先日の熊本地震では、未だに多くの人が避難所での生活を余儀なくされており、大変なご苦労をされていると思います。
そんな中、ペットと一緒に避難されている方の話が、たまに報道されるのを見聞きするのですが、他の人に迷惑をかけないようにと、避難所に行けなかったり、行ったとしても周りとのトラブルがあったりと、ペットを飼っている方はさらに大変な苦労をされているそうです。
5月15日の朝日新聞にも、「ペットと一緒に避難」という見出しで特集されていました。その記事の中では「普段から準備を!」ということで、愛犬の「しつけ」やペット用の備蓄について記載がありました。
阪神淡路大震災を始め、いくつもの大地震が起きておりますが、そのすべてにおいて地震の予知できていません。その上、国が定めている地震ハザードマップもまったく意味がないことがはっきりし、日本に住んでいる限り、いつ、どこで、大きな地震が来るかわからないという状況です。
万が一のときのために、飼い主として、今から準備しておかなければいけないことがたくさんあるようです。
今回、愛犬と一緒に避難するためには、日頃から何をしておけばよいのか、少し調べてみました。
環境省のガイドラインでペットの飼い主としての責務を確認しましょう
東日本大震災では、多くのペットたちが家に取り残されたまま、津波によって犠牲になりました。
これまで、避難時には人命が再優先であり、ペットと一緒に避難することに対して、真剣に議論されてきませんでしたが、東日本大震災の教訓から環境省が「災害時における救護対策ガイドライン」という指針をまとめました。
《環境省のホームページ》 災害時におけるペットの救護対策ガイドライン
このガイドラインでは、大災害時におけるペットの救護に焦点をあて、我々飼い主の他、自治体や獣医師会など、その役割ごとにガイドラインを定めています。
そのガイドラインから、ペットの飼い主に対するものだけを、もっと分かりやすくパンフレット形式にしたものが、以下になります。
《環境省のホームページ》 備えよう!いつもいっしょにいたいから
我々飼い主としては、最低限このパンフレットを見て、普段からできることを意識しておく必要があります。
特に、このパンフレットの中で指摘されている、震災前に日頃から意識しておくべきことについて、考えてみたいと思います。
日頃からの災害への備え
迷子札やマイクロチップによる個体識別などについても書かれていますが、今回は「しつけ」と「備蓄」に焦点を絞っていきたいと思います。
《参考記事》 大震災に備えてペットの迷子札はいかが-今なら無料でもらえる
ペットの健康管理としつけ
犬の場合ですが、避難所で生活するケースを考えて、日頃から健康管理と、しっかりとした「しつけ」を行っていることが大切とあります。
いくつか、具体的な項目をあげて書かれていますので、今の「もなか」がキチンとできているのか、○、△、×で自己採点してみました。
- 「待て」「おいで」「お座り」「伏せ」などの基本的なしつけを行う。
△
これは普段なら大丈夫です。ただ、「もなか」の場合、何かに気が散っていると、なかなか言うことを聞かない場合もあり、まだ十分ではないです。特に周りに犬がいっぱいいるような状況になると、かなり怪しいです。もっと、社会化を行うなど、「しつけ」についても考えないといけないです。 - ケージ等の中に入ることを嫌がらないように、日頃から慣らしておく。
×
これは完全にダメです。ケージは「もなか」が子犬の時以来使っていません。今では家にケージすらないです。基本的に移動はすべて車なので、普段は必要ないのですが、災害時にはケージで大人しくさせておく必要が出てくるのかもしれません。 - 不必要に吠えないしつけを行う。
△
これも微妙です。「もなか」の場合、自分の縄張りと認識している場所では、やけに強気になりますが、極端な怖がりのため、外ではめったに吠えません。ただ、未だに庭に出すと、宅配便のおっちゃんに無駄吠えしていることが多いので、この癖を直さないといけないです。 - 人やほかの動物を怖がったり攻撃的にならない。
△
「もなか」は好き、嫌いがはっきりしているようで、嫌いな人に対しては吠えることが多いです。これは怖がって吠えているのですが、攻撃的になることはほとんどないです。あと、他の犬はすごく好きみたいで興味深々なのですが、向こうから吠えられると、応酬してしまいがちです。 - 決められた場所で排泄ができる。
△
そもそも、家の中でトレイができません。子犬の時、がんばってトイレトレーニングしたのですが、結局、庭や散歩中にしか、排泄しなくなりました。ただ、家の中では絶体に排泄することはないので、避難所でも大丈夫なはずです。(定期的に散歩には行かないといけないですが。) - 狂犬病予防接種などの各種ワクチン接種を行う。
○
これは毎年キチンと行っています。 - 犬フィラリア症など寄生虫の予防、駆除を行う。
○
