「SBIいきいき少短のペット保険」は、割り切った人意外にはオススメしません

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SBIいきいき少額短期保険会社から新しいペット保険が発売されていました。元々、生命保険や医療保険を扱っていた会社で、ペット保険の取り扱いを始めたのは2017年9月からとつい最近です。

この会社は、「いきいき世代」という医療共済を扱っていた会社を、2013年にSBIグループが買収、SBIグループとなった会社です。

このペット保険は出来て1年も経っていないため、口コミや評判はまだまだ少ないのですが、「手ごろな保険料で、大切なペットを守ります。」と、保険料の安さを一番の売りにしています。

Webで大々的に宣伝している内容では、「小型犬・2歳・50%補償・免責金額ありプラン」だと、なんと月々の保険料が630円(WEB割引後)だそうです。

確かに、これは安いです。

この値段なら気軽にペット保険をかけてみようかと、思う人も多いのではないでしょうか。

ということで、今回は「SBIいきいき少短のペット保険」について、よい点、悪い点についてまとめてみました。

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「SBIいきいき少短のペット保険」の特徴とは

最初にも書いたのですが、このペット保険の売りは、なんといっても「お手ごろな保険料」です。

保険料だけを見てみると、確かにかなり安いです。

また、最近流行りのライトプラン設定もあり、免責金額がある代りにとても保険料が安いです。

ペット保険プラン

ペット保険のプランはとてもシンプルで、4種類があります。

どのプランでも、通院、入院、手術を補償対象としており、一般的な50%補償と70%補償の2種類があります。

また、スタンダードの他にも、ライトプランとして一日あたりの支払に免責金額が設定されているプランがあります。この免責金額というのは、一日の保険金支払いが5000円(50%補償)、7000円(70%補償)を超えない限り、保険金がおりないという免責事項が付いたものです。

補償割合 免責金額 支払限度額 支払限度回数
プラン70スタンダード 70% なし 70万円/年 無制限
プラン50スタンダード 50% なし 50万円/年 無制限
プラン70ライト 70% 7000円/日 70万円/年 無制限
プラン50ライト 50% 5000円/日 50万円/年 無制限

最初にご紹介した月630円はこの「プラン50ライト」です。

ただし、一日の免責金額が5000円となっており、1万円以上の治療費でないと、1銭も保険金がおりません。このため、通院を補償しておりますが、ちょっとした治療ではまったく保険金が出ない保険となります。

同じような免責金額が設定されている保険としてペッツベストがありますが、あちらは1傷病についての免責金のため、考え方が全く違います。

《参考記事》 ペッツベストのペット保険は補償は厚いが免責事項にはご注意!

この免責金額設定はかなり強烈で、実質的に、高額な治療費だけを補償するプランとなるので、入院手術のみを対象とするプランと同じと考えた方がよいかもしれません。

1日の支払限度額、年間での支払限度回数はない

年間での支払い限度額が少ない点は気になるのですが、支払い限度回数が無制限となっている点や、1日の上限額が設定されていない点は、とても使いやすいペット保険だと思います。

支払い限度回数が年間で20回などと決められていると、少しぐらいの診療費では使わないようにしようかなどと、余計なことを考えてしまいがちです。

最近では、年間の支払回数制限や、一日の上限金額設定がないペット保険も増えてきており、ペット保険を選ぶ際の選択基準の一つとして考えてもいい項目です。

保険料の圧倒的な安さ

保険料の料金テーブルはとてもシンプルで、3歳ごとに値上がりしていき、12歳以上では一定額となります。ペット保険あるあるでよくある、子犬のときにはとても安いペット保険だったが、高齢になるつれてドンドン値上がりしていくということもないです。

ペットの長寿化はどんどん進んでおり、今では平均で15歳まで生きるため、高齢時の保険料の値上がり率はかなり重要なポイントとなります。

また、ペット保険をWEBで申し込むことで保険料の10%割引があります。この割引は保険を継続している限り、毎年の保険料にも適用されるため、とてもお得な割引です。

 

ということで、いつものように柴犬の愛犬「もなか」が、0歳から15歳までずっとペット保険に加入したケースについて、保険料をシミュレートしてみました。

他と比較するため、50%補償で免責金額がない「プラン50スタンダード」で比べてみたところ、なんと、トータル金額が46万9,305円で、FPC保険についで業界で2番目に安いという結果になりました。

詳細は、以下で確認してみて下さい。

《参考記事》 ペット保険は生涯で支払うトータル保険料で比較すべき

この結果から、ペット保険料は業界でもかなり安い方ということがよく分かります。さすがに「お手ごろ」価格を売りにするだけのことはあります。

「SBIいきいき少短のペット保険」の補償内容について

このペット保険の重要事項説明を確認してみて、少し気になる点がありました。

それは、免責(保険金がおりない)となる病気が多い点です。約款では、以下のケースで保険金が支払われないとありました。

保険金をお支払いできない場合として、当社が定めている費用

  • 停留睾丸・膝蓋骨脱臼・臍ヘルニア・鼠径ヘルニア・椎間板ヘルニア
  • 歯科治療・口腔外科治療
    ※ケガの治療目的で行われる場合はお支払いの対象となります。

犬種によっても大きく違うのですが、膝蓋骨脱臼、ヘルニア、歯科治療はワンちゃんにとても多い病気です。

《参考記事》 異物誤飲、歯科医療、膝蓋骨脱臼を補償してくれるペット保険はどれ?

