バレンタインには犬のチョコレート誤飲にご用心-ビターは特に危険

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バレンタインチョコ冬にはクリスマスやお正月、そしてバレンタインとイベントが続くため、毎年犬の誤飲が増える時期です。

少し前ですが、ペット保険大手のアニコムのサイトにも記事がありました。

《アニコムの記事》 ~もうすぐバレンタイン、愛犬にはチョコレートをあげないで~

特にバレンタインシーズンの2月にはチョコレートの犬の誤飲事故がもっとも多くなるそうです。犬がチョコレートを食べ過ぎると、中毒症状を起こし、最悪の場合には死亡することもあります。

私も過去に記事にしたことがあるのですが、ネットで調べるとたくさん同じような情報が掲載されているので、ほとんどの方はご存じだと思います。

《参考記事》 犬が食べてはいけないもの、チョコレート、キシリトール、ネギ類etc

普段は気を付けて、ワンちゃんが食べないように引き出しにしまっていても、バレンタインの時期にはチョコレートをあげたり、もらったりすることが多くなるため、ついつい油断しがちになるみたいです。ちょっとした隙をついてワンちゃんがパクッとしてしまい、動物病院に行く羽目になるのです。

ただし、少しぐらいチョコレートを食べたからといって中毒になるわけではありません。

チョコレート中毒になるか、ならないかは、食べたチョコレートの量だけでなく、チョコレートの種類に大きく影響されます。特にカカオが高濃度のビターチョコレートはNGで、体重が少ない超小型犬の場合には少ない量でも中毒になりやすくなります。

チョコレート中毒で実際に死亡する例もある

先ほどのアニコムの記事の中には、下記のような記載もありました。実際にチョコレートの誤飲によって、ワンちゃんの死亡事故例があるようです。

172人の獣医師のうち141人がチョコレート中毒を診療した経験があり、うち9件は死亡に至ったと回答していることからも、チョコレート中毒が身近に起きる危険な事故であることがわかります。

引用元:アニコム記事

人間の場合でも体重の10%の量のチョコレートを食べると死亡するという、情報がネット上にありました。体重60kgの人なら6kgのチョコレートになります。

一気に6kgものチョコレートを食べる人はまずいないので、人間の場合は起こりえない事故です。ただし、人間の場合には、チョコレートに含まれている砂糖が原因で中毒になります。

どの程度の量ならチョコレートを食べても大丈夫なのか

チョコでは、実際にどの程度なら食べても大丈夫なのでしょうか。

犬のチョコレート中毒の元凶はカカオに含まれている「テオブロミン」という成分です。

テオブロミンはアルカロイド(窒素をふくむ、有機化合物の総称です)の一種であり、カカオにのみ含まれている成分です。この成分は、カフェインと同じ働きをし、興奮作用、血管拡張作用、利尿作用などがあります。

人の場合には、チョコレートに含有されている程度のテオブロミン量では問題はないのですが、犬ではこのテオブロミンの代謝が悪いため、中毒症状を引き起こす場合があります。

個体差もかなりあるのですが、一般的には、犬の体重1kgあたり120~500mgのテオブロミンを摂取すると中毒症状を起こすと言われています。

例えば、体重10kgの柴犬の「もなか」の場合、1200mg以上の「テオブロミン」を一度に摂取すると、中毒症になる危険があります。

普通の板チョコ100gあたりに含まれるテオブロミン量は180mg程度です。これで計算すると、100gの板チョコを7枚以上食べると危険ということです。

普通に考えて人間の子供でも一度に板チョコを7枚も食べれば、体がおかしくなるような量です。。。。。

通常のチョコレートの場合、犬の体重の7%程度を一気に食べるとで中毒症の危険があるということになります。

この数値だけを見ると、人間でも犬でもチョコレートの危険度はそれほど変わらないような感じです。

ということは、適度な量であれば、犬にチョコレートを与えてもそれほど問題はないということになります。

高濃度のビターチョコレートはかなり危険

生チョコただし、これはカカオの濃度が通常のチョコレートの話であり、最近よくあるカカオ99%などの超ビターなチョコレートの場合には、少量であってもかなり危険になります。

《国民生活センター調べ》 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/01/dl/s0114-10j.pdf

によると、明治製菓の「チョコレート効果 板カカオ99%」は、内容量が45gでカカオ成分が99%であり、テオブロミン量は495mgにもなります。

「もなか」の場合、このチョコなら2枚半程度でチョコレート中毒になる計算です。体重が少ないチワワなどは1枚食べただけで致死量になる量です。

どんなものでも食べ過ぎれば毒となる

私たち動物にとっては、とても大切な水や塩でも、摂りすぎれば毒となります。

人間の場合ですが、水は6リットル、塩は大さじ16杯程度を摂取すると死亡するケースも出てきます。致死量が意外と少ないことにびっくりしてしまいますが、どんなものでも摂りすぎると良くないということです。

そう考えると、犬が少量のチョコレートを食べることはそれほど危険なことではないです。食べ過ぎなければ良いのです。

日常的にチョコレートを愛犬に与えている人もいる

実際、ネット上には日常的にチョコレートを愛犬に与えているという人も何人かはいました。

犬の場合でも少量のチョコレートであれば、特に健康状の問題はないということです。

逆に、少量のチョコレートを誤飲して、動物病院で胃洗浄を行ってもらったところ、麻酔の影響で死亡してしまったという医療事故もありました。犬の場合、胃洗浄するには、全身麻酔することになり、一定の危険性が伴うためです。

何でも吐き出させれば良いわけではないです。

もし、愛犬がチョコレートを誤飲してしまった場合、まずは食べたチョコレートの種類を確認することが大切です。カカオの量が少量であれば、特に問題はないので、経過を見た方が安全です。

まとめ

チョコレート作り今回、バレンタインの時期を前に、犬のチョコレート中毒について再調査してみました。

前に調べたときにも思ったのですが、一部の高濃度なビターチョコレート以外、チョコレートはそれほど犬にとって危険なものではないようです。

単に、犬の体が小さいため、大量のチョコレートを食べ過ぎると、中毒になり易いということです。

犬は食いだめする習性があり、お腹がいっぱいになっても好きなものは食べ続けるため、大量のチョコレートを前にすると止まらなくなります。

このバレンタインの時期、家の中にはチョコレートがたくさん溢れる方も多いかと思います。くれぐれもビターチョコレートの保管にはお気をつけください。

 

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