犬の平均寿命が延び、今までになく長生きをするワンちゃんが多くなってきました。
ただ、犬の寿命が延びたことは良いことばかりではなく、犬も高齢になると、寝たきりになってしまったり、認知症になってしまったりと、人と同じように高齢化による介護の問題がクローズアップされています。
特に、犬の認知症に関しては、柴犬に多く発症する傾向があるらしく、「もなか」もかなり心配しています。
まだ、認知症など考えられない年齢ではありますが、若干ボケキャラである「もなか」なので、若い時から気を付けており、毎日、「えごま」を与えるようにしています。
まあ、元々、アトピー対策として「えごま」を与えていたので、それをそのまま続けているだけですが。。。
ということで、今回は、犬の認知症について少し調べてみました。
日本犬、特に柴犬はなぜか認知症になりやすい
ネットで調べたところ、動物エムイーリサーチセンターの内野富弥先生という方の少し古い論文で、犬の認知症は、日本犬雑種と柴犬で8割以上を占めていると紹介されているようです。
残念ながらその論文を直接読むことができなかったため、真偽のほどは良くわかりません。また、犬の認知症に関する最近の統計データもかなり探したのですが、見つけることが出来ませんでした。
ただ、調べている中で、認知症の闘病ブログを見たのですが、そのほとんどが柴犬でした。やはり、柴犬が認知症を発症する率はかなり高いようです。
また、柴犬に認知症が多い要因として、よく挙げられていたのが、犬の食生活の激変です。
日本犬は昔から肉ではなく、魚中心の食生活でしたが、近年になって犬の食事がドッグフードに急激に切り替わったため、今まで魚から摂取していたDHA、EPAが不足しているのでは?と言われています。
ただ、この説もなぜ柴犬だけに認知症が多いのかを説明する根拠としては、かなり薄いです。ドッグフードを食べている他の日本犬や洋犬が、なぜ認知症になり難いのか、十分な説明にはなっていないです。
犬も人間と同じように認知症になる
犬も高齢になると、人と同じように認知症(痴呆症)になるケースが増えており、小型犬の場合で10歳以上、大型犬では8歳以上から気を付ける必要があります。
その症状は人の認知症とよく似ており、以下のような症状が見られます。
- 良く知っている人や場所が分からなくなったり、異常な反応を示す。
- 名前を呼んでも反応しなかったり、指示に従わなくなる。
- 大好きだったおもちゃや食べ物に興味を示さなくなる。
- クルクルと同じ方向に回り続けたり、手足を舐め続けたりする。
- 飼い主に異常に付きまとったり、他の犬に対して攻撃的になるなど、社会的交流ができなくなる。
- 昼間に寝ていることが多く、夜に活動しだす。夜中に徘徊して遠吠えや夜鳴きするなど、睡眠に関する問題を起こす。
- 今まで出来ていたトイレでの排泄ができなくなる。
- 食欲が異常にましたり、食べなくなったりする。
- 狭いところに入り込んで出れなくなる。
高齢犬で上記の症状が一つでもあれば、要注意です。
認知症は放置していると、あっと言う間に進行してしまいます。
これらの症状の中で、一番困るのは、やはり夜中の徘徊や夜鳴きです。外飼いの場合、夜中に騒がれると、ご近所迷惑にもなることから、室内で飼われるケースも多いようです。
また、飼い主の方も毎夜起こされるので、体力的にも消耗してしまうようです。
認知症の夜鳴きを防ぐ対策
犬の認知症で一番困る夜鳴きですが、これは飼い主にとってもかなりのストレスになります。
眠れない夜が続くと、こっちまでダウンしかねません。
