最近は、色々な業種からペット保険業界に参入していますが、その中でもなぜか携帯電話の大手キャリア3社がこぞってペット保険を提供し始めています。
おそらく、キャリアとしては電話料金の引き落としと一緒に保険料を徴収できるので、保険加入の敷居が低いのではと、見込んでいるようです。
その中でもauについては、損保会社を設立してまで保険業に本気で取り組んでいます。そんなauが提供しているのが、「ペットの保険」という保険です。
一番の特徴としては、「通院」は補償せず、「入院」と「手術」のみを補償するタイプがあることです。「通院」を補償しないことで、リーズナブルな保険料が売り文句ともなっています。
元々、「通院」を補償するタイプの保険はなかったのですが、2016年9月1日から提供を開始しました。
ホームページでペット保険料を確認すると、確かにかなり安いようなのですが、本当のところはどうなのか、しっかりと調査してみました。
ちなみに、KDDIが取扱代理店として販売している「auペットほけん」と「ペットの保険」は同じものだそうです。
「ペットの保険」の特徴とは
元々、「入院」と「手術」のみを補償する「通院なし」タイプの保険しかなかったのですが、つい最近、「通院あり」タイプもサポートされました。
一般的なペット保険と同様の「通院」、「入院」、「手術」をサポートするタイプが増えたことで、補償を手厚くしたい方にも選択肢の候補となりそうです。
公式ホームページでは、以下の点が強調されています。
- 終身保険(新規加入は10歳まで)
- 保険金支払いは回数無制限、1回あたりの限度額もなし(年間の支払限度額まで)
- 獣医師に無料で24時間いつでも相談できる
これらの点について、細かくチェックしていきましょう。
終身保険(新規加入は10歳まで)
いまどきのペット保険では、終身加入は一般的なので、特にめずらしくはありません。ペットの平均寿命が急激に延びて生きた影響か、ここ最近でほとんどのペット保険が終身保険を打ち出しています。
また、新規加入が10歳までとなっており、比較的、老犬になっても加入できる点はポイントが高いです。
アニコムなどの大手では7歳までとかなり早くに新規加入を制限されるのに比べれば、かなりマシな方です。
保険金支払いは回数無制限、1回あたりの限度額もなし
まず、保険プランとして、「通院あり」、「通院なし」のどちらのタイプも補償割合が50、70%の2つのプランがあります。
このペット保険の特徴として、年間で使える回数や1日あたりの補償限度額がありません。
この点はかなりポイントが高いです。
折角、補償割合が高い保険に契約しても、1日あたりの上限や、1回の手術に対する補償上限額が設定されていて、補償金額が大幅に減ってしまうこともあります。
50%プラン | 70%プラン | |
年間支払限度額 | 入院・手術の限度額:50万円 通院の限度額:20万円 |
入院・手術の限度額:70万円 通院の限度額:28万円 |
年間支払回数 | なし | なし |
1回あたりの限度額 | なし | なし |
限度額の設定がないタイプの保険として、他にも ペット&ファミリー、アクサダイレクト、ガーデン などもあるので、興味があればレビューを参考にしてみて下さい。
獣医師に無料で24時間いつでも相談できる
この無料相談も大手の保険会社ならではサービスです。
通常、獣医さんに相談したいことがある場合、動物病院に行くことになりますが、これが案外と料金が高く、気軽になんでも相談できるところまでは中々いきません。
また、お手軽に獣医師さんにお悩み相談できるサービスもありますが、1回1500円~とそれなりのお値段がします。
《参考記事》 テレビ電話でお手軽に獣医さんにペットのお悩み相談サービス
それが、ペット保険を契約するだけで無料になるですから、とてもお得なサービスかと思います。
特に、ペットを飼い始めたばかりの頃は、細かなことで色々と悩むことが多く、専門家に気軽に相談できたらと思うことがよくありました。
au以外にも、同じような相談サービスは、アニコム・アクサダイレクト・ペット&ファミリーなどもやっています。
《参考記事》 ペット保険をお得に契約し、無料のサービスを利用しましょう
入院・手術に特化した「通院なし」タイプ
高額になりがちな手術に重点を置いたタイプのペット保険であり、「入院」・「手術」のみを補償してくれます。
そのため、日頃の「通院」はもちろんのこと、手術前の検査費用や、術後の通院についても基本的に補償の対象外となります。
また、他の一般的な「通院あり」タイプのペット保険と比べて圧倒的に割安かと言われれば、正直微妙な感じです。
確かに5歳までの若い時の保険料はかなり安いです。
ただ、それ以後の保険料については急激に高くなり、通院補償がない割には、それほどの安さは感じません。特に中型・大型犬ではそのような傾向があります。
試しに、柴犬の50%補償について、他の一般的なペット保険と比べてみました。
比べてみると良くわかるのですが、確かに5,6歳ぐらいまではかなり安い料金となっております。ただ、8歳ぐらいからFPC保険(通院も補償タイプ)とそれほど変わらない保険料になります。
しかも、auについてはどこを見ても10歳までの保険料しか掲載しておらず、11歳以上の保険料についていっさい公表していないようです。終身保険なはずなのに、保険料も公表していないのは如何なものかと思います。
今時、小型犬なら平均寿命が14,15歳であり、長生きなワンちゃんでは20歳まで生きる子も珍しくありません。その場合、どんな保険料になるのか。。。。
もし、auのペットの保険を契約するなら、高齢時の保険料もしっかりと確認しないと、怖くてとても契約できません。
ちなみに、一般的なペット保険の保険料については、以前に各社のプランを比較した記事がありますので、そちらも参考にしてください。
(※au「ペットの保険」については比較には入っていません)
《参考記事》 ペット保険は生涯で支払うトータル保険料で比較すべき
au損保はどんな会社
au損保は、あいおいニッセイ同和損保とKDDIが共同出資でできた会社で、設立が2010年とかなり若い会社です。
今の社長は、あいおいニッセイ同和損保出身で、なかなか面白い人のようです。
《参考》 au損害保険・亀田社長 社員を鼓舞する“修造との約束”で強いリーダーシップ
バックボーンがあいおいニッセイ同和損保とKDDIということで、ペット保険会社としては大きい方になります。ただし、ペット保険の業績はまだまだこれからといったところです。
また、KDDIということでスマートフォンを使ったサービス、販売にかなり力を入れているようです。実際、「ペットの家」というスマホアプリを開発、提供しており、スマホユーザーをかなり意識していることは確かなようです。
auの携帯は、約3500万人もの契約数がいるので、そのユーザーを取り込めるだけでもかなりの規模になりそうです。
au損保「ペットの保険」の気になった点
保険料は割高?
