年末恒例、アニコム様の「家庭どうぶつ白書 2017」が今年も発刊されていました。
ペット保険最大手のアニコムでは、ダントツのNo1の契約数、支払実績を誇っており、その実績に基づいたどうぶつの病気に関連の統計データを毎年公開してくれています。
毎年、同じような統計データなので、若干、マンネリ化してきた感がありますが、今年のテーマは、「年齢」と「生活環境」の2つだそうです。
ペットの年齢別にかかりやすい病気について、面白い統計データが公開されていました。
《アニコム》 家庭どうぶつ白書 2017
この白書にはいろんな統計データが満載なのですが、とりあえず、我らが柴犬についてピックアップしていきたいと思います。
まずは柴犬の人気ランキング-順当の第5位
柴犬は今年も健闘の第5位でした。
相変わらず、ダントツ人気のトイ・プードルが一位なのですが、意外とチワワの人気も高く、かなり接近してきた印象です。
犬種の人気ランキングについては、調査会社によって色々なデータがあるのですが、アニコム様のデータでは柴犬は結構いい感じです。去年の家庭どうぶつ白書のランキングも全く同じランキングでした。
《参考記事》 犬種ごとのランキングデータからわかること-人気犬種の条件とは
こうやって見ると、相変わらず日本では小型犬の人気がすごいです。住宅事情もあるのでしょうが、やはり小型犬の方が経済的にも優しいです。
いつかは大型犬を飼ってみたいなという夢はあるのですが、やはり力強い大型犬は世話をするのも大変そうで、躊躇してしまいます。
ちなみに0歳のみのランキングでは、このようになります。
なんと、柴犬が第4位にランクアップです。
といっても、ミニチュア・ダックスフンドの人気が落ちただけのようで、自動的に柴犬や混血犬のランクが上がった感じです。ミニチュア・ダックスフンドも被毛に色々な種類があって可愛いのですが、最近はちょっと人気がないのでしょうか。
それにしても0歳では混血犬の比率が10.9%とかなり高く、最近の混血犬人気を反映しているようです。混血犬は掛けあわせる犬種によって色々な特徴があるため、種類も豊富で個性的なワンちゃんが欲しいという人に人気なようです。しかも、雑種は病気になり難く、丈夫なのがいいですね。
私も子供のとき真っ白な雑種を飼っており、とても元気な子でした。(混血犬を雑種と一緒にすると怒られますが。。。)
犬種別の年間診療費でみると柴犬が丈夫なのがよく分かる
掲載されていた20種の犬種の年間診療費の平均は、79,767円です。
結構、高いです。
前にも記事で書いたことがあるのですが、この白書のデータはアニコムのペット保険加入者の請求金額の統計データです。
そのため、この数値はかなり偏ったデータであることを忘れてはいけません。
ペット保険に入っているということは、ちょっとした症状でも病院に行く人が多いということです。(そもそも、そんなときのためにペット保険に入っているのですから当然といえば、当然です。)
なので、全体的に年間の診療費がかなり高くなっています。
以前に「もなか」の飼育費を算出したときに調査したことがあるのですが、アニコムでの治療費は突出して高かったです。
《参考記事》 犬の長寿化で生涯飼育費用が高騰、「もなか」で試算してみました
ちなみに柴犬である「もなか」ですが、ここ数年は一回も病気で病院に行ったことはないので、年間の治療費は0円です。これも統計データ通りですね。
このデータは犬種別に小さいものから順番に並んでいるのですが、グラフをみていると大型犬になるほど治療費も高くなるのがわかります。
また、柴と混血犬のところだけグラフが凹んでいるのもはっきりと分かります。
それは、この2つの犬種?がそれだけ丈夫だということですが、それにしても混血犬は特に丈夫ですね。
あと、このグラフから見られる傾向として、キャバリアの診療費が異常に高いです。他の犬種と比べてみると、その治療費が突出しているのがよく分かります。