これら、保険請求が多そうな病気を免責事項とするのは、安いペット保険の特徴となります。保険料が安いということは、それだけ保険金支払いを抑えないと利益が出ないからです。

当然、保険請求が多い病気や、治療費が高くつく病気は免責事項にした方が利益率がよいのです。

ただ、これだけ免責事項が多いと、契約更新時の免責事項追加や、他にも異物誤飲などが免責事項になってしまわないかと、ちょっと心配になります。

当然、約款には、契約更新時の免責事項追加や契約自体を更新しない場合があることが明記されております。また、飼い主の「重大な過失」も免責事項になることが記載されていました。(どのペット保険にも書いてあるのですが。。。)

このあたりまで安心して補償してもらおうとすると、やはり、アニコムやアイペットなどの大手の方が安心です。その分、保険料もお高いです。。。

「SBIいきいき少額短期保険会社」はこんな会社

ペット保険会社はどこも同じなのですが、ここも2002年創業と比較的若い会社です。

元々、「いきいき」という雑誌から生まれた医療共済だったようです。その後、保険業法の改正により、少額短期保険会社となり、2013年にはSBIグループに買収されました。

決算報告書を見る限り、かなり昔から黒字決算となっており、規模は小さいながらも、安定した黒字経営の会社のようです。

SBIというと、説明するまでもなく、あの有名な北尾さんが作った会社で、ネット証券最大手です。北尾さんと言えば、ホリエモンとも昔から仲が悪いことが有名で、少し前にもぼろ糞に言われておりました。

《参考》 ホリエモン「マジこいつクソ」とSBI社長・北尾吉孝氏を糾弾に称賛? 10年以上前の「因縁戦争」終わらず?

《参考》 ホリエモンとSBI北尾吉孝の関係が不仲過ぎ!カス発言の真相は?

正直なところ、個人的には「SBIか。。。」という印象です。

「SBIいきいき少短のペット保険」について、ネットでの評判、口コミを調べてみました

「SBIいきいき少短のペット保険」の良い評判

まだありませんでした。

「SBIいきいき少短のペット保険」の悪い評判

  • 電話対応があまり良くない。
  • 契約更新時の免責事項追加基準については、まだ決まっていない?と回答されたという口コミが数件あり。

口コミに関する総評

出来て半年ということもあり、ネットでの口コミはほとんどありませんでした。

 

ただ、契約更新時の免責事項追加や契約解除について気になることが書かれていました。

複数の方が電話で確認されたところ、まだ基準が決まっていないとの回答があったと書き込みがありました。

これが本当かどうか分かりませんが、ちょっとマイナスな感じです。

「SBIいきいき少短のペット保険」はこんな人におすすめ

  • 少々の免責事項は仕方がないとして、できるだけ保険料を安く抑えたい人
  • 保険料の安さと引き換えに保険金請求の面倒はガマンできる人
  • ライトプランで高額となる手術費用を最低限、補償しておきたい人

会社概要

  • 会社名:SBIいきいき少額短期保険株式会社
  • 業種分類:少額短期保険業
  • 上場先:非上場
  • 資本金:3,600万円
  • 保険収入:27億9800万円
  • 経常損益:1億5700万円
  • ソルベンシーマージン比率:3130.7%
  • 従業員数:53名

平成29年 6月14日  現在

少額短期保険業者であるため、大手に比べると従業員も53人と小さな会社です。

ここ数年の決算報告書を確認したのですが、利益は少ないものの、しっかりと黒字経営となっておりました。元々、死亡保険や医療保険をメインに取り扱っている会社です。SBIグループということもあり、ここ数年は契約数が安定して伸びているようです。

まだ、ペット保険の取り扱いを始めたばかりなので、データはありませんが、今年の決算報告をしっかり確認したいと思っています。

また、この手の少額短期の会社としてはめずらしく、しっかりとしたディスクロージャー資料がWebに掲載されており、好印象でした。さすが、SBIグループといった感じです。

ざっと見た限り、黒字経営でソルベンシーマージン比率もそれなりに高く、SBIグループということもあって、会社基盤は安定しています。

まとめ

今回、「SBIいきいき少短のペット保険」について調査してみました。

第一印象どおり、とても保険料の安いペット保険なので、保険料を規準に考えるなら、候補の一つになると思います。

ただ、このペット保険には免責事項も多く、特にライトプランにはちょっと注意が必要です。

 

まだできたばかりのペット保険ということもあり、1年もなっていないため、口コミもほとんどありません。このペット保険の評判はこれからといった印象です。

ペット保険の場合、終身保険といっても基本的には1年更新のため、契約更新時の免責事項追加など、更新時にもトラブルが多いです。そのため、評判ももう少し経ってからでないと実際のところはよく分かりません。

今のところは、私は静観といったところです。

 

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