「通院なし」、「通院あり」のどちらのタイプの高齢になったときの保険料が急激にアップします。「通院なし」の場合、当然、その分は保険料が安くなるのですが、他のペット保険と比べると少し割高に感じました。
ただ、au損保の場合、11歳以上の保険料を公開していないため、一生涯でのペット保険料で比較することが出来ていません。
また、「通院なし」タイプでは同じタイプである、うちの子ライト と比べると圧倒的に安いのですが、これはアイペットの方が高すぎるような気がしています。
しかも、このペット保険は高齢になってからの保険料の値上がりが大きいので、長生きすればするほど、安いというメリットが薄れてきます。
それなら最初から、別のペット保険で、「通院」も補償してくれるタイプのものに入っていた方がよいかもと、考えてしまいます。
11歳以上の保険料を公表していない
個人的には、高齢になった時の保険料を隠すようなやり方は好きではありません。
ペット保険というのは、免責事項の塊のようなもので、保険会社に有利になることは重要事項説明書に事細かに書かれているにも関わらず、肝心の保険料について記載しないというのはダメだと思います。
特に終身であることをアピールしながら、その保険料を掲載しないのは、どういうつもりなのでしょうか?
確かにペット保険は1年単位での契約更新になるので、そんな先の保険料など、変わってしまうかもしれませんが、それでも10歳で契約した人は1年後の保険料がいくらになるのか、知りたいはずです。
たぶん、電話で問い合わせれば教えてくれるだと思いますが、わざわざ問い合わせないと教えないという点で、。。。。。です。
au損保「ペットの保険」について、ネットでの評判、口コミを調べてみました
「ペットの保険」の良い評判
- やはり保険料の安さが決めて。
- auという大手がやっているのが加入の決め手。
- 高齢になってからでも安く加入できた。
- 一般的には補償してくれない膝蓋骨脱臼についても補償がある。
- 保険料が安いのに、獣医師相談サービスなど付帯サービスも充実している。
- 保険金の請求時の処理が楽だった。
- 回数制限や1回あたりの上限がないのが良い。
「ペットの保険」の悪い評判
- auユーザーを優遇しているので、他キャリアを使っていると申し込むのを躊躇する。
- 通院補償がないので、病院通いが多くなると医療費が高くなる。
口コミに関する総評
ネット上での口コミを調べてみると、ほとんど良い評判ばかりでした。特に保険料の安さと、auという大手の安心感が大きいようです。
「通院あり」タイプについては、提供を始めたばかりで、まだ口コミもありませんでした。「通院なし」タイプとしては、通院補償がないことに納得して加入しているので、それほど契約者には不満はないようです。
ただ、実際に愛犬の病院通いが多くなると、やはり医療費が高くなるとの意見もありました。
「ペットの保険」はこんな人におすすめ
- 若い時の保険料をできるだけ安く抑えたい。
- いつでも獣医さんに相談できるサービスがほしい。
- 大手の安心感が欲しい人。
会社概要
- 会社名:au損害保険株式会社
- 業種分類:損害保険業
- 上場先:非上場
- 資本金:24億円
- 保険収入:60億8900万円
- 経常利益:1億7100万円
- ソルベンシーマージン比率:434.8%(2014年度)
- 従業員数:113名程度
平成28年 3月31日 現在
一般的なペット保険会社に比べると、会社としては大きい方です。
ここ2年は黒字化しており、業績は上向きのようです。
まとめ
今回はau損保の「ペットの保険」ついて調査してみました。
その特徴として、補償が「入院」・「手術」のみに特化タイプの保険も用意しており、その分、保険料を抑えた保険プランとなっております。
また、一般のペット保険によくある、一回の手術に対する上限金額設定が無い点も高評価です。
保険料は最低限に抑えつつ、いざというときのための保険としては、とてもよい保険だと思います。
ただ、気になる点が2つあります。
- 高齢になるほど保険料の高騰が目立つ
- 11歳以上の保険料を公開していない
どうしても、この2点が気になって仕方がありません。
ペット保険は一生涯にかける保険料で判断すべきだと考えているので、トータルとしてそれほどの差がないのであれば、通院をサポートしてくれるペット保険の方が良い気がします。
獣医師による24時間サポートなど、魅力的なサービスも展開しているので、とても興味は惹かれるのですが、どうしても上記2つの点がかなりのマイナスポイントであり、候補からは除外です。
ペット保険を選ぶときの参考になるので、皆さんからの口コミ情報をお待ちしております。どんな情報でも良いのでぜひお願いします。
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