犬、猫を飼っていると、ペット保険への加入を一度は検討されたことがあると思うのですが、これが意外と高いので加入を止めてしまった人も多いのではないでしょうか。
私もその一人です。
契約する側として理想的なペット保険というのは、保険料が安く、保険金請求が簡単、補償範囲が広く、補償内容も充実している、ものです。
もちろん、こんな都合のよい保険があるわけないです。
また、一昔前と違って、最近では色んなペット保険がたくさん出来ており、どのペット保険が自分に合っているのか、迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。
そもそも、各社のペット保険をどうやって比較したらよいのかわからず、適当に決めてしまった人もいるのではないでしょうか。
ネットで検索すると、ペット保険の比較サイトがたくさんあり、よく、犬種や年齢を入力して各社のペット保険料を算出してくれるものがあります。一見すると安くて、補償内容も充実しているように思えるペット保険をオススメしていることが多いのですが、そんなサイトで安易にペット保険を選ぶのはちょっと待ってください。
特に、ペット保険の補償範囲については注意が必要です。
なぜなら、保険には、免責事項(保険金が下りない項目)というものが細かく規定されています。一見すると良さそうな保険でも、この免責事項がいっぱいで実際に入ってからこんなはずじゃなかったという話もよく聞きます。
そこで、ペット保険を選ぶときの参考にと、気になる項目ごとにまとめてみました。ペット保険選びで迷っている人は、ぜひ参考にしてみて下さい。
※あくまでも自分がペット保険を選ぶなら、これにするという、個人的な主観による独断と偏見によるランキングです。
ペット保険を選ぶときのポイント別にランキング
最近ではペット保険にも異業種から色々な会社が新規参入しており、ペット保険の選択の幅がかなり広がっています。消費者としてはとても良いことなのですが、逆に選択できるプランが多くなったことで、どれを選んだらよいのか、迷ってしまっているのではないでしょうか。
一見すると、同じように見えるペット保険ですが、各社によってその特徴や方向性はかなり違います。
この記事では、ペット保険を選ぶときのポイントについて、項目ごとにランキングと、気を付ける点について一つずつ説明していきます。ご自分がペット保険を選ぶときにどの点を重視したいのか、イメージしながら読んでみて下さい。
面倒ごとをできるだけ避けたいなら、保険金請求の簡単さで選ぶ
1位:アニコム(提携病院数:6,111件 2018年2月現在)
2位:アイペット(提携病院数:4,165件 2018年2月現在)
3位:メディカルサポート(診断書の提出は原則不要、スピーディな支払いと請求の簡単さが売り)
4位:ペット&ファミリー(5万円以下は診断書の必要がない。診断書も保険適応など、請求作業が楽と評判)
ペット保険の利用頻度が多い場合、なんといっても保険金の請求のしやすさは、ペット保険選びでかなり重要なポイントになります。
それは、一般的なペット保険では、診療費を一時的に立て替え払いをし、あとで保険金を請求する必要があり、それがとても面倒だからです。
そんな中でなんと言っても一番簡単なのは、動物病院での診察料を支払う時、その場で自動的に請求してくれるタイプです。
これは人の医療保険と同じような仕組みになります。
このタイプの保険といえば、何といってもアニコムが一番有名です。アニコムがペット保険で大手にのし上がったのも、いち早く全国の動物病院と提携し、このシステムを構築したからだと言われています。
提携している動物病院の数が多いのは、アニコムが断トツで全国の病院数に対して約7割、ついでアイペットで約4割程度です。あとは、ペット&ファミリーもごく一部の病院と提携しているだけになります。
ペット保険の保険金請求なんて面倒な作業はしたくないという人は、アニコムかアイペットのどちらかしか、選択肢はありません。
アニコム、アイペットで契約を検討されている方は、行きつけの動物病院が提携病院となっているか必ずチェックしましょう。
《検索ページ》 アニコム損保動物病院検索
《検索ページ》 アイペット全国動物病院検索
また、その他のペット保険では、後日保険金の請求を自分ですることになるのですが、ここでも各社でその対応がかなり違ってきます。
メディカルサポートでは診断書の提出は原則不要。ペット&ファミリーでは、5万円までは領収書と治療明細書だけで保険金の請求ができますが、保険会社によっては獣医さんの診断書が必要だったり、所定の用紙に医師の署名が必要だったりします。
後から請求タイプとしては、保険金の請求のしやすさ、簡単さでメディカルサポート、ペット&ファミリーあたりが口コミでは評判がよいです。
どこまで返ってくるのか、補償の割合で比べてみる
1位:ペットメディカルサポート 100%
(通院で10,000円/日 20回まで、入院で20,000円/円 30回まで、100万円/年の上限あり)
2位:日本アニマル倶楽部 100%
