うちでは、よくブロッコリーを茹でたものを食べるのですが、「もなか」もブロッコリーは大好きでちゃっかりとお裾分けをもらっています。
ブロッコリーはカロリーも低くて、太り気味の「もなか」にちょうどよいおやつになります。
「もなか」の場合、花(花蕾)の部分でも、茎の部分でも、喜んで食べるのですが、どちらの部分もブロッコリーは栄養価がとても高く、犬にとってもおすすめの野菜です。
海外では、生でサラダとして食べることも多いそうですが、ワンちゃんの場合には、消化しやすいように加熱して柔らかくした方がよいです。
今回は、ブロッコリーを愛犬に与える場合に気を付けることがあるのか、調査してみました。
まずはブロッコリーの歴史から
ブロッコリーはケールやキャベツと同じアブラナ科アブラナ属の緑黄野菜で、ご存じのように花芽を食べます。
原産地は地中海沿岸で、キャベツの一種を品種改良して作られたと言われています。古くはローマ時代からイタリアを中心に食べられていたようです。
ちなみに似た形の野菜として、真っ白なカリフラワーがありますが、こちらも同じアブラナ科の野菜です。元々、ブロッコリーは明治の頃にカリフラワーと一緒に日本へ入ってきました。
ただ、ブロッコリーは収穫後、低温保存しないと、すぐに変色が進んでしまうため、当時の技術では長期保存が難しく、カリフラワーの方が人気があったそうです。
近年になって、ブロッコリーの高い栄養価が見直され、今ではカリフラワーよりブロッコリーの方が人気が高くなっています。現在では、その生産量も完全に逆転しています。
ブロッコリーの特徴的な栄養は?
ブロッコリーには、βカロチン、ビタミン類、ミネラルなど、豊富な栄養素が含まれています。
特にビタミンCとビタミンEの含有量が多く、抗酸化力がとても高い野菜です。冬の寒い時期に体の免疫力をアップさせ、風邪や感染症予防にとても効果があります。
また、最近では、ブロッコリーが持つ抗ガン作用が話題になっており、さらに注目を集めています。
ブロッコリーと言えば、花蕾(からい)と呼ばれるつぼみが集まって花のようになった所と、その周辺の茎部分しか食べない人もいるようです。しかし、それ以外の太い茎や葉の部分にも栄養がたくさん含まれているので、捨ててしまうのはとてももったいないです。
ただし、茎の部分は固い場合が多いので、皮を厚めに剥いて、少し長めに加熱するとワンちゃんも食べやすくなります。
ブロッコリーとカリフラワーはどちらが栄養価が高い?
どちらも同じアブラナ科の野菜であり、形もとても似ている野菜です。
どちらもビタミンCやミネラルが豊富に含まれているのですが、βカロチンの量を比較すると、圧倒的にブロッコリーの方が多く含んでいます。また、葉酸の量でもブロッコリー方が勝っています。
そのため、総合的な栄養価で言えば、ブロッコリーの勝ちとなります。
ブロッコリーの旬はいつ?
