ペット保険各社の29年度決算状況をチェック-アニコムの一人勝ちに待った!

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このブログでも恒例となってきた、ペット保険各社の業績チェックを今年も勝手にやってみたいと思います。

 

ペット保険業界の29年度の決算発表をチェックしてみると、前年に引き続き、保険契約数(契約保険料)の増加が目立っており、業界としては引き続きとても好景気です。特に、上位4社は絶好調といった感じで、軒並み、保険料収入が2桁増になってきました。

その背景には、ペットの高度医療化に伴う医療費の高騰もあり、猫も含めて、今までペット保険に入っていなかった方の加入が増えているからのようです。

《去年の記事》 ペット保険各社の28年度決算状況をチェック-ますますアニコム様の一人勝ちが加速?

 

ペット業界全体で見ると、去年には猫の飼育数が犬を逆転するなど、その市場環境が大きく変わってきております。

《参考記事》 犬の数がついに猫に追い抜かれる-犬の飼育数の減少がひどいです

ペット保険業界でも当然、この影響はとても大きく、今はまだまだ犬の契約数が多いのですが、徐々に猫の契約数も増えてきております。これがペット保険契約にも大きく影響してきているのです。

特に、猫の場合には、犬と違って、ペットショップでの購入するケースが極端に少なく、知り合いから貰ったり、捨て猫、保護猫を引き取ったりするケースが増えてきます。

そのため、ペットショップと提携することで保険契約数を増やしてきた、アニコムやアイペットなどの大手だけでなく、中小のペット保険会社にも勝機が出てきているのです。

その証拠に、ペット&ファミリーやPS保険のように、ネット契約に強いペット保険会社がここにきて急激に伸びてきています。特にこの2社は、去年の決算発表で初めて黒字化を達成しており、今年の決算でも絶好調といった感じでした。

ペット保険各社の平成29度の決算状況

保険
会社
保険料 
収入
経常利益会社業績  
アニコムUp312億2900万円(11.5%増)Down18億5300万円(21.9%減)
契約数が69万8,000件(前年比9.9%増)と増加し、経常収益も順調に増加しました。ただ、一般チャネル強化のためのWEB広告費が増加したことにより、利益はダウンとなりました。今は、契約数増加で規模拡大を目指しているようで、計画通りのようです。
アイペットUp122億1200万円(21.3%増)Up5億6100万円(88.7%増)
契約数で35万5千件(前年比18.4%増)と、増収増益を達成し、絶好調です。ただ、アニコムと比べると、契約数は50%以上あるのですが、保険料収入だと40%しかありません。1件あたりの保険料で比較すると、アニコムの方が1万円以上も高く、そのあたりが収益率に大きく表れているのでしょう。
ペット&ファミリーUp44億9200万円(24.7%増)Up9297万円(375.3%増)

去年、一昨年に引き続き、保険料収入が20%以上も伸びており、絶好調です。また、今期も利益を順調に積み上げており、業績はかなりいいです。大手2社に比べると規模的にはまだまだ小さいですが、今、伸び盛りといった感じです。
ペットメディカルサポートUp29億6058万円(44.9%増)Up2605万円(176.6%増)

なんと、保険料収入が44%も伸びており、日本アニマル倶楽部を追い越してしまいました。ただ、規模が小さいため、利益はそれほどではないです。
日本アニマル倶楽部Up28億2126万円(10.3%増)Down-3423万円
二桁増収なのですが、なぜか赤字転落です。ペット保険業界が好景気ということもあり、保険料収入は引き続き2桁増加と調子が良いのですが、営業・一般管理費も増加していることが響き、最終赤字決算となっております。
楽天Down17億8664万円(9.5%減)Up2億8200万円(242%増)
今期は、ペット保険各社が保険料収入を大幅に伸ばしている中、10%減と伸びませんでした。ただ、事業費の大幅削減効果により、メチャクチャ増益となっています。また、5月から楽天グループになっとこもあり、今後は、楽天ユーザーの取り込みも期待できそうです。
au損保Down48億400万円(21.3%減)Up-3億4700万円×
保険料収入が大幅ダウンし、今期も赤字決算となりました。ただし、経常損失に関してはかなり改善されております。ただ、損保会社としてペット保険の割合は良くわかりません。
アクサダイレクトUp526億9700万円(5.5%増)
Up62億8300万円(320.2%増)
増収、増益。ただし、業績に占めるペット保険の割合は5%以下と、かなり低いです。
ペッツベスト29年度の決算公告がまだ掲載されていないちなみに去年は、保険料収入が大幅に増えたが、事業費も膨らみ、最終損益はほぼ変わらずでした。
日本ペットプラス29年度の決算公告がまだ掲載されていないちなみに去年は、保険料収入が大幅に増え、赤字額も大幅に減ったが、まだまだ厳しいです。
FPC決算公告がホームページに見当たらない

※会社業績はあくまで私の個人的感想を○、△、×で表しただけです。正確な情報は各社が開示している決算情報を参照してください。

アニコムの一人勝ちに待った!