(通院で6,000円/日 60回まで、入院で12,000円/円 60回まで、147万円/年の上限あり)
3位:日本ペットプラス少額短期保険 90%
(90万円/年の上限あり)
4位:ペッツベスト 80%
(100万円/年の上限あり。プランによって7,500円と2万円の免責金額の設定あり)
補償割合とは、診療費として支払った金額の内、保険金として返ってくる割合のことです。
一般的なペット保険では、50%プランと70%プランが用意されていますが、80%以上の補償となるとその数はかなり少なくなります。
中には100%補償のペット保険というものもあります。この場合、病院での治療費のほとんどが保険金として返ってくるため、気軽に病院に行けるというのが、最大のメリットとなります。
ただし、補償割合が100%だからといって、必ず治療費の全額がもらえるわけではありません。各社のプランごとに1日の上限金額、年間の上限金額が必ず決まっています。
最近のペット医療では、人と同じような高度医療を行う場合も多くなってきており、治療方法によってはかなり高額になる場合もあります。
そのため、1日の支払いに上限金額が設定されている場合には、その上限に達することも多く、プランによっては100%補償のペット保険より70%補償の方がもらえる保険金が多いこともありえます。
もし、高額な費用に対する補償に重点を置く場合には、1日あたりの上限金額が決まっていない、日本ペットプラス少額短期保険、ペッツベスト、ペット&ファミリー、アクサダイレクト、au損保あたりがおすすめです。
補償割合を重視する場合には、プランごとの上限金額も必ず合わせて確認しましょう。
何と言っても、保険料の安さで比べてみる
1位:FPC
2位:SBIいきいき
3位:ペットメディカルサポート
4位:日本ペットプラス
(※うちで飼っているのが柴犬なので、柴でのランキングです)
保険料の安さだけで選ぶなら、なんといってもFPC保険がかなり安く、業界No.1といってもよいです。
上記のランキングは、比較しやすいように50%補償プラン(柴犬の場合)で、通院、入院、手術のすべてを補償するタイプのもの、免責金額(自己負担金)がないもの、を比べたランキングです。
保険料は、補償する内容によっても当然変わります。
「入院」と「手術」だけに特化して「通院」を補償しないものや、1回の保険利用に(自己負担金)が設定されているものは、その分だけ安いものもあります。
保険料の比較については、以下の記事にも詳しく書きましたので、ご参考にしてください。
《参考記事》 ペット保険は生涯で支払うトータル保険料で比較すべき
補償範囲の広さ、口コミの評判でランキング
1位:アニコム
2位:アイペット
3位:ペット&ファミリー
4位:ペットメディカルサポート
ここでいう補償範囲とは、実際の金額や日数のことではありません。
通常、ペット保険には、免責事項(保険金が支払われない項目)というものがたくさん設定されています。例えば、避妊手術やワクチン注射料金などは、どこのペット保険でも補償の対象とはなりません。(病気ではないので当然なのです)
ただし、同じ病気や医療行為であっても、ペット保険によっては、それが補償対象となったり、ならなかったりする場合があり、これがとてもやっかいなのです。
大抵のペット保険では、そのような免責事項について細かく、重要事項説明書に記載していることが多いのですが、中には免責事項がかなり曖昧に書かれており、どんな風にも解釈できそうなものまであります。
実際に補償対象となる病気やケガの範囲が広いのは、なんといってもアニコムなのです。
これは、動物病院の窓口で保険金が清算できることも大きく寄与していると言われています。なぜなら、その治療が保険金支払いの対象かどうかを判断するのが、「動物病院」だからです。
また、補償対象となる、ならないは初めから動物病院側でキチンと把握しており、治療前に事前告知してくれることがほとんどで、後で揉め事となるケースが少ないだと思います。
他のペット保険では、後日請求のため、その請求の際に厳しく審査され、最終的に保険金がおりないこともよくあるのです。
特に安いペット保険を契約する場合には要注意です。
よく問題となるケースは以下の3つです。
- 異物誤飲: 愛犬の手に届くところに危険なものを置いていた、飼い主に落ち度があるとして、補償してくれないペット保険もあります。
- 膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう): 脱臼については遺伝性なのか、後天性なのか、その判別が難しく、一律に対象外としているペット保険もよくあります。
- 歯槽膿漏の治療の一環として行われる歯石除去: 予防治療としての歯石除去は各社とも補償対象外なのですが、治療の一環として行わるものが補償対象なのか、明記されていないペット保険が多くあります。
詳しくは、下記の記事もご参考にしてください。
《参考記事》 異物誤飲、歯科医療、膝蓋骨脱臼を補償してくれるペット保険はどれ?
