愛犬の「もなか」ですが、実はかなりのパン好きです。
家族の誰かがパンを焼くと、その匂いをいち早く嗅ぎつけ、頂戴のポーズをしてじっと待っています。たぶん、あの香ばしい匂いがかなり気に入っているのだと思います。
ただ、ネットではたまに犬は小麦粉に対するアレルギーを発症しやすいので、パンはあまり食べさせてはいけないという記事を見かけることもあります。
パンと言えば、昔から欧米での主食として食べられてきた食べ物であり、当時からパートナーとして飼われていた犬たちも当然、食べてきたはずです。
総菜パンなどの具が入った部分は、味付けが濃いものが多いので、「もなか」には与えないようにしているのですが、それ以外は特に問題なく、与えています。
今回は、犬にパンを食べさせてもよいのか、少し調査してみました。
犬にパンを食べさせてはいけないのか
結論から言うと、たいていのワンちゃんの場合、適量を守っていれば特に問題はないです。
では、なぜ、あちこちのサイトで犬にパンを与えるときには注意が必要と言っているのでしょうか?
いくつかのサイトを見て回って、その意見をまとめてみました。
- 菓子パン、惣菜パンなどは、中に何が入っているのか確認できないものがあったり、味の濃いものは塩分も多いので与えない方がよい
- 食パン、フランスパンであってもあまりに与え過ぎると、ダメ
- 食パン、フランスパンであっても原材料にショートニングや添加物を使っているようなものはダメ
- フランスパンを食べ過ぎて死亡してしまったワンちゃんもいる
- パンを与え過ぎると、小麦アレルギーになる場合もある
- パンには糖分、油脂分が多く含まれるので、カロリーオーバーになりがち、与えない方が無難
などなど、否定的な意見が割と多いようです。
では、一つずつ整理してみましょう。
菓子パン・惣菜パンは与えない方がよい
これには、私も賛成です。
特に惣菜パンには、調理した具材が入っていますが、中に何が入っているのかわからないものも多いです。犬の場合、玉ねぎなどのネギ類を摂りすぎると中毒症状を引き起こしてしまうため、あえて中味が分からないものは与えない方が無難です。
また、菓子パンには砂糖やバターがたくさん入っており、甘いものが多いため、大好きなワンちゃんも多いのですが、これが要注意です。
甘いものは、人間の場合と同じように摂りすぎるとすぐにカロリーオーバーになってしまうからです。
特に超小型犬の場合では、人間の子供と同じような感覚でパンを与えていると、すぐに太ってしまいます。
食パン、フランスパンでもその原材料を確認した方がよい
基本的に、主食系である食パンやフランスパンを犬に与えても特に問題はありません。
ただし、ひとつだけ注意した方がよい点があります。
それは、ショートニング、マーガリンが入っているかです。
市販で売っているパンの成分表をみるとわかりますが、たいていのパンにはショートニングが入っています。
このショートニングという原材料ですが、いったい何だと思いますか?
それは、バターの代りとしてあらゆる菓子やパンに使われている油のことです。調理、保存がしやすく、味がよくなるように人工的に調整した油です。
(ちなみに、ショートニングとマーガリンの違いは、マーガリンには水分や乳成分を含んでいて風味がするのに対して、ショートニングはほとんど100%油脂という点です。)
このショートニングの問題点はその生成の過程でトランス脂肪酸という、身体に良くない油が作られる点です。トランス脂肪酸については、日本ではまだ一般的に問題視されていませんが、肥満大国であるアメリカでは既にかなり問題となっている成分です。
詳細については、以下の記事で詳しく書いていますので、参考にしてください。
《参考記事》 アメリカがついに使用禁止、トランス脂肪酸はドッグフードにも?
このショートニングですが、別にワンちゃんだけに悪いのではなく、当然、人が食べても体に悪影響があると言われています。最近の子供たちにアレルギーやアトピーが増えた要因の一つがこのショートニングだとも言われています。
うちの場合、「もなか」というか、家族が食べるパンについてはできる限りショートニングが入ったものは買わないようにしています。それは、「もなか」も含め、家族にアレルギー体質の人が多く、ショートニングが入った菓子類やパンを食べると明らかにその症状が悪化するからです。
ただ、ショートニングが入っていないパンというのはとても貴重なもので、市販の安いパンではまずありません。
今度、買い物に行ったときにでも、ぜひ探してみて下さい。ショートニングが入っているパンが、どんなに多いかわかると思います。
パンの与え過ぎは肥満の元
別にパンに限ったことではないですが、どんな食べ物でも食べ過ぎ、与え過ぎには要注意です。
特に砂糖やバターがたっぷりと入っている菓子パン類は、少しの量でもカロリーが高くなります。
小型犬で肥満気味なワンちゃんは特に要注意です。
あと、ネットで検索しているとよく書いてあるのが、フランスパンを何本も食べてしまって、そのまま死亡したというケースです。本当にあった話なのか、良くわかりませんが、大型犬の場合、食べ過ぎた直後に運動すると、胃捻転を引き起こす場合もあり、とても危険です。
くれぐれもパンの与え過ぎにはご注意ください。
パンを与え過ぎると小麦アレルギーになる?
最近では、人間と同じように食物に対してアレルギーを持っている犬たちが増えていますが、そんな食物アレルギーのアレルゲン(原因物質)のひとつとして小麦があります。
小麦に対してアレルギーがあるワンちゃんの場合、当然、小麦粉から作られているパンを食べることでアレルギーの症状(フケや痒みなど)が出てしまいます。
ただ、アレルギー体質ではないワンちゃんがパンを少しぐらい食べたからといって、小麦アレルギーになることはまずありません。
また、ドッグフードに小麦粉が含まれていると、アレルギーを発症してしまうのでは?と、勘違いしている人も多くいるようですが、決してそんなことはありません。
確かに同じ食材ばかりを食べ続けることは、体に良くないので、色々な種類の食材やドッグフードをローテーションすることは良いことです。
そういう意味では、小麦粉が多く含まれているドッグフードの次は、トウモロコシに変えてみるなど、色々な種類のドッグフードに変えてあげるのは、とても良いことです。
小麦を食べ過ぎたために小麦アレルギーを発症してしまうようなワンちゃんの場合、実は、問題は小麦にあるのではなく、原因はそのワンちゃんにあります。
アレルギーとは、免疫細胞がアレルゲンに対して異常反応してしまうことであり、腸内環境が悪化していたり、リノール酸やトランス脂肪酸の摂りすぎであったり、ストレスだったり、運動不足だったり、と色々な要因があって引き起こされるものです。
少しぐらいの小麦の摂りすぎを気にするよりは、愛犬に対して、アレルギーとなる要因をできるだけ取り除いてあげることの方が大切です。
まとめ
今回、犬にパンを与えても大丈夫か、というテーマで記事を書いてみました。
欧米では犬たちは昔からパンを食べてきており、パンは犬にとって、全く問題となるような食材ではないです。
ただし、菓子パン類にはカロリーの点で注意が必要です。
また、ショートニングを含んでいるようなパンは、基本的に愛犬には与えない方がよいです。(ご自分でも食べない方が健康にはよいです。)
「もなか」の場合、パンに対してそれほど気を使っているわけではないですが、パン好きなため、与え過ぎには注意をしています。
みなさんも、愛犬とご自分との体重差を考えてみて、くれぐれも与え過ぎにはご注意ください。