アクサダイレクトのペット保険は外資系特有の割り切りも必要

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車保険会社の大手であるアクサダイレクトが手掛けるペット保険が「いぬのきもち保険」です。(「ねこのきもち保険」もあります。)

アクサダイレクトというと、生命保険や自動車保険のコマーシャルがテレビでバンバン流れており、日本でもかなり有名です。この会社は、実は世界最大級の保険・資産運用をしているAXAグループの日本法人であり、180年以上もの歴史があるグループ会社のひとつです。

日本法人として1998年から損害保険事業免許を取得して活動を開始した、まだ若い会社です。特にペット保険業界には、2011年から参入したばかりです。

2014年には、ベネッセコーポレーションと提携をし、ペット保険の名称を「いぬのきもち保険」、「ねこのきもち保険」へと変えてリニューアルをしました。

「いぬのきもち保険」ですが、調べてみると中々よさそうなペット保険なのですが、微妙な点もチラホラ見えてきました。

「いぬのきもち保険」の特徴

ペット保険としては、一般的な50%補償と70%補償の2つのプランがあります。

「通院」、「入院」、「手術」すべてが補償対象となります。

この保険の一番の特徴は、保険金の支払いについて、1日あたりの金額制限や日数制限(回数制限)がないことです。その代わり、年間の支払限度額がそれぞれ、50%補償では50万円、70%補償では70万円と設定されています。

年間に使用できる日数に制限がないということは、ちょっとした病気で病院に行った際、大した金額でなくても保険金を請求できるということです。

アニコムなどの一般的なペット保険では、1日あたりの限度額、年間での日数制限や手術回数が設定されています。このため、少額の保険金をたくさん請求すると、すぐに年間の日数制限にひっかかる場合があります。

この日数に制限がない特徴は、慢性的な持病で病院通いをしているワンちゃんにとっては、かなりうれしいことです。

保険プラン 50%補償 70%補償
自己負担額 50% 70%
保険請求限度額 50万円 70万円
ペット保険賠償責任危険補償特約 90円/月
割引 インターネット割引(初年度に3000円引き)
マイクロチップ装着割引き(約0.95%引き)

また、2013年からはそれまで年齢制限があったペット保険の継続を終身保険に切り替わりました。この点もかなり評価できます。

24時間ペット健康相談サービス

ペット保険契約者へのサービスとして、24時間受け付け可能なペット健康相談サービスを無料で利用できます。

獣医師が電話で相談を受け付けてくれるので、愛犬が突然の病気や誤飲をした場合など、気軽に相談できる点でとてもよいサービスです。パンフレットに載っている相談内容では過半数の人が「疾病」に関する相談(46%)をしており、続いて「しつけ・ケア」(18%)、「誤飲」(11%)となっています。

アニコムなどでも契約者に対する無料の電話相談はありますが、365日、24時間受け付けしてくれるのはかなり珍しいです。

示談代行制度

2014年10月より、示談代行制度というものが導入されました。

これは、自動車保険などでよくある、被害者との示談交渉をアクサダイレクトが代行してくれるというものです。事故の当事者同士が交渉するとこじれる場合もあるため、このサービスはうれしいです。ペット業界ではめずらしいサービスであり、さすがに総合保険会社の強みを最大限に生かしているようです。

新規加入できる年齢は8歳までに改変

去年までは、ペット保険に新規加入できる年齢が満13歳までと他のペット保険に比べて、老犬になってからも加入できていたのですが、8歳までに改変されてしまいました。

この改変は、かなり残念です。

《参考記事》 10歳以上でも入れるペット保険はどれ?おすすめはこれ!

アクサダイレクトとはどんな会社

最初にも書きましたが、アクサダイレクトは世界的な規模の会社であるAXAグループの一員です。

グループ全体の実績でいうと、総売り上げが約11兆円、運用資産総額が約161兆円となっており、会社の規模でいうと他のペット保険会社ではまったく相手にならないぐらいの巨大グループ会社です。

ただし、外資系の会社のため、若干の不安はあります。

アクサダイレクトのメインはもちろん自動車保険です。自動車保険の取り扱い規模からすると、まだまだペット保険の規模はかなり小さく、まだまだのようです。ただ、最近では、テレビコマーシャルをするなど、かなり力を入れているのがうかがえます。

「いぬのきもち保険」の気になった点

免責事項を確認していると、「歯石除去費用および歯科治療費用」が補償対象外とありました。

これは歯槽膿漏などの治療として、歯石除去する場合でも補償対象外になります。アニコムなどでは、歯科医療の一環として歯石除去をする場合には、補償対象となることが明記されています。

また、以下のような免責事項も記載されています。

「先天的ないし遺伝的または発達異常を原因とするケガまたは病気(*)
ただし、保険期間内に獣医師によりその病因があると判定された場合は、当該保険期間内の治療に限り、お支払いの対象となります(継続契約においては当該病因についてはお支払いの対象になりません)。

膝蓋骨脱臼などの遺伝性疾患では、発症した年度だけが補償対象となり、次年度からは対象外となります。

このように特定の疾患に対して制限事項(免責)が設定されています。特に遺伝性疾患を発症しやすい犬種の場合には、注意が必要です。

《参考記事》 異物誤飲、歯科医療、膝蓋骨脱臼を補償してくれるペット保険はどれ?

「いぬのきもち保険」について、ネットでの評判、口コミを調べてみました

「いぬのきもち保険」の良い評判

  • 保険料が安く、コストパフォーマンスがよい。
  • 使用回数に制限がなく、幅広く使えそう。
  • 電話対応がとても親身で良い。

「いぬのきもち保険」の悪い評判

  • 毎年審査があって同じ病気で保険金請求が30万円を超えると、翌年に契約継続できないことがある。
  • 再発する可能性が高い病気で一度保険を使うと、次の更新時からその治療が適用外か、更新自体を断られることがある。

口コミの総評

口コミを見ていると、保険料が安い、電話対応がよいなど、良い評価が多いです。

ただし、一部では高額な保険金請求を行うと、翌年の更新ができなかったという悪評もいくつかありました。その人はアクサダイレクトと複数の契約をしていたらしいですが、ばからしくなってすべて解約したそうです。

外資系の企業だけあって、保険金請求金額にはかなり敏感なところがあるようです。1年ごとの契約で、契約に際しては更新時の審査で契約を打ち切れる免責事項が設定されています。普通に考えれば、損をするとわかっている契約をしないのも当然と言えば当然かもしれません。このあたり、外資系企業の合理性だと思われます。

このため、慢性疾患を発病した場合などは、契約更新できないこともあるのかもしれません。折角、ペット保険に長年加入していても、一度高額請求をすると更新できなくなるのは、契約者側からすると如何なものかと思います。

他のペット保険でも比較的保険料の安いものでは、保険更新時に前年に保険金請求した疾病を免責事項とされることが多いので、注意が必要です。

「いぬのきもち保険」はこんな人におすすめ

  • 高齢になった時のペット保険料をできるだけ低く抑えたい人
  • 大手で潰れる心配がない安心感がほしい人
  • 窓口清算できないので、保険金請求の手間が少しぐらい増えても問題ない人

「いぬのきもち保険」は年を取ったときのペット保険料がかなり安く、一生涯の保険料としては、比較的安い方だと思います。
《参考記事》 ペット保険は生涯で支払うトータル保険料で比較すべき

補償内容もよく、特に年間での日数制限がない点はかなりポイントが高いです。

ただし、愛犬が慢性病になった場合など、翌年の更新時にその疾病が免責事項として補償対象外とされることがあるようです。

アクサダイレクト会社概要

  • 会社名:アクサ損害保険株式会社(アクサダイレクト)
  • 業種分類:保険業
  • 上場先:非上場
  • 資本金:172億21百万円(総資産 590億10百万円)
  • 保険収入:35,644百万円
  • 経常損益:2,910百万円
  • ソルベンシーマージン比率:840.5%
  • 従業員数:781人

※2015年3月現在

経常利益はそれほどではありませんが、毎年安定した利益を確保しており優良企業です。何と言っても、巨大グループの子会社であり、財務上の問題はまったくないです。

ただ、利益のほとんどが自動車保険のようで、ペット保険単独で赤字か黒字かはわかりませんでした。

ペット保険会社は、比較的小さな会社が多いのです、かなり規模が大きな会社であることがわかります。

まとめ

ペット保険料の安さと、保険の大手会社という点が魅力となります。

また、年間の保険金請求回数に制限がないのも、個人的にはかなり引かれるものがあります。

ただし、その利点と引き換えにデメリットもあります。特定疾患については発症した年度しか保険が適応されないなど、ある程度のリスクを覚悟する必要があります。

 

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