実際のところ、免責事項が適応されるかどうかは、保険金請求時の各社のさじ加減によることも多いです。万が一、ペットが大きな病気をした際、それが補償対象外と判断されると、なんのためにペット保険に長年入っていたのかと揉めるケースもかなりあります。
《参考記事》 ペット保険の闇というブログ記事に、そんなのは当たり前!
そこで重要となってくるのが、ペット保険の「口コミ」情報です。
保険契約者のみなさんが色んなサイトで色んな口コミを書いていたり、個人ブログでペット保険を評価していたりします。ここで、ひとつ気を付けたいのが、一つのサイトでの評判をそのまま信じるのは止めた方がよいということです。
サイトによっては、販売目的のペット保険を良く見せようと、口コミ情報を操作していることもあるからです。
実際、ペット保険ランキングなどに載っている口コミではかなり怪しい情報も含まれており、実際のところはよくわからないことが多いのです。
=>前にあるケースについて実際にペット保険会社に問い合わせたところ、そのような事実はないとはっきりと言われたこともあります。
各社のペット保険の口コミ情報については、色んなサイトを見てまわってまとめたものを記事にしておりますので、ご参考にしてください。
その他、注意すべき項目
ペット保険は基本的にすべて一年ごとの契約となっています。
このため、毎年、契約を更新する必要があるのですが、この契約更新時に、前年にたくさん治療費を請求した病気を補償対象外(免責事項)とされるケースがよくあります。
どのような病気が免責事項として追加されるか、されないかは、ペット保険会社によって判断基準がかなり違います。
特に保険料の安いペット保険や外資系では、利益を確保するために免責事項を増やす傾向が強いようで、口コミなどでも評判がよくありません。最悪の場合、ペット保険の更新を断られたということもあるそうです。
アニコムやアイペットなどは大手ペット保険では、このような免責事項の追加について、比較的緩い傾向があります。
そのため、安さでペット保険を選ぶ場合には、そのペット保険の口コミ情報も十分に確認しましょう。
各社のペット保険の特徴と口コミでの評判を調査
ペット保険について色々な記事を書いてきた中で、各社のペット保険プランについてかなり詳しくなりました。
各社のプランの良いところ、悪いところもある程度分かるようになりましたので、自分なりの基準で評価してみました。(あくまでも個人的な偏見です)
ペット保険を選ぶときの判断基準としては、できるだけ保険料は安く抑えたい(特に高齢となった場合)、でも最低限の補償は欲しい、という欲張りなスタンスです。
詳細については、ペット保険各社の記事も参考にしてください。
ペット保険 | コメント | 参考記事 | 評価 |
---|---|---|---|
ペットメディカルサポート (PS保険) | 慢性的な病気に対しては、弱いですが、保険料の安さと補償のバランスがよい保険です。 | PS保険は保険料の安さと補償バランスで人気-落とし穴に注意? | ◎ |
アニコム (どうぶつ健保ふぁみりぃ) | 何といってもペット保険業界No.1です。安心感が違います。保険金請求の面倒もありません。 | アニコムはペット保険の老舗で安心感が魅力、保険料は少し割高 | ◎ |
アイペット (うちの子) | 補償範囲も広く、悪くはないのです。ただ、値段が同じぐらいなら、アニコムの方がよいかも。 | アイペット損保の「うちの子ライト」は本当に安いの? | △ |
ペッツベスト (PET保険) | 免責金額、免責事項に納得していれば、高額医療にも対応できおり、80%補償の割に安くて良い保険です。 | ペッツベストのペット保険は補償は厚いが免責事項にはご注意! | ○ |
FPC (FPCフリーペットほけん) | 安さが売りのペット保険です。ただ、口コミの評判では賛否両論があり、保険金請求でのトラブルも多いようです。個人的にはあまりオススメしません。 | FPCのフリーペット保険の口コミから分かる落とし穴 | △ |
ペット&ファミリー (げんきナンバーわん) | 評判もよく、1日の上限金額や日数制限がない点は、評価が高いです。 | ペット&ファミリーの「げんきナンバーわん」は意外と評判が良い | ○ |
