動物を飼っているだけで腸内フローラが豊かになるって、ほんとう?

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ペット保険最大手のアニコム様のWebページで腸内細菌に関するおもしろい調査報告が公開されていました。

これがちょっと興味深かったので、ご紹介したいと思います。

 

「共生細菌に関する調査」ということでシリーズものなのですが、今回、気になったのはその中の2つの記事です。

動物を飼うことで家族の腸内フローラが改善

一つは、家庭で動物を飼うことで、飼い主側の人間の腸内フローラに明らかな影響がある件です。

《アニコムの記事》 共生細菌に関する調査 ~どうぶつの飼育と腸内フローラ~

動物を飼っている人、飼っていない人の腸内フローラの分布状態をサンプリングしたところ、

  • 成人の場合、動物を飼っている方が 腸内フローラの種類が多様である。
  • 乳幼児の場合、動物を飼っている方が ビフィズス菌の割合が2倍以上多い。

どうぶつを飼育している家庭では乳児期の腸内フローラが豊かになるという文献報告があるらしく、実際にアニコムでも調査したようです。

その結果は上記のとおり、動物を飼っている家庭では、その家族の腸内環境にも変化が見られました。

特に、乳幼児ではビフィズス菌の割合がかなり高くなるという調査結果です。善玉菌であるビフィズス菌が増えるということは、腸内環境を整える効果がかなり期待できます。

単に、家庭で動物を飼っているだけでこのような効果が期待できるのは、すごいことです。腸内環境を改善するために頑張ってヨーグルトなんかを食べるより、犬を飼うべきなのかもしれません。

また、以前にも記事にしたことがあるのですが、同じような研究で、幼いときに犬を飼っていると喘息になり難いという、米国の調査結果もあります。

《参考記事》 幼いときに犬を飼っていると喘息になり難いという研究結果から思うこと

腸内環境は人間の体の中でも最大の免疫機構であり、腸内フローラが整うことで喘息やアレルギー体質になり難い体になるのではないでしょうか。。

実際、愛犬「もなか」のアトピー治療では、腸内環境を整えることを第一に考えていました。

犬の腸内環境は生活環境でも変わる

もう一つは、犬の腸内細菌の多様性について、その生活環境が影響しているとの調査結果です。

《アニコムの記事》 共生細菌に関する調査 ~生活環境の違いと腸内細菌~

犬の腸内細菌の多様性について、以下の傾向がある。

  • 市街地に住んでいる < 郊外に住んでいる
  • 散歩の頻度が少ない << 散歩の頻度が多い
  • 同居の動物がいない < 同居の動物がいる
  • 歯磨きしない < 歯磨きする

一番はっきりと違いが出ているのが、散歩の頻度です。

散歩によく行くワンちゃんの方が腸内環境が多様であるという結果です。

これは、なんとなく納得です。外の環境に多く触れることで、色んな種類の細菌を取り込みやすくなるのだと思います。

その他にも、歯磨き以外の調査結果を見ていると、要は、ばっちいところに住んでいる方が腸内環境は豊かになるということらしいです。

腸内フローラのためには、適度に汚いぐらいがちょうどよいのかもしれません。

不衛生な環境というのは確かに病気の原因となりますが、逆にきれいすぎる環境というのも考え物なのでしょう。

それにしても、なぜ、歯磨きした方が腸内細菌が多様になるのか、これはよく分かりませんでした。飼い主の手に付いた細菌が歯磨きのときに取り込まれるのでしょうか??

まとめ

今回、腸内フローラの多様性ということでアニコム様の調査結果をご紹介しました。

結果からすると、ちょっと汚いぐらいの環境の方が腸内フローラには良い影響を与える?ようです。

 

動物の世界でも腸内フローラを整えるために、親のフンを食べさせるという動物もいます。確か、コアラなんかがそうです。

うさぎやハムスターなど、盲腸便を食べるような動物からすると食糞が当たり前なのですが、その食性が腸内フローラを豊かにしているのだと思います。

という意味では、犬の食糞もある意味、自然な摂理なのかもしれません。ちょっと、嫌な感じですが。。。散歩でウンチをクンクンしているのは、腸内細菌を補充しようとしているのかも。。。

 

最近の色々な研究でも明らかなように、我々動物は腸内細菌と共生することで健康になれるのです。また、そのためには、色んな細菌を腸内に取り込む必要もあるのです。

そういう意味において、少しぐらい汚い環境の方が健康になれるというのも、分かる気がしています。

逆に、潔癖症な方なんかは、自分の周りの細菌を殺菌しまっくてしまい、健康的にはよくないことをしているのでしょう。なんだか、皮肉な感じがします。