ちょっと興味があったのでキャバリアはどんな病気に罹り易いのだろうと、白書のデータを見てみました。
すると、「循環器疾患」の数値が異常に高いのを始め、「消化器疾患」、「眼」、「耳」などが高いです。飼っている人はお気を付け下さい。
犬の疾患別の統計データでわかる柴犬の弱点
犬全体でみると、やはり皮膚疾患が圧倒的に多いです。
ついで、耳、消化器、眼の疾患です。
これが柴犬の統計データだと以下になります。
ひと目みて、グラフの傾向が違うのが分かると思います。
柴犬は基本的に丈夫なワンちゃんであまり病気もしないです。ただ、唯一、皮膚疾患の比率が犬の平均値に比べて圧倒的に多くなります。そもそも、犬自体が敏感肌な上に、柴犬のはその中でも群を抜いて皮膚が弱いです。
白書ではこの柴犬のデータにちなんで、アレルギー性皮膚炎の年齢推移も載っていました。それによると、アレルギー性皮膚炎では年齢による増減はそれほどなく、3歳以降はほぼ一定の請求割合でした。
ということは、一度、発症したらずっと病院通いしているワンちゃんが多いのではないでしょうか。
しかも、柴の場合、他の犬と比べてアレルギー性皮膚炎の割合がどの年齢でも万遍なく高く、約2倍以上も高い傾向がありました。
まあ、「もなか」の場合も0歳からアトピーだったので、これには納得の結果です。(「もなか」の場合、今でも、たまに手・足を痒がっているのかな?ということがありますが、基本的に完治しています。)
この他にも、トイ・プードルでは「白内障」、チワワでは「てんかん」、ミニチュア・ダックスフンドでは「歯周病」、ポメラニアンでは「僧帽弁閉鎖不全」、シー・ズーでは「眼科疾患」など、犬種ごとに明らかに平均値より高い疾患のデータが載っていました。
この白書をみていると、自分の飼っている犬種がどんな病気になり易いのか、よく分かると思います。
飼育本などには犬種によって罹り易い病気がよく載っていますが、こうしてはっきりと統計データとして示させるとより分かりやすく、とても為になるデータです。
傾向と対策ではないですが、愛犬の弱点を把握しておくだけでも日頃のケアが違ってくると思いますので、一度、見ておいても損ではないです。
どうぶつ病院数の推移を見ると獣医さん不足ってほんとう?
柴犬とはあまり関係ないのですが、どうぶつ病院件数の推移が載っていたのでご紹介しておきます。
2005年からのデータのなのですが、ご覧のとおり順調に病院の数は増えていっています。
動物病院の数については、前に獣医さんの話をブログに書いたときにも調べたことがあるのですが、ここ10年ほどは毎年200件増のペースで全国で増え続けています。
《参考記事》 間違えないための動物病院の選び方-良い獣医さんを見極めるには
ペットブームの去ってしまい、ここ何年かは犬の飼育数の減少が話題になるほどです。かといって、猫の数が増えているかというとそうでもなく、微減といった感じです。
《参考記事》 犬の数がついに猫に追い抜かれる-犬の飼育数の減少がひどいです
そんな中、病院だけが増えても仕方がないので、これからは獣医師さんにとっても厳しいのではないでしょうか。
ちょっと前に話題になっていた加計学園問題では、獣医師不足が話題となっていましたが、それは役人の幻想であって、獣医師さん自体はこれからどんどん余ってくるはずです。
獣医師会が新しい大学の設置に反対するのもわからなくはないです。
《参考記事》 加計学園問題で話題の獣医師は本当に不足しているか?
まとめ
今回は、昨年末に公開されていたアニコムの「家庭どうぶつ白書 2017」で、柴犬をピックアップして記事にしてみました。
この他にも白書には、年齢別の死亡原因や、腸内細菌に関する研究、ペットのアンケート調査結果など、面白い統計データが色々と載っているので、また、別の機会にでも分析してみたいと思います。
それにしてもアニコム様には貴重なデータを毎年公開して頂き、感謝しております。
これだけ大規模な犬・猫の統計データというのも中々ないので、今後も続けていってほしいです。