アクサダイレクト (いぬのきもち) | 安くてコストパフォーマンスはよいのですが、高額な保険金を請求すると次年度の更新をしてくれないなど、評判は。。。。 | アクサダイレクトのペット保険は外資系特有の割り切りも必要 | △ |
日本アニマル倶楽部(プリズムコール) | 100%補償で通院補償の厚さが魅力的です。ただし、手術補償は今一歩です。気軽に病院に行きたい、という人にはおすすめのペット保険です。 | 100%補償のプリズムコール保険は気軽に通院できる点が魅力 | △ |
日本ペットプラス(いぬとねこの保険) | 安さと補償内容の充実が魅力的です。特に手術のみに特化した補償プランは他にはないです。 | 日本ペットプラス「いぬとねこの保険」は、安さと補償内容の充実が魅力 | △ |
au(ペットの保険) | 「通院」もサポート対象になりました。ただ、若い時の保険料は激安で良いのですが、高齢になったときは。。。 | au損保の「ペットの保険」-リーズナブルな保険料が魅力? | △ |
SBIいきいき(SBIいきいき少短のペット保険) | 安さは業界でもトップクラスです。ただ、まだ出来立てのペット保険で、評価はこれからです。 | 「SBIいきいき少短のペット保険」は、割り切った人意外にはオススメしません | △ |
ペット保険を見比べるときのポイントについて
ペット保険は保険会社によって、その特徴がかなり違います。
ざっと、見ただけでは良くわからないことが多いのですが、気になる保険があれば、ぜひ、以下の内容についてチェックしてみて下さい。
- 通院・入院・手術のうち、どれを補償するのか
どの項目を補償するかは、ペット保険にとって一番基本となる項目です。最近では手術のみに特化したものや、ケガのみに特化したものもあります。 - 動物病院の窓口で保険金精算ができるのか
保険金の精算方法には、動物病院の窓口で直接精算できるものと、後で自分で保険金を請求しないといけないものがあります。当然、窓口清算できる方が圧倒的に楽です。 - 生涯に支払う保険金はいくらになるのか
中には高齢になるとドンドン保険料が高くなるペット保険もあります。若い時に安いからと飛びつくと、結局高く付くこともあります。 - 補償割合・自己負担金はあるのか
補償割合は50%、70%の2つが一般的ですが、中には80%や100%といったものもあります。また、病気ごとや1回の保険金請求に対して、自己負担金が設定してある保険もあります。 - 年間の補償上限金額・利用回数・一日あたりの上限金額がいくらか
ペット保険には色々な利用制限があるものです。年間の補償上限金額がいくら高くても、一日あたりの上限が低ければ、最終的にもらう保険料が少なくなるときもあります。
ペット保険を選ぶときのポイントについて、上記のランキングの他にも色々な切り口で記事を書いています。
ぜひ、参考にしてみて下さい。
猫、その他のペット保険について
ペット保険を比較するときのポイント
- アニコムも参戦、「入院」「手術」のみに特化したペット保険はおすすめなのか?
- ペット保険を比較するポイントについて徹底解析-間違わない保険選びについて
- 10歳以上でも入れるペット保険はどれ?おすすめはこれ!
- 異物誤飲、歯科医療、膝蓋骨脱臼を補償してくれるペット保険はどれ?
- ペット保険は生涯で支払うトータル保険料で比較すべき
- 万が一に備えてのペット保険のすすめ、比較するときの注意点
ペット保険なんでもランキング
その他
- ペット保険はなぜ掛け捨ての1年契約のものばかりなのか
- ペット保険は必要?-入るべきか、それとも貯金した方がよいのか
- ペット保険の加入率がなぜ低いのか、考えてみました
- 現在、病気の治療中でもペット保険に加入できるのか?
- ペット保険を選ぶときは保険金の請求方法も大切なポイント
- ペット保険に付帯するペット賠償責任特約には入るべきか?
- ペット保険をお得に契約し、無料のサービスを利用しましょう
- 待機期間がないペット保険はあるのか?早めに入ることが大切
- よくあるペット保険のトラブルを調査-たいていは認識不足が原因
- ペット保険の「免責事項」とは?-契約前には必ずチェック
- 1分で出来るペット保険の資料一括請求-各社の資料を比較