ただ、夜鳴きをするからといって、愛犬をしかりつけるのは良くありません。
犬は、夜にひとりで不安だから夜鳴きをしているのです。それをしかりつけても何の解決にもならないどころか、より悪化させるだけです。
まずは、愛犬の不安感や恐怖心を受け止めてあげる余裕が必要です。
どうしても、夜鳴きが治まらない場合は、鎮静剤などのお薬に頼ることもできますが、最終手段にしたいところです。
一番効果的な対策は、愛犬を昼間にできるだけ眠らさないようにすることです。
認知症になると、犬は活発な活動をしなくなり、昼間に寝ている時間が多くなりがちです。昼に寝ている分、当然のことながら夜に寝れなくなるのです。
認知症になっても比較的、足腰が元気なワンちゃんの場合には、昼間に長めのお散歩にいったり、一緒に遊んであげる時間を増やしてあげることで、夜には疲れてぐっすり寝てくれるようになります。
ただ、いつもいつもうまくいくとは限らないですが。。。
そんなときは、愛犬と一緒に寝てあげることで、夜鳴きが落ち着く場合もあります。
愛犬が夜鳴きする理由は、夜に対する恐怖心や不安感が大きいものです。特にボケてきた頭では、自分がいる状況がよく理解できておらず、不安感が増してきます。
そんなとき、信頼する飼い主がそばにいるだけで、落ち着く場合も多いのです。
よく、愛犬と一緒に寝るのはしつけや衛生上良くないと言われていますが、個人的には全く問題ないと考えています。実際、「もなか」とはずっと一緒に寝ていますが、特に困ったことはありません。(換毛期には抜け毛の掃除が大変ですが。。。)
元々、犬は群れで一緒に寝起きする習性があるため、一緒に寝ることで夜の不安を和らげる効果があります。
認知症にならないために若い時からの予防が肝心!
認知症については、まだまだその原因がすべて解明されておらず不明な点も多いです。ただ、最近の研究成果として、いくつか効果的な予防策があると報告されています。
一度、認知症を発症してしまったら、完治はおろか、有効な治療法というものがありません。そのため、愛犬が認知症にならないために、若い時からの対策が一番です。
特に柴犬など、日本犬の系統については、今からでもすぐに対策を始めましょう。
DHA、EPAをたくさん摂取する
人間の場合でも、認知症予防にはDHA、EPAをたくさん摂ることが有効だと言われていますが、犬の場合も同じく効果があるとされています。軽い認知症の症状の場合だと、サプリメントを飲み続けることで改善した例も報告されています。
最近では犬用のサプリメントとしても売られいます。
ただ、DHA、EPAを直接摂取できるサプリメントは効果的だと思いますが、少し高いので、普段の食事でも摂取する方がおすすめです。
最近では、ドッグフードにオメガ3系の必須脂肪酸が多く含まれているものも多くなっています。積極的にこれらのドッグフードに切り替えるのもおすすめです。
《参考記事》 評判のカナガンドッグフード購入-無添加でアレルギー対策としてもおすすめ
また、「えごま」には、オメガ3系の脂肪酸であるαリノレン酸が大量に含まれているのですが、αリノレン酸はその10%ほどが、体内でDHAやEPAに代謝されるので、同じような効果が期待できます。毎日、スプーン半分ほどを直接、ドッグフードに振りかけるだけでOKです。
ボケ防止に「えごま」が効果的とテレビ番組で放送されたことがきっかけで、一時期、「えごま」が品薄状態となり、かなり高騰したこともありました。
《参考記事》 亜麻仁油とえごま油、どちらがアレルギーに効果があるのか?
