犬と猫ではどちらが賢いのか、色々な点を検証してみました

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昔からペットと言えば、犬と猫がメジャーですが、日本では、昔から圧倒的に犬の方が多く飼われていました。

それが最近では、猫の飼育数がついに犬を追い越し、日本では猫の人気が高くなっています。

なぜかというと、犬の方がお散歩など飼育に手間がかかるため、比較的お手軽な猫の方が受けているのだそうです。また、都会では犬を散歩させる場所も少なく、広い庭がない家では犬を飼いにくいことも原因のようです。

愛犬家としては、少し残念な状況となっております。

私自身、猫を飼ったことがないので良くわからないのですが、猫には身勝手で、ずる賢いイメージがあり、若干、苦手意識があります。ただ、猫好きの方にすれば、あのツンデレな態度がたまらないのだそうです。

そんなペットとして一番身近な犬と猫ですが、どちらの方が賢いのかと、考えたことはないでしょうか。犬と猫はともにとても知能が高く、人間の子供の2,3歳ぐらいの理解力はあるそうですが、その賢さには少し違いがあるように思います。

今回は、犬と猫のどちらが賢いのか、について注目したいと思います。

体に対する脳の割合で比較すると、犬の方がやや賢い

動物の知能を比較するとき、脳の重さは重要な指標にはなりますが、単純に脳の重さだけを比較しても意味がないことが分かっています。

例えば、ゾウやクジラは明らかに人より大きな脳を持っていますが、人より知能が高いということはありません。逆にカラスなどはかなり小さな脳ですが、その学習能力はかなり優れています。

そこでハリー・ジェリソンと言う人が動物の種ごとの知性を測る指標として「脳化指数」というものを考案しました。以下の数式がそれです。

[脳化指数] = [定数] × [脳の重量] ÷ [体重] x 2/3

脳化指数 とはWikipediaでは以下のように説明されています。

脳化指数は、その体重に見合った脳の大きさに比べてどのくらい大きい脳を持っているかを示している。ただし、それが等しければ同程度の知性であるという先験的な理由は乏しい。

脳化指数に対し、脳の重量それ自体、あるいは、脳の重量を単純に体重で割った値は、ヒトよりずっと高い値になる種がいるなど、知性の指標としては明らかな不都合がある。脳化指数はそれらの値に比べれば、知性の指標として有効だと考えられる。しかしそれでも、知性には脳の多くの特徴が関与しており、脳化指数だけで判断することはできない。

動物脳化指数
ヒト7.4–7.8
バンドウイルカ5.3
チンパンジー2.2–2.5
クジラ1.8
キツネ1.6
ゴリラ1.5–1.8
カラス1.25
イヌ1.2
ネコ1.0
ウマ0.9
ヒツジ0.8
ウシ0.5
ブタ0.42

この値をみると、犬と猫は他の家畜よりは知能がかなり高いことがわかります。犬と猫でほとんど違いはありませんが、若干犬の方が脳の占める割合は大きいようです。

脳内の神経細胞の数では猫の方が圧倒的に多い

知能の高さは、脳の大きさだけでは測ることができません。脳の質にも大きく影響されます。

その一つの指標として、大脳皮質の神経細胞(ニューロン)の数の多さがあります。神経細胞が多いということは、それだけ物事を記憶、処理できる容量がたくさんあるということで、知能の高さを比べるときの目安となります。

犬と猫の神経細胞の数を比べてみると、猫は3億個ですが、それに対して犬は1億6,000万個しかありません。ちなみにヒトの場合で、140億個、チンパンジーで80億個と言われています。

神経細胞数だけを比較すると、犬より猫の方が2倍も賢いということになり、圧倒的に脳の質は良いことになります。

犬と猫の知能の違いについて

猫の場合、人の行動を見て勝手に学習することがよくあるそうで、人の真似をしてドアノブを回して扉を開けたり、網戸を開けたりすることがあります。この学習能力の高さは脳の出来の良さから来ているのかもしれません。

猫は基本、一匹オオカミ的なところがあるため、一人で生きていくための学習能力にはかなり長けていると思います。その反面、飼い主の言うことに素直に従うことを良しとしません。飼い主が言っていることはわかっているが、やりたくないので無視することも多いです。

一方、犬の場合には、訓練すればある程度なんでもできるようになります。これは、飼い主に従順なその習性から、人が教えたことを頑張って覚えようとするからです。犬は飼い主に褒められることが何よりも大好きです。犬の場合、群れの中でお互いに助け合って生きてきました。その中では、リーダーに従順であること、リーダーに褒められることがとても大切だったからです。

実際に、犬と猫で知能にそれほど差があるとは思えませんが、その知能の使い方にはかなり違いがあると思います。あくまで個人的な主観ですが、猫の知能はずる賢さ、犬の知能はまじめな田舎者、と言ったイメージです。

少し前のハフィントンポスト(アメリカのインターネット新聞)の記事ですが、それによると、オックスフォード大学の研究で猫の脳の大きさは8000年前からほとんど変わっていないにも関わらず、犬はどんどん大きくなっていることが分かったとあります。

《参考記事》 The Cat-vs.-Dog IQ Debate Revisited

犬は群れの中で社会生活をするために、色々なコミュニケーションを発達させてきました。例えば、カーミングシグナルと呼ばれる、犬のボディランゲージがありますが、犬は色々なしぐさで相手に自分の気持ちを伝えようとします。このような社会化が知能を発達させるためにとても重要なのだそうです。

今のところ、犬と猫は互角の知能を持ち合わせていると思いますが、このまま犬が進化を続けていけば、将来的には犬の方が賢くなる可能性は高いようです。

まとめ

大脳皮質のニューロン数など、元々の脳の出来からすると、明らかに犬より猫の方が優れています。

実際、猫は特に何も教えられなくても自分で学習して、生活に必要なことは勝手に覚えていきます。ただし、自分に興味のないことには努力しようとしません。逆に犬は、群れの構成員として自分の役割を果たそうと、教えられたことを忠実にやり遂げます。

どちらも、人間の言葉や気持ちをある程度理解して行動できることは確かです。ただ、猫の場合には自己中心的な部分が強く、人の言うことを素直には聞いてはくれません。その点、犬は素直に飼い主に忠実であろうするため、人とコミュニケーションがとりやすいのだと思います。

人が進化した過程をみても、脳の進化に必要なのは、明らかに他とのコミュニケーションです。今のところ、犬と猫は同じ程度の知能指数だと思いますが、このコミュニケーション力の違いから犬の方が今後の伸びしろはかなり大きいと思います。

猫が元々の素質に胡坐をかいている間に、まじめな犬がコツコツとかしこくなってきたと、いうところでしょうか。

猫がこのまま進化せずに停滞していると、すぐに犬が追い抜いていきそうな気がしてます。