柿の旬は、10月から11月で、この時期はいろんな種類の柿がたくさん出回っており、おいしい柿を安く手に入れることができます。
「もなか」にはよく果物を与えているのですが、特に柿は甘くておいしいので、「もなか」の大好物です。
うちでは、朝食に果物を出すことが多く、いつも「もなか」がご相伴にあずかろうと、狙っていることが多いです。
犬と果物については、以前にも書いたのですが、あらためて柿についてピックアップしたいと思います。
《参考記事》 味覚の秋、栄養豊富な果物はワンちゃんのおやつにオススメ
犬に柿を与えても大丈夫?
犬が柿を食べても健康を害するようなことはありません。柿は果物の中でも特に甘く、犬も大好きな果物の一つです。
ただし、甘い分、カロリーも高く、与え過ぎには要注意です。特に干し柿になると、カロリーはグーンと高くなります。また、柿は消化し辛く、人間でも食べ過ぎると便秘や下痢をしやい果物です。
どんな果物でもそうですが、食べ過ぎは逆効果になります。犬に柿を与える場合には、少量だけ与えるようにしましょう。
量にすれば、人間の1口、2口程度で十分な量です。
また、犬は渋柿でもガツガツと食べてしまいます。渋柿にはタンニンを多く含んでおり、食べると口の中がひどいことになるのですが、犬の場合は味覚が鈍いため、あの苦みを気にせず食べてしまうようです。
タンニンには腸を収縮させ、腸の働きを抑える働きがあります。このため摂り過ぎると便秘の原因となるので、渋柿を犬に与えない方がよいです。散歩の途中など、よく柿が落ちていることがありますが、愛犬が食べないように注意しましょう。
あと、熟した柿が苦手で固い柿の方が好き、という方も多いと思いますが、固い柿は消化し辛いものです。特に犬の場合には、よく噛まずに飲み込んでしまうので、消化不良や下痢の原因となります。柿を与える場合には、小さくするか、スライス状にした方がよいでしょう。
柿は栄養価が高く、医者いらずの果物
ただ、ビタミンCが多いのは甘柿です。渋抜き柿では55mg、干し柿では2mgとかなり少なくなります。 また、柿はビタミンC以外にもβカロチンも豊富です。
βカロチンは、緑葉野菜に多く含まれているカロテノイドの一種で、強力な抗酸化力があります。体内では必要に応じてビタミンAに変化し、粘膜や皮膚、免疫機能、目に良い効果があります。 さらに、柿には渋みの元であるタンニンが豊富に含まれています。
タンニンはポリフェノールの一種であり、収れん作用と抗酸化作用が強いことから、下痢止め、生活習慣病の予防に効果があります。 その他にも、水溶性食物繊維であるペクチンが多く含まれており、コレステロールの吸収を妨げる働きがあるため、ダイエット食としてもおすすめの果物です。 甘柿の80%以上は水分であるため、水分補給にも適しています。
強い抗酸化力で感染症、生活習慣病予防に最適
柿に含まれているビタミンC、βカロチンはともに強い抗酸化力を持っており、冬の初めの風邪予防として昔から日本ではよく食べらてきました。
犬の場合でも、感染症予防の他、生活習慣病、がん予防としてとても効果があります。 冬の季節に、どんどん気温が低くなってくると、乾燥した冷たい空気が喉を刺激しやすく、鼻やのどの粘膜の働きが弱くなりがちです。
このため、冬の時期に活発になる細菌やウィルスに対する抵抗力が弱くなります。柿にはβカロチンも豊富に含まれているので、粘膜の強化にとても効果があります。
また、ビタミンCにはウィルスを不活性化させる働きがあるため、感染症予防には最適な栄養素です。 冬には散歩に出かける回数も減り、運動不足になりがちです。夏と違って喉が渇きにくいため、気付かない内に水分不足になっていることがよくあります。
水分不足になると、おしっこが出にくくなったり、便秘になったりと、体の毒素を外に出す働きが鈍くなります。このため、冬こそ水分補給がとても大切です。柿は80%が水分で出来ているので、とても良い水分補給にもなります。
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柿に含まれているタンニンを摂り過ぎると便秘になる
しかし、タンニンには細胞や血液を収縮させる効果もあるため、その効果により腸の蠕動(ぜんどう)運動能力が低下し、便秘になり易くなります。
この性質を利用してタンニンは下痢止めとしても使われる成分です。 また、柿は元々、消化し難くく、体を冷やすと言われている食べ物です。このため、たくさん食べ過ぎると腸内環境を悪化させ、便秘や下痢になりやすい果物です。
このように、柿には食物繊維が豊富で便秘解消に効果がある反面、タンニンなどの働きで便秘になり易いという面があります。 くれぐれも食べ過ぎにはご注意ください。
まとめ
柿には思っている以上に健康によい栄養素がたくさん含まれており、冬の感染症予防のためにもワンちゃんにオススメの果物です。 ただし、柿に含まれているタンニンは下痢止めの効果があるので、摂りすぎると便秘になり易くなります。
どんな食べ物でもそうですが、健康によいからといって1つのものを大量に食べるのは、逆に健康によくありません。柿の場合でも、犬に一度に与える量は少量(1口、2口程度)にしましょう。