ペットの「引き取り屋」は意外とボランティアなのかも?

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檻の中の猫昨日、たまたま夕方のニュースを見ていたら、「深刻 ペットブームの陰・・・ 犬や猫の悲惨な末路」という特集をやっていました。

定期的に同じような特集を見かけるのですが、今回は少し違っていて、引き取り屋をやっているおじさんがインタビューされていました。

その人も、動物愛護団体から訴えられているらしいのですが、インタビューでは「殺処分されるぐらいなら、かごに入れて飼ってあげた方がまだマシ」と、意外とまともな考えの人でした。

特に驚いたのが、各かごにヒーターを入れてあげていることで、真冬には月6万円も光熱費がかかるとのことです。こんなことをしていて、引き取り屋として商売になるのだろうかと、正直思ってしまいました。

ただ、飼育場所はかなり雑然としており、とても衛生的とは言えない場所です。散歩などはさせてもらえず、おそらくペットたちのストレスもかなりあるのでしょう。

そんな場所ですが、確かに殺処分で殺されてしまうよりマシというのは、その通りなのかもしれません。

 

動物愛護法の改正以後、ブリーダーが繁殖に使えなくなったペットたちや、ペットショップで売れ残ったペットたちを保健所が引き取ってくれなくなったため、このような「引き取り屋」の需要が増えているのだそうです。

今回の報道を見るまで、「引き取り屋」はすべて「悪」という認識だったのですが、少し違っているのかもしれません。まあ、元々「引き取り屋」という商売自体が、そんなに儲かるものではないので、半分ボランティアでやっている人がいてもおかしくありません。

数年前には、川に犬を捨てた業者もいて、一時期はかなり話題にもなっていたように、中にはひどい業者もたくさんいるのだと思いますが、すべてがそんな人たちだけではないようです。

引き取り屋という商売は、需要があるから成り立つ商売でもあり、悪質なブリーダーやペットショップがある限り、無くならない商売です。そういう意味で、どちらかと言えば、一部の悪質なブリーダーやペットショップの方が「悪」のようです。

 

同じ番組では、ある動物愛護団体がペットを引き取り過ぎて、面倒が見れなくなり、悲惨な状況になっていることも報道されていました。ペットの飼育状況は、先ほどの「引き取り屋」のおじさんの方がまだマシという状況です。

こんな報道を見ていると、愛護団体も引き取り屋も、ある意味、同じ志を持っている人たちなのかもと、思ってしまいます。計画的に経営できるかどうか、だけのような気もします。

 

それにしても、日本でのペットの殺処分数はその数だけみると、毎年順調に減少しているように見えます。ただ、その裏では、ペットの殺処分を無くそうと、色々な愛護団体が頑張っておられるだけにも見えます。

それ自体は大変素晴らしいことだと思うのですが、その反面、行政はボランティア頼みになっており、殺処分0に対するビジョンがまったく見えないです。

本気で殺処分0を目指すなら、ペットショップでの生体販売を禁止し、ペットを飼いたい人は里親になるしかないという状況になれば、一発でこの問題は解決です。実際、ペット先進国であるドイツなどは古くからそうやって来ています。

みんなそれが分かっていて、なぜやらないのか?

それは業界団体の圧力がかなり強いからなのでしょう。一説にはかなり危ないバックが付いているとも、よく言われています。

前回の動物愛護法の改正で決まったはずの、生体販売できる子犬の日数制限でさえ中々施行されない現実をみても、業界団体の圧力の強さがよく分かります。

 

この殺処分問題については、ペットを安易に捨てる、愚かな人たちが一番悪いのは明らかです。

普通の感覚で言えば、一度でもペットとして飼ったことがある子を保健所に連れて行って、殺してもらおうという神経が私にはまったく理解できないです。少しでも一緒に暮らしていると、それだけでも愛情が湧くと思うのですが。。。

最近の日本人は、おかしな人が増えたのかもしれません。ただ、ペット業界団体もそれを助長していることも確かです。

現状のままでは、いくら愛護団体が頑張って里親を見つけてあげても、ブリーダーたちがせっせとペットを繁殖させている限り、この業界の闇は無くならないです。

前にもこのブログで書きましたが、殺処分数を減らす一番の対処法は、皆がペットショップで子犬や子猫を買わないことです。皆がペットショップで買わなくなれば、儲からない商売は自然と衰退していきます。

最近では、殺処分の話題が多く報道されることから、ペットを飼うときは里親になろうという人もかなり増えています。そういう意味では、もっともっと報道してくれれば、それだけペットショップへのダメージとなり、良いのかもしれません。

 

それにしても、たくさんの政党や政治家たちが「殺処分0」を掲げており、ほとんどの政党が殺処分0に賛成はしています。ただ、まったく何も変わらないという現実には、単なる票集めの政策としか思えず、やる気を全く感じさせません。金にならないことは、中々改善されない世の中です。

今回、東京都知事になった小池さんも選挙公約として殺処分0を掲げており、すこしは注目していたのですが、本当にやる気があるのか、今のところよくわかりません。

少なくとも、殺処分0を目指すのに「人間教育から始めるのが一番早いのでは」と言っているようでは、まったく期待できないです。もっと具体的にどうやって殺処分0にするのか、ビジョンをみせてほしいものです。