前回はキシリトール、ネギ類、チョコレートなどの犬が食べるととても危険なものを取り上げました。
今回はもう少し危険度が低いものを取り上げてみます。
危険度中>アボガド>マカダミアナッツ>アルコール類>牛乳>鶏の骨>危険度小
アボガドはアレルギー性発作の危険性あり
アボガドは森のバターと言われるほど脂肪分が多いことで有名ですが、その脂肪分は果物の中では群を抜いており、カロリーも高いです。しかし、アボカドの脂肪分は不飽和脂肪酸であり、血中コレステロールを増加させる心配が少ないものです。また、栄養価も高く、ビタミンEも多く含まれています。
理想的な食べ物なのですが、アボカドに含まれているペルシンという成分が犬や猫には毒になります。ペルシンを大量に摂取すると、胃腸を刺激して、嘔吐、下痢、呼吸困難などを引き起こします。最悪の場合は死亡することもあると言われています。特にアトピーがあるようなワンちゃんにはNGです。
一般的にアボガドは人には無害と言われていますが、アレルギーを持つ人が摂取すると発作を起こす場合もあります。(実体験ずみ)
最近のアボカドは品種改良によって比較的安全になっていると言われていますが、あえて危険を冒してまで愛犬に食べさせるものではないです。
マカダミアナッツなど、ナッツ類の食べ過ぎには注意
犬はマカダミアナッツに限らず、ナッツ類全般に対して食べ過ぎると中毒症状となる場合があります。
ただ、なぜ中毒となるのか、原因はまだ解明されていないようです。また、中毒となる摂取量についても個体差が大きく、大量に食べても全く平気なワンちゃんもいれば、少しの量でも嘔吐してしまうワンちゃんもいます。
中毒症状としては嘔吐や痙攣、発熱がありますが、命が危険なほど重症になることは少なく、時間が経つと自然に完治する場合がほとんどです。
ナッツ類は家庭でもおやつやお酒のおつまみとしてもよく食べるものなので、ワンちゃんが勝手に食べないように注意しましょう。
アルコール類は与えない方が無難
よく犬はアルコールを分解することができないので危険と言われております。その一方でお父さんの晩酌に毎晩お付き合いしてビールを飲んでいるというブログもよくあります。
人間でも体質的にアルコールの分解能力が低い人がお酒を飲めないのと同じで犬にも個体差があり、お酒を飲める犬と飲めない犬がいるようです。また、お酒を飲めない人がアルコールを飲みすぎると急性アルコール中毒になるのと同じで、犬の場合も飲みすぎると中毒症になることがあります。
犬の場合は人間より体が小さく、特に小型犬の場合には人間の10分の1しか体重がないので、その分アルコールの摂取許容量が少ないです。人間と同じようにビールを飲んでいるととても危険です。(小型犬の場合、コップ一杯のビールでも危険です)
ただ、通常、犬は強いにおいがするお酒を好まないため、敢えて与えない限り飲まないことが多いものです。
少し舐める程度では特に問題はありませんが、おもしろ半分でアルコールを与えることはやめましょう。
牛乳は苦手なワンちゃんが多いので、乳製品をあげましょう
牛乳にはタンパク質やカルシウムが多く、栄養価も高いため、昔から子犬にはミルクというイメージがあります。子犬の場合には比較的問題がないのですが、成犬が牛乳を飲むと下痢や軟便になることが多いです。
これは「乳糖不耐性」と言われ、人間の場合でも牛乳を飲むとおなかが緩くなる人がいるのと同じ理由です。
牛乳には「乳糖」という甘み成分が含まれているのですが、この成分を分解するための「ラクターゼ」という酵素の分泌が少ないことが原因です。「ラクターゼ」が少ないと、体に取り込んだ「乳糖」を十分に分解することができず、小腸に停滞することで下痢となります。
子犬の時期には元々母乳を飲んでいることもあり、「ラクターゼ」の分泌が多く牛乳を飲んでも大丈夫な子が多いです。また、成犬の場合でも個体差が大きく、牛乳を飲んでも全く平気なワンちゃんもいます。
ただ、牛乳を原料にしているヨーグルトやチーズなどの乳製品については、製造過程でほとんどの乳糖が分解されるため、牛乳で下痢を起こす子も問題なく食べれることが多いです。ただし、ワンちゃんに乳製品を与える場合には、少しずつ与えて様子を見ながらにしましょう。
鶏の骨は鋭くて危険というのは半分うそ
鶏の骨は噛み砕くと鋭く尖るので危険とよく言われています。これは、鶏の骨を噛み砕いたときに鋭く尖っていても、犬はそのまま飲み込んでしまうので、食道を傷つける可能性があるということのようです。
《参考記事》 犬の早食いは止めさせるべきか-早食いのデメリットについて
本当なのでしょうか?
実際、買ってきたケンタッキーフライドチキンをワンちゃんが勝手に食べてしまった、ということがよくあるようです。ただ、それでワンちゃんがケガをしたり、亡くなったという話は聞いたことがないです。
ネットで調べていると、飼い主の中には生食を与えるために、あえて骨付きの手羽先をワンちゃんに与えている方もいるようです。
調べてみても、鶏の骨を食べてケガをしたというワンちゃんの話は見つけれませんでした。
また、鶏の骨について、面白い実験をしている方もいました。
《参考ブログ》犬、ネコに手羽先骨(鶏の骨)を与えてはダメ?
この実験によると、非加熱の鶏の骨でも食道に刺さるほど鋭く尖ることはなかったとのことです。
実際には尖った骨が食道を傷つけることはきわめて稀なようです。フライドチキンならまず大丈夫だと思いますが、万が一を考えて家ではあえて与えるようなことはしていません。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。他にも気になる食べ物について記事にしておりますので、よろしければ、以下も参考にしてください。
《参考記事》 犬が食べてはいけないもの、チョコレート、キシリトール、ネギ類etc
《参考記事》犬が食べてはいけないもの、ほうれん草、ミネラルウォーターetc
《参考記事》犬が食べてはいけないもの、タバコ、野菜、卵