「もなか」の場合では、子犬のときに悪戯をして叱られていると、目を背けてあくびをすることがよくありました。
人間なら怒られているときにあくびなどしたら、さらに相手の怒りに火を注ぎそうです。しかし、犬があくびをするのは、決して飼い主を馬鹿にしているわけではなく、犬のあくびには人間の場合とは違う意味があるのです。
犬があくびをする理由についてまとめてみました。
カーミングシグナルとしてのあくび
犬のカーミングシグナルというのは、犬同士などで争いを避けるために自分の感情を相手に伝えるためのしぐさ(ボディーランゲージ)のことです。
「Calming」は英語で落ち着かせるという意味で、「Signal」は合図という意味です。要は対峙している相手(自分も)を落ち着かせるための合図という意味になります。
カーミングシグナルという考え方はノルウェーの動物学者であるトウリッド・ルーガスさんが提唱した考え方で、犬の行動を心理学的にまとめたものです。
犬のあくびもカーミングシグナルの1つになります。
つまり、犬があくびをしているとき、「あなたと争うつもりはありません。そんなに怒らないで。」と言っているのです。
- 散歩のときに知らない人に撫でられたとき、あくびをした
- トレーニング中に、あくびをした
- 悪戯をしたとき、しつけのために叱ると、あくびをした
- じっと見つめていると、あくびをした
すべて、犬が緊張してストレスを感じたことで、自分や相手を落ち着かせるためにあくびをしているのです。飼い主に叱られているときにはあくびすることで、気まずくなった空気を和らげようとしているのかもしれません。
散歩中に可愛い犬に出会ったときなど、頭を撫でようとしてあくびをされたら、その犬が緊張している証拠です。
そんな場合には、無理にスキンシップを求めるのは止めた方がよいです。
あくびは伝染する
犬は人間のあくびを見て、あくびが伝染することがあります。
人間の場合もたまにあるのですが、誰かがあくびをしていると、それを見た人もあくびが出ることがあります。それと同じことが犬の場合にも起こります。
なぜ、このような現象が起こるのか、未だに原因が解明されていないのですが、相手の感情に共感したためとか、あくびを見たことで反射的に同じ動作をしてしまったとか、色々と諸説はあるようです。
眠たいとき、疲れたときのあくび
犬も人間と同じように眠くなったときや、疲れたとき、退屈なときにはあくびをします。
犬は人間に比べて睡眠時間が長いです。「もなか」も昼間はほとんど寝ていることが多いのですが、寝起きなど、まだ眠たい時にはよくあくびをしています。
《参考記事》 犬の睡眠時間はどのぐらいが普通なのか
まとめ
人間に比べて犬はよくあくびをします。
犬のあくびは眠たいときに出るだけなく、カーミングシグナルとしての意味もあります。
愛犬があくびをし出したら、叱り過ぎていないか、と自分を振り返ってみましょう。犬があくびをしているということは、飼い主の怒りを犬が受け止めてストレスを感じている、あるいは反省している証拠です。
また、愛犬がよくあくびをするという場合には、かなりストレスを抱えていることがあります。もし、愛犬がこのような状態なら飼い主と犬の間に信頼関係が構築できておらず、犬が絶えず緊張している証拠かもしれません。もっと犬がリラックスできるように、接し方を変えてみることも必要です。
もし、それでもあくびが出るようであれば、何か体調が悪く、病気の兆候の可能性もあるので、あまり改善しないようであれば、獣医さんに相談しましょう。