愛犬があなたの口をペロペロしてきたらどうしてますか?
かわいい愛犬がうれしそうに口元をペロペロしてきたら、されるがままになっている方も多いのではないでしょうか。
犬が誰かの口をなめる行動には、愛情表現や目上の者に対するあいさつの意味が込められています。子犬は母犬に食べ物をねだるとき口元をなめる習性があることから、飼い主を母親と慕って愛情表現を精一杯していると言われています。
普段なら特に問題がないこの習性ですが、あなたの体調が悪いときには大変なことになるかもしれません。
心当たりがある方は、この記事の続きを読んでみて下さい。
犬、猫のほとんどが感染しているパスツレラ症とは
パスツレラ症という感染症を聞いたことがあるでしょうか。ほとんどの人が知らないのではないでしょうか。
パスツレラ症は犬、猫を飼っている人にとっては一番身近な感染症の一つで、WHOが重要な人畜共通感染症(ズーノーシス)として警告を呼びかけている感染症の1つです。日本でも厚労省がペット動物からの感染症として取り上げ、ホームページで注意を呼びかけています。
人畜共通感染症(ズーノーシス)とは、
狂犬病やパスツレラ症など、犬猫の他、人にも感染する感染症のことを英語でズーノーシスと言います。動物由来感染症、人獣共通感染症、人畜共通感染症などと訳されています。
ペットや野生の動物と接触することで人にも感染する可能性があります。
パスツレラ症は、パスツレラ・ムルトシダ、パスツレラ・カニス、パスツレラ・ダグマティス、パスツレラ・ストマティスの4つの菌が原因菌として日本では確認されています。日本の場合、パスツレラ・ムルトシダが一番多いと言われています。
パスツレラ菌は犬や猫の口の中や気管、消化器官に存在している菌で、国の調査では犬の75%、猫の97%が保菌しており、猫の爪の中にも20%程度パスツレラ菌が確認されています。
犬や猫の他にも、鳥、牛、ウサギなど多くの動物にも感染し、日本では家畜伝染病予防法の法定伝染病にも指定されています。
パスツレラ菌の人への感染経路
人への感染経路は大きく3つあり、感染経路として多い順に以下になります。
- 犬、猫とのスキンシップ(キスしたり、食器を共通に使う)による感染
- 犬、猫に咬まれたり、ひっかかれたときの傷口から感染
- 犬、猫のくしゃみや鼻水による飛沫感染
パスツレラ症の症状
犬や猫がパスツレラ菌に感染していても何も症状がありません。(猫の場合はまれに肺炎を起こす場合があるそうです。)
人に感染した場合、30分から数時間の短時間で症状が出ます。咬まれた場合など、傷口が赤く腫れ、痛みや発熱を伴い、近くのリンパ腺が腫れることもあります。また、傷口が関節に近い場合には関節炎を引き起こしたり、傷が骨に達する場合などには骨髄炎を起こすこともあります。
健康な人の場合では、パスツレラ症に感染してもそれほど重症化することはありません。しかし、抵抗力の弱い子どもや高齢者など免疫力が低下している場合には重症化することがあります。また、喘息など呼吸器系の持病を持っている人では、肺炎を起こすこともあります。
重症化した場合には、敗血症や骨髄炎で死亡例もあります。
パスツレラ症の発生状況
パスツレラ症の人への感染は近年のペットブームで増加しています。
単純にペットの数が増えたこともありますが、ペットの小型化により抱き上げることが多くなったことも原因の一つだと言われています。
パスツレラ症の予防
犬や猫をペットとして飼っている場合、ペットとのスキンシップにもっとも注意する必要があります。
口元を舐めさせない、食器を一緒にしない、などの注意が必要です。
また、パスツレラ症は免疫力が低下した時だけ症状が出る、日和見感染症です。日頃から免疫力が低下しないようにストレスをためない、バランスのよい食事を心がける、など規則正しい生活をすることも重要です。
パスツレラ症の治療法
パスツレラ症は抗生物質(ペニシリン系、およびセフェム系)を投与することで治療が可能です。
もし、犬や猫に咬まれたり、ひっかかれたりした場合は、必ず傷口を消毒するか、石鹸でよく洗いましょう。患部が痛みを伴って腫れたりした場合には、すぐに病院にいって診察してもらいましょう。
愛犬が口元を舐めようとしたら、どうやって止めさせたらよいのか
犬はあなたへの愛情表現のために口元を舐めようとしています。そのまま構っていると、ワンちゃんはうれしくなり、マスマス激しくなります。
以下のことを実践するだけでこの行為を止めさせることができます。
- オスワリやマテを完璧にマスターしている場合には、舐めようとした瞬間にオスワリを命じます。
- それでも言うことを聞かない場合には、完全に無視することで罰を与えます。
オスワリの命令を無視して飛びついてきた場合には、さっと立ち上がり無視をするのです。心を鬼して完全に無視することでワンちゃんは精神的に罰を与えられ、口元を舐める行為がやってはいけないことだと気づきます。
大人しく命令に従うようになったときには、精一杯褒めてあげるようにしましょう。
この対応を繰り返し行うことで、口元を舐めることは悪いことだと理解するようになります。
まとめ
私もパスツレラ症という感染症について、つい最近まで良く知りませんでした。それも犬、猫のほとんどがその菌を保菌してることに驚きました。
健康な状態であれば、感染することはなさそうですが、これから少し気を付けようと考えています。
ネットで調べていると、感染症の予防方法として「犬、猫と一緒には寝ない」ともよく記載されていましたが、あえて予防のところでは書いていません。一緒に寝たからといって感染するとは思えないことと、実際に「もなか」はいつも足元で寝ているからです。