フィラリアのお薬はOKです。ダニ、ノミのお薬はポリシーとしてあえて使っていませんが、散歩のときなど、ひば油の虫除けスプレーを使っています。それだけで、今までダニ・ノミは付いたことがありません。《参考記事》 ひば油で虫除けスプレーの作り方、天然アロマなので愛犬にも安心
《参考記事》 犬のノミ、ダニの薬の副作用にご注意 – 愛犬に使う前にチェック
- 不妊・去勢手術を行う。
×
これもポリシー上、やっていません。もし、避難中にヒートになれば、かなり問題となりそうです。ただ、これはどうしようもないかと思います。《参考記事》 犬の避妊手術は行った方がよいのか-手術による副作用にも注意が必要
ということで、「もなか」が避難所に避難するための、自己採点結果は、○2、△4、×2でした。
対策できているのか微妙なのですが、はっきりとダメなところはあります。単純に「しつけ」不足の点が多いです。
「もなか」の場合は、柴犬の特性的なところもあるのだと思いますが、誰に対してもフレンドリーという感じではなく、基本的な社会化ができていない部分もあります。
どうも、極端に怖がりな性格もあって、知らない大きな男の人には、吠えてしまうことが多いです。家族の誰かが付いていると大丈夫なのですが、一匹にするとダメです。
もっと、色々な人や犬に慣れさせないといけないです。分かってはいるのですが、中々うまくできていません。
動物のための備蓄品の用意
震災時には、ライフラインが寸断されるため、数日間は自力で生きていけるように備蓄しておくことが必要です。
このガイドラインでは、最低5日分の食糧が必要とありましたが、朝日新聞では7日分とありました。
特にペットの食糧については、避難所に行ってもさすがに支給してくれないので、ある程度の期間分を自力で用意してほいた方が良さそうです。
ガイドラインでは、必要なものを優先順位付けして記載していました。
優先順位1・・・命や健康にかかわるもの
- 療法食・薬
お薬などは予備として備蓄するは難しいと思います。普段使っているお薬などは、すぐに持ち出せるようにまとめておくということでしょうか。「もなか」の場合でいうと、毎月のフィラリアのお薬ですね。 - フード・水(5日以上)
水は家族の分も含めて備蓄しておく必要があると思いますが、5日以上となると、とてもすぐに持ち出せる量ではないですね。フードはドッグフードを備蓄するようにしているので、大丈夫なのですが、こちらもすぐに持ち出せるようにまとめておく必要がありそうです。 - 予備の首輪・リード(伸びないもの)
予備はないので、買っておいた方がよいかもしれませんが、これは命にかかわるものなのか? - 食器
あった方がよいかと思いますが、別に命にかかわらないと思います。。。。 - ガムテープ(ケージの補修など多用途に使用可能)
うーーん。なぜガムテープなのか、不思議なのですが、防災グッズとして補修に使うのに便利なのだそうです。ただ、布製のガムテープの方がマジックペンで文字を書けたり、破れた衣服の補修や絆創膏代わりに使えたりして良いそうです。
優先順位2・・・飼い主や動物の情報
- 飼い主の連絡先
- 動物の写真
- ワクチン接種状況
- 既往症・健康状態
- かかりつけの動物病院
この項目は少し不思議です。
これらの情報をまとめておくことは意味があると思いますが、どれも飼い主であれば知っている情報です。この情報は飼い主とペットがはぐれたときに初めて意味があるように思います。
ということは、ペットに持たせないと意味がない?これらの情報を紙に書いて、首輪に仕込んでおくのか?
ひとつあるとすると、「ペットのおうち」のサービスである「ペットプロフ」なら事前にWebページに情報を登録しておくことで、迷子になったペットの情報を誰でも確認することができます。
たとえば、「もなか」の場合、以下のような感じです。迷子札に「もなか」専用のIDが刻印されており、「もなか」を保護した人が情報を確認できる仕組みになっています。
《ペットプロフ》 「もなか」のペットプロフ
こんなサービスを使って、情報を整理しておくことも重要かもしれません。
優先順位3・・・ペット用品
- ペットシーツ
- 排せつ物の処理用具
- トイレ用品(猫の場合は使い慣れたトイレ砂)
- タオル・ブラシ
- おもちゃ
- 洗濯ネット(猫の場合)
ペット用品についても、普段使っているものの予備をまとめておくことで、事足りるかと思います。
まとめ
今回、災害に備えるために普段からやっておくべきことについて、まとめてみました。
ガイドラインにある備蓄用品については、突っ込みどころもあるのですが、いずれにしろ、普段から災害を想定した備えをしておくことは大切だと思います。
今回の記事を書いていて、万が一、大震災に遭遇し、避難所での生活を余儀なくされた場合、「もなか」と一緒に避難できるのかと、少し考えてみました。
たぶん、今のままだと、避難所の中での共同生活は難しいように思います。
熊本大震災でも避難所の外にテントを張って、ペットと生活している人がいましたが、「もなか」のしつけを完璧にするより、自力で生活できるように、テント用具をもう少し充実させておく方がよいかな、という結論でした。