「もなか」の場合は、手作りのおじやに「えごま」を振りかけたものを毎日与えています。
あと、「煮干」なんかも、DHA、EPAを直接摂取できるので愛犬のおやつとしてオススメです。
《参考記事》 犬が食べてはいけないもの、ほうれん草、ミネラルウォーターetc
抗酸化作用が高い食材を与える
認知症にはストレスや活性酸素の影響も大きく、普段から過度のストレスがかかったり、活性酸素が多くなりがちになると、脳へのダメージが大きく、年を取ったときに認知症のリスクが高くなると言われています。
愛犬にストレスを掛け過ぎないようにすることはもちろんですが、普段の食生活を改善して、活性酸素を減らすことも大切です。
そのためには、抗酸化作用が高いビタミン類が豊富な食材が効果的です。
抗酸化作用が高いということは、脳へのダメージを減らすだけなく、体の免疫力を高め、色々な病気予防にも効果があります。
個人的には、犬の食事はドッグフードではなく、手作り食にしてあげた方が自分で献立できるのでオススメです。「もなか」の場合、アトピーを発症したことで、一念発起して手作り食に切り替えたのですが、切り替えた後、見違えるように元気になりました。
個人的には、現代の犬たちにガンや認知症がとても多いのは、安いドッグフードが原因ではないかと、かなり疑っています。
《参考記事》 気になるドッグフードの安全性、ペットフード安全法はザル法?
ただ、手作り食といっても、それほど難しいものではないので、一度チャレンジしてみては如何でしょうか?
《参考記事》 愛犬のための「鶏肉と野菜たっぷりおじや」-栄養たっぷりで簡単調理
《参考記事》 犬の食べ物
愛犬とのコミュニケーションを大切にする
人もそうですが、年を取って刺激がない生活をしていると、認知症になり易いと言われています。犬の場合では、室内飼いより外飼いの方が認知症になるケースが多いらしいのですが、それは、外で飼っていると、どうしても飼い主とのコミュニケーションが少なくなり、ボケる要因ともなっているようです。
逆にいうと、愛犬とのコミュニケーションを多くとり、常に刺激を与えてあげれば、脳の活性化につながり、ボケ防止になるのです。
いつも長時間のお留守番をさせない
人もそうですが、現役を引退してやることがなくなり、穏やかな生活をしていると、ボケてしまうことが多いものです。これは、特に目的もなく過ごしていると、日常的に脳への刺激が少なくなり、ボケやすくなるのです。
犬も同じで、いつもひとりで長時間お留守番をさせていると、その間は何もすることがなく、寝てばかりになりがちです。そうなると、ボケる要因ともなります。
犬の場合、ボケ防止のためにと、自分で意識して頭を使うこともありません。普段から愛犬との適度なコミュニケーションは、ボケ防止にとても重要です。
毎日、適度な運動をさせる
老犬になると、若い時と違って歩くのも億劫になりがちで、あまり散歩に行きたがらないこともありますが、適度な運動は脳の活性化にもとても効果的です。
特に散歩では、外界からの刺激も多く、他のワンちゃんとの交流も生まれるため、認知症予防としても最適です。
率先して、愛犬と毎日散歩に行くようにしましょう。
また、ドッグランなどでの運動もオススメです。ドッグランでは必ず他の犬たちとの交流も生まれるため、運動だけでなく、たくさんの刺激を受けることができます。
意識してスキンシップを多くとる
愛犬をマッサージしてあげることは、愛犬とのコミュニケーションをとるだけでなく、愛犬の健康管理としてとても有効なものです。
また、マッサージされることで、脳への刺激にもなり、認知症予防としても効果が期待できます。
《参考記事》 犬マッサージは愛犬の体調管理と信頼関係構築に最適な方法
まとめ
愛犬が認知症になった場合、その介護はとてもたいへんです。
若いときから愛犬の食事やちょっとしたコミュニケーションに少し気を付けているだけで、将来、困ったことになり難いのです。
特に柴犬を飼っている方は、認知症になる可能性がかなり高いので、今の愛犬との生活を顧みて、改善できる点があれば、すぐに実行するべきです。
また、不幸にして既に愛犬が認知症になってしまった場合には、気長に病気と付き合っていくしかないのですが、どうしても無理!となった場合には、「老犬ホーム」という手段も残されています。
短期間預けることもできるので、一度検討してみて下さい。
《参考記事》 飼えなくなった愛犬のための老犬ホーム-いくらかかる?