《参考記事》 ペット保険市場で競争が激化-生き残る会社を見極めるには
ペット業界としては、一時期のペットブームも落ち着き、犬の飼育数だけを見れば、ここ4年で約200万頭も減少しています。飼育数だけで見れば、かなりジリ貧な感じです。
《参考記事》 犬の飼育数の減少傾向が止まらない、その原因とは?
とはいえ、ペット先進国のイギリスなど欧州諸国に比べると、日本でのペット保険の加入率はまだまだ5%程度とかなり低く、潜在的な需要からすると、ペット保険にはまだかなりの成長余地があります。
詳しくは以前に書いた記事も参考にしてください。
《参考記事》 ペット保険の加入率がなぜ低いのか、考えてみました
また、最近のペットの長寿化や医療の高度医療化に伴って、ペットの医療費がかなり高額になってきています。それもあって、少し前に比べると、ペット保険に加入する人もかなり増えており、ペット保険業界としては好景気なようです。
そんなペット保険業界ですが、保険会社によっては業績にかなりのバラツキがあり、好景気にも関わらず減益しているところもチラホラある状況でした。
ペット保険各社の平成27度の決算状況
保険 会社 | 保険料 収入 | 経常利益 | 会社業績 |
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アニコム | ○ 契約数が58万5,962件、前年比7.6%増と絶好調。また、2014年からの保険料改定の効果で収益率が大幅アップしたことで、好決算となっている。 |
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アイペット | ○ 契約数は24万9,330件、前年比27%も伸びており、前年の赤字から脱却。保険料収入が27.7%増と大幅に増えており、株式上場のウワサもあり。 |
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au損保 | ○ 前年からの保険料収入の伸びがなく、逆に保険金支払いが増えたことで利益が激減。ペット保険の割合は良くわかりません。 |
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ペット&ファミリー | × 保険料収入が伸びて業績は上向きであるが、依然として赤字決算である。 |
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日本アニマル倶楽部 | ○ 増収、増益で好調。 |
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もっとぎゅっと | △ 保険料収入が2桁の伸びであるが、保険金支払いと事業費がかさみ減益となっている。 |
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ペットメディカルサポート | △ 保険料収入の大幅な増収で、黒字化まであと一歩。 |
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アクサダイレクト | △ 保険料収入が伸びているが、業績に占めるペット保険の割合はかなり低い。 |
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ガーデン | 27年度の決算公告がまだ掲載されていない | ちなみに去年は保険料収入が増えて、赤字幅が減少。 | |
ペッツベスト | 27年度の決算公告がまだ掲載されていない | ちなみに去年は保険料収入が増えて、赤字幅が減少。 | |
FPC | 決算公告の掲載なし? |
※財務状況はあくまで私の個人的感想を○、△、×で表しただけです。正確には各社が開示している決算情報を参照してください。
まとめ
ペット保険業界は、保険料収入の規模で見ると、アニコムが50%程度、アイペットが20%程度と、この2つの会社でほぼ7割を占めており、大手2社による寡占状態です。
前回、決算内容を調査したときも感じたのですが、やはりアニコムやアイペットなどの大手会社はIR情報もしっかりしており、決算公告だけでなく、ディスクロージャー情報を充実し、その安心感はかなり違いました。
今回調査した中で、規模が小さいペット保険会社では、決算情報の掲載も遅れがちだったり、中には決算広告が見つからないものもありました。確か、会社法では、株式会社は決算広告する義務があるはずなので、どこかで公開している?(官報公告や新聞広告しているとは思えないのですが。。。)
決算公告ひとつみても、やはり小さい会社の場合には不安が見え隠れしてしまいます。
本来、保険業法では、たとえ少額短期保険業者であっても、事業報告書やディスクロージャー誌などによる情報開示を義務付けられています。しなしながら、小さい会社ではあまり行われていないのが実状のようです。
《参考ページ》 少額短期保険業とは
ペットの寿命もかなり延びおり、愛犬の老後の医療費について心配している人も多いかと思います。折角、子犬のときからペット保険に加入していても、途中で保険会社が倒産してしまったら、何の意味もありません。
特にペット保険では、新規加入に対してペットの年齢制限があるため、高齢になってから他のペット保険に切り替えるのも難しくなります。
ペット保険を選択するときは、保険の補償内容や保険料だけでなく、その会社の経営状況も良くチェックしておくべきです。特に経営状況の悪い会社では、保険金請求時の審査も厳しくなりそうで、少し心配になります。