、アトピーや食物アレルギーのワンちゃんの場合には、腸内環境が悪化している子も多く、よく下痢をします。
長く犬を飼っていると、愛犬の下痢にも徐々に慣れてくるとは思いますが、心配な場合は病院に行って獣医さんに相談するのもよいかと思います。
「もなか」も、子犬のときにはよく下痢をしていました。「もなか」の場合は、アトピーを発症したこともあり、普段から腸内環境を整えてあげることをいつも気にしていました。
特に食べるものには注意していたおかげもあってか、今ではほとんど下痢になることもなくなりました。よく下痢をするというワンちゃんの場合、基本的な食事から見直すとよいかもしれません。
《参考記事》 犬の食べ物
また、下痢だけでなく、嘔吐の症状がある場合には、以下の記事も参考になるかと思います。
《参考記事》 犬が吐いたときの対処法-嘔吐したものからその原因を探る