ペット保険各社の29年度の決算公告をみていると、会社規模が大きいところはどこも好決算でした。

もちろん、アニコムも順調に売上(保険料収入)を伸ばしているのですが、比率だけでいうと、アイペット、ペット&ファミリーといった2番手、3番手の伸び率がすごいです。

その勢いにちょっと焦りを感じているのか、アニコムもペットショップ頼りの戦略から、一般チャネル狙いに方向転換しているようです。アイペットの十八番であった「入院」・「手術」に特化した「ぷち」プランを導入したり、Lineを使って保険契約や保険金請求をできるようにするなど、契約者獲得に乗り出しております。

《参考記事》 アニコムも参戦、「入院」「手術」のみに特化したペット保険はおすすめなのか?

それもあって、アニコムの先期の経常利益は減益だったのですが、この戦略が今後、契約獲得にどれぐらい結びつくのか、見ものです。

 

ただし、中堅どころ以下の決算状況を見ると、相変わらず赤字続きの会社も多く、経営は厳しいようです。いくら、ペット保険業界が好景気といっても、大手と比べて中小ではボチボチといった感じです。

ペット保険各社の状況

去年、ペット&ファミリー、ペットメディカルサポートの2社が初の黒字化を達成したのですが、ペット&ファミリーの今年の決算ではさらに大幅増収が続いています。

保険業界では、創業してから黒字化するだけでもかなり大変なのですが、ペット保険業界全体の好景気もあって、ここ1,2年で各社の経営状況が大きく改善されてきました。

この追い風に乗って、下位グループも一気に黒字化を目指してほしいです。

 

また、先期のペット保険業界では、「SBIいきいき」、「ペッツファースト」などの新しい保険会社の創設や、楽天による「もっとぎゅっと」買収など、色々と大きな動きのあった一年でした。

《参考記事》 「SBIいきいき少短のペット保険」は、割り切った人意外にはオススメしません

この他にも、社名を変更したり、保険料の値上げがあったり、新しいプランを発表したり、各社の動きがとても活発になってきました。

今後も、このような企業買収や統廃合が続くことが予想され、市場競争もますます激化してくることでしょう。

 

日本でのペット保険加入率はまだ8%程度でしかなく、ペット保険先進国であるスウェーデン(70%)やイギリス(30%)に比べると、まだまだ市場拡大する可能性が大きいです。

実際、日本でのペット保険の契約率も年々上がってきており、特に最近では猫のペット保険加もかなり多くなっています。

《参考記事》 猫のペット保険契約数が犬より圧倒的に少ない理由とは?

ペット保険業界は今伸び盛りであり、他業種からすると、とても魅力的に見えるのでしょう。そのため、新規参入を狙っている企業も多く、みな虎視眈々とその機会を伺っているのです。

 

新規参入が多いというのは、それだけ競争も激化し、価格競争も進みます。一般の契約者からすると、保険料が安くなるのは嬉しい限りなのですが、市場が激化してくると、一番最初に影響を受けるのが、収益構造が悪い赤字企業です。

小さな会社が経営危機になった場合、大手に買収されればまだいいのですが、万が一、倒産になってしまうと、ペット保険に入り直さないといけなくなります。もし、愛犬が高齢の場合、その選択肢がかなり少なくなってしまうのです。

ペット保険では、新規加入に対してペットの年齢制限があるため、高齢になってから他のペット保険に切り替えることは難しいのです。また、年をとってからの新規加入では、それまでに発病している病気は補償対象外となってしまいます。

《参考記事》 10歳以上でも入れるペット保険はどれ?おすすめはこれ!

まとめ

毎度のことですが、ペット保険会社のIR情報をチェックしていると、小さい会社では情報公開がほとんどできていません。中には、決算公告でさえ、中々開示されない会社も多いのです。

本来、保険業法では、たとえ少額短期保険業者であっても、事業報告書やディスクロージャー誌などによる情報開示を義務付けられています。(ホームページ以外で公開しているのかもしれませんが、それではわかりません。)

《参考ページ》 少額短期保険業とは

 

こんな状況を見ていると、あまり小さな会社を選ぶのも考え物です。

その点、大手だとかなり安心感があるのですが、その分、保険料が高くのでどちらを選ぶかは好みが分かれるところです。

 

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