ブロッコリーの旬は11~3月です。
ちょうど、冬の寒い時期が旬のため、冬の緑黄野菜としてとても人気があります。
日本では北海道が一番の産地ですが、日本各地で栽培されており、収穫時期がずれているため、冬の時期だけでなく一年の通して安定供給されています。
ブロッコリーの具体的な効果について
強い抗酸化力で免疫力アップとアンチエイジング
意外に思われるかもしれませんが、ブロッコリーにはとてもたくさんのビタミンCが含まれています。
その含有量は100g中に120mgと、レモンの100mgよりも多く、みかんと比べるとなんと3倍以上もあります。
また、ブロッコリーにはその他にもビタミンB、ビタミンE、βカロチンも多く含まれているため、とても強い抗酸化力を持っています。このため、免疫力アップやアンチエイジングに効果があります。
動脈硬化、心疾患の予防
ブロッコリーには比較的多くの葉酸が含まれています。
葉酸と言えば、血液の元となったり、動脈硬化による高血圧や心疾患を予防したり、免疫機能アップなど色々と良い効果があります。
特に妊娠中には葉酸をたくさん摂る必要があると言われています。
がんの予防
アメリカの国立ガン研究所が発表した、がん予防のためのデザイナーフーズとしてカリフラワーと共にランクインしています。
ケール、キャベツ、カリフラワーなどのアブラナ科の植物には、体内にて「スルフォラファン」というに変化する活性成分「グルコラファニン」が多く含まれていますが、特にブロッコリーにその成分が多く見られます。
この「スルフォラファン」という物質が、ピロリ菌などによる胃がんのリスクが高い菌を排除することで、抗ガン作用を発揮することが確認されております。
ちなみに、がん予防の効果が期待される「スルフォラファン」の濃度が高いのは発芽して3日目とされており、成熟したブロッコリーに比べて数十倍もの「グルコラファニン」が含まれています。
このため、最近では、ブロッコリーもスプラウト(発芽直後の植物の新芽のことで、もやしに代表される発芽野菜)としての人気が高まっています。
腸内環境を改善する
ブロッコリーには食物繊維も豊富に含まれています。
食物繊維は消化できないため、栄養としては吸収されず、単に便通を良くするぐらいの効果しか期待できないとかつては言われてきました。ただ、最近では、食物繊維は第六の栄養素とまで言われるぐらい、健康にとてもよい効果があることがわかってきました。
その一つとして、食物繊維は腸内で善玉菌のエサとなることで、善玉菌を増やし、腸内環境を整える働きがあります。
ブロッコリーの調理方法
一般的にビタミンCは熱によって壊れやすい(酸化する)性質があり、また水溶性のため、長時間茹でるとビタミンCが茹で汁に溶けだしてしまいます。
ビタミンCをできるだけ逃がさいようにするには、蒸すか、電子レンジで1分間、加熱するだけでOKです。
ただ、ブロッコリーは茹でてもビタミンCが比較的残りやすいという特徴があります。このため、茹でる場合でも、できるだけ細かく切らずにさっと茹でることで、ビタミンCの流出を最小限に抑えることができます。
ブロッコリーは食べ過ぎると逆に元気がなくなる?
ブロッコリーは食物繊維も豊富なため、急に与え過ぎると便が緩くなることがあります。
犬に与える場合、最初は与え過ぎないように小さな房を1つ、2つにしておいた方がよいです。慣れてくればもう少し与えても特に問題はありません。
ただし、ブロッコリーを含むアブラナ科の植物には、「グルコシノレート(ゴイトリン)」という物質が含まれています。
この物質は、野菜の特徴的な辛さや苦みなど色々な化合物の元となるものなのですが、これらのグルコシノレート由来の化合物を摂りすぎると、甲状腺ホルモンの生成に影響を与えることが知られています。
なぜかというと、これらの物質が甲状腺でのヨードの吸収を邪魔をする働きをするため、甲状腺ホルモンが合成できなくなり、甲状腺ホルモン不足になってしまうのです。
甲状腺ホルモンが不足する状態が続くと、ホルモンを増やそうとして脳が甲状腺を刺激するための別のホルモンを分泌し始めます。このとき、いくら甲状腺を刺激しても甲状腺ホルモンが増えない状況が続くと、甲状腺が腫れてくるのです。
ただし、このような状態になるには、余程たくさんのブロッコリーを毎日食べ続けない限り、起こりませんので、気にする必要はまったくありません。
まとめ
ブロッコリーはカロリーが少ない割にボリュームがあるので、「もなか」のおやつ代わりとして結構重宝しています。
ブロッコリーはとても栄養価が高い野菜であり、ワンちゃんの健康にとってもよい効果が期待できます。
いつもドッグフードばかり食べているのであれば、たまには新鮮な野菜をおやつとしてあげてみては如何でしょうか。