犬はとても鋭く、すごい力で噛み付くので、犬の歯は強くてどんな硬いものでもバリバリと食べてしまう、と思い込んでいる方も多いのではないでしょうか。
オオカミやハイエナが獲物の骨まで食べつくしてしまうイメージがあるためか、私も最初はそう思っていました。
以前、「もなか」に牛皮ガムの硬いものを与えたときに歯茎から血が出たことがありました。たまたまだったのかもしれませんが、ネットで調べてみると、硬いおやつで歯がかけた、折れたという話がいっぱいありました。
確かに犬の噛む力はとても強く、人間が噛まれたりすると大変なことになってしまいますが、歯そのものは意外ともろいようです。
最近は、私もあまりに硬すぎるものは「もなか」にあげないようにしているのですが、軟らかいおやつだと、ほとんど一瞬でガリガリと飲み込んでしまい、あまり時間が持たないです。
また、犬は噛むことによってストレス解消にもなるそうなので、おやつを買うときには何が良いのか、いつも悩んでしまいます。
犬の歯は折れやすい
実は、犬の歯は人間とほとんど同じ構造で、歯の内部はいくつかの階層構造になっています。一番外側がエナメル質という硬い素材で覆われています。何らかの原因でこのエナメル質が薄くなると歯は折れやすくなります。
犬の場合、もともと歯のエナメル質が人間よりも薄く、人間に比べて60~70%ほどの厚さしかありません。
特に小型犬の場合では、エナメル質が薄く、歯が折れやすい傾向にあります。
また、犬の臼歯は人間と違って薄く尖った形をしており、それらが重なり合うことで食べ物を切り裂くことを得意としております。
このため、物を噛んだとき、上あごの歯は外側へ、下あごの歯の内側へと圧力がかかります。
これに比べて人間の臼歯は平べったい形をしており、物を噛んだときにその圧力が上下方向に伝わることで、物を磨り潰すことを得意としています。
この歯の形の違いから、犬の臼歯には横方向への圧力が加わりやすく、折れやすい原因となっています。
どんな硬さのおやつが最適か
ペットショップでよく売っている硬いおやつには、以下のような種類があります。
- 牛・馬のひづめ
- 牛皮ガム
- アキレス腱(馬、七面鳥、鶏)
- 豚耳
- オーラルケアガム
硬さでいうと、以下のような感じでしょうか。
牛・馬のひづめ > 牛皮ガム、馬アキレス腱 > 七面鳥、鶏アキレス腱、豚耳 > オーラルケアガム
まず、ひづめは硬すぎるので、犬に与えるのはお勧めしません。
また小型犬の場合には馬のアキレス腱は少し硬すぎると思います。小型犬では馬アキレスで歯が折れたという報告もたくさんありました。
私のお勧めは七面鳥アキレスです。
「もなか」には最近これをあげていますが、比較的長持ちするのと食いつきもいいです。
馬アキレスもたまにあげていますが、少し硬いためか、残してしまうことがあります。(馬アキレスで歯が折れたというブログがたくさんあったので、最近はあまり与えていません。)
あと、「もなか」はささみも大好きなのですが、すぐに食べきってしまうため、牛皮にささみを巻いたものをよく与えています。
適度な硬さがあり、「もなか」もよろこんで食べています。
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硬いおやつを与えている時間にも注意
硬いおやつを与える場合、与えている時間にも注意が必要です。
たとえ軟らかいゴムボールであっても、ずっと噛み続けると歯が摩耗してしまい、折れやすくなることがあります。
ワンちゃんによっては意地になってずっと噛み続ける子もいますが、牛皮ガムなどを与えて何時間も放置しているのはよくありません。
硬いおやつを与える場合には、必ず目の届く範囲で与えることと、適度な時間で取り上げるようにしましょう。時間も一日に10分~20分で十分だと思います。
まとめ
犬の歯は思っているよりも意外と折れやすいものです。
硬いおやつを与える場合、ワンちゃんにとって適度な硬さのものをチョイスすることが重要です。
特に小型犬の場合は歯が折れやすいので、むやみに硬いおやつを与えるのは厳禁です。愛犬の犬種や大きさによってもどのぐらいの硬さが最適なのかは違ってきますので、色々と試してみてください。
また、愛犬のオーラルケアとしてある程度の硬さのおやつを与えることは、咀嚼する回数が増えることで唾液がよく出て、唾液による歯周病予防に一定の効果があります。
このため、食事の後に歯磨きの代りに硬いおやつを与えることはよいことなのですが、それだけに期待しすぎるのもよくありません。オーラルケアの基本はやはり定期的な歯磨きが一番です。 よかったら、以下の記事も参考にしてください。
《参考記事》 犬の歯磨きを成功させるためのポイントは信頼関係