少し前から、うちの奥さんが貧血予防にと、かぼちゃの種をおやつに食べているのですが、お茶の時間になると、ちゃっかり「もなか」もご相伴にあずかっています。
かぼちゃの種にはたくさんの栄養が含まれており、捨てるのがもったいないぐらいなのだそうです。それはそうですよね、種子は植物が成長するための養分がたっぷり詰まっており、動物で言えば、卵と同じです。
犬にナッツ類がダメ!とよく言われるので、かぼちゃの種なんて、大丈夫なのと思っている方もいるかと思います。かぼちゃの種には毒性もないので、少量であれば特に問題となることはありません。
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かぼちゃの種には、特に犬の毛づやには欠かせない亜鉛などのミネラルが豊富なため、これからの換毛期の被毛の生え変わりにはとても良いおやつになります。
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「もなか」に種をあげると、器用に奥歯で噛み砕いておいしそうに食べます。種子なので脂肪酸が多く、食べるとほんのりと甘味があります。ポリポリとした食感がよいのだと思いますが、「もなか」のお気に入りのおやつになっています。「もなか」の場合、細かく砕くこともなく、そのまま与えているのですが、ウンチに出てくることもなく、きれいに消化されているようです。
換毛期の犬にはたっぷりの亜鉛が必要
実は、犬の場合、人に比べてたくさんの亜鉛を摂取する必要があることを知っていましたか?
日本人の食事摂取基準では、亜鉛の推奨量は成人男性で12mg/1日なのですが、それに比べて犬の場合には0.9mg/1kg・日が必要と言われています。
これは、体重10kgの犬の場合で、一日に9mgも必要ということになります。人間と犬の体重差を考えると、如何にたくさんの亜鉛を摂らないといけないかが、わかると思います。
うちのワンちゃんは総合栄養食であるドッグフードを食べているから安心、と思っている人が多いのですが、実は知らないうちに亜鉛不足になっているワンちゃんが多いのです。
それは、亜鉛の場合、穀類やカルシウムなどと一緒に食べるとその吸収が阻害されてしまうことがあり、実際にどのぐらい亜鉛が吸収できているのかは、ワンちゃんの個体差にもよるのです。このため、ドッグフードには亜鉛が含まれていても、亜鉛が足りているのか、どうかはワンちゃんによって違ってきます。
また、手作り食の場合はもっと気を付ける必要があります。肉、穀類、野菜をバランスよく組み合わせても、ワンちゃんに必要な亜鉛の量が足りていないことも多いのです。
愛犬が亜鉛不足になっていないか、簡単にチェック
愛犬が亜鉛不足になっていると、比較的分かりやすい症状が出てきます。
愛犬について、以下の点をチェックしてみて下さい。
- 被毛に艶がない、毛の色が薄くなってきた
- フケが出やすい
- 最近、体をよく掻いている
- 肉球が硬くなっている
- マズルや鼻がカサカサになっている
- ケガをしたときの治りが遅い
どうでしょうか?
いくつか心当たりがあれば、ワンちゃんが亜鉛不足になっている可能性が高いです。亜鉛は、皮膚や被毛の新陳代謝に大きく関わっており、不足することで皮膚病や脱毛、爪の異常などを引き起こします。
特に換毛期のワンちゃんの場合、被毛が生え変わるためにはいつも以上の亜鉛が必要となります。
必要な亜鉛を補給するには?
亜鉛を多く含む食品は、豚レバー、牡蠣、チーズ、煮干し、そしてかぼちゃの種です。
特にかぼちゃの種には亜鉛が豊富に含まれており、100g中に7.7mgにもなります。亜鉛を多く含む食材の中でもこの含有率はトップクラスになります。
亜鉛不足のワンちゃんには、かぼちゃの種や煮干しをおやつとして与えると、最適です。
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前は、ローストしたかぼちゃの種を買っていたのですが、生のままの方が圧倒的に栄養素が多く含まれているため、最近では生のものを買うようにしております。生でも十分においしく、おやつに最適です。
ただ、安いものは原材料が中国なので、少し心配なのですが。。。。
かぼちゃの種の何がそんなにすごいのか
かぼちゃの種は昔からヨーロッパ(ドイツなど)で、尿の出が悪い頻尿や前立腺肥大の予防など尿関係のお薬として使われてきました。また、漢方では南瓜仁(ナンカニン)という名称で、条虫(さなだむし)などの寄生虫の駆除や膀胱周辺の炎症を抑えて尿の出を良くするお薬として使われています。
かぼちゃの種には、タンパク質、脂肪酸の他、ビタミン類、食物繊維、ミネラルを豊富に含んでおり、とても栄養が豊富な食材です。また、リグナンというポリフェノールの一種が含まれており、ホルモンのバランスを整えることで、更年期障害や尿関係の病気に効果があるそうです。
人間の場合ですが、一般的にかぼちゃの種を食べると、以下のような効果があると言われています。
- 頻尿、失禁、残尿感などの尿関係の障害を軽減
- 前立腺肥大の予防
- めまいや貧血予防
- ホルモンバランスを整えることで母乳の出をよくする。
- 抗酸化作用による老化やがん予防
ワンちゃんにも尿関係の効果があるのかは、わからないのですが、それ以外にもかぼちゃにはミネラルがとても豊富に含まれています。特に、鉄、亜鉛、マグネシウムが豊富なのですが、この中で、亜鉛はワンちゃんにとってとても重要な栄養素なのです。
かぼちゃの種の食べ過ぎにはご注意!
かぼちゃの種には脂肪酸であるリノール酸が多く含まれています。
リノール酸には血中コレステロールや中性脂肪値を減らす働きがあるのですが、取り過ぎると逆にアレルギーやがんの原因となります。現代人(犬も)にアトピーやアレルギー持ちが増えた原因の1つは、リノール酸などのオメガ6系の脂肪酸を取り過ぎているからだ、と言われています。
オメガ6系の脂肪酸であるリノール酸は、アレルギー促進や炎症促進作用がある悪性エイコサノイドという物質の原料となるからです。
《参考記事》 えごま油はアトピーに効く、アレルギー抑制効果で花粉症も大丈夫
また、かぼちゃの種は脂肪分を多く含むため、100gで574kcalとかなり高カロリーです。このため、食べ過ぎると肥満の原因となります。特にワンちゃんに与える場合には、体重によるのですが、1回あたり数個程度にしましょう。
いくら体に良いと言っても、どんなものでも食べ過ぎはよくないということです。
まとめ
もうすぐハロウィンの時期です。この時期、かぼちゃを食べる機会も多くなるかと思います。そんなときには、かぼちゃの種を捨てずに一度、ワンちゃんと一緒に食べてみてはいかがでしょうか。
一番簡単な調理法は、焦げ目が軽くつくぐらい炒って、殻を割るだけです。かぼちゃの種には色々なレシピもあるようなので、色々と試してみて下さい。
《参考》 かぼちゃの種のレシピ
あと、小型犬の場合、ワンちゃんにそのまま、かぼちゃの種をあげると飲み込んでしまうかも、と心配な方は、ミキサーで粉にして、ごはんに混ぜると食べやすく、